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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 『刑事物語2 りんごの詩』を見ました。

 感動しました。熱くなりました。また感動しました。以上。

 ……いや、もうちょっと書きますよ。もちろんね。


 今回は青森に転勤させられた片山刑事ではありますが、そこでたまたま袋叩きにされている少年(ジャリボーイ)と出会います。少年は典型的ないじめられっこではありますが、ある時蟷螂拳(とうろうけん)のトレーニングに励む片山刑事の姿を見ることで、自らもその拳法を習います。

 もちろんその一方では、非常に(いい意味で)暑苦しくて、熱血だけどちょっとばかり先走りしやすい片山刑事が地元の刑事に煙たがられながらもズイッ、ズイッと事件の真相に迫っていく……というおなじみの展開で進みます。そしてその土地で知り合った女性とちょっといい関係にも!? という『寅さん』ばりの恋愛シーンにもヤキモキさせられてしまいます。

 とにかく不器用、暑苦しくて長髪バサバサで着ている服もジミジミ~で、およそ女性受けする要素が(少なくとも外見的には)一切ないながらも、ひたすら純粋で熱いハートを持って女性にアタックし、それが少しずつ通じていく……。やっぱりこういうのが、理想の恋愛です。


 物語は進み、事件はいよいよ核心へと迫ります。そしてクライマックスではようやく、本シリーズにおける名物『武田鉄矢・ハンガーフォーム』が出てきます。前回はたまたま近くにあったものを取って応戦していたのですが、今回は広い中庭での戦いなので、弟子のジャリボーイのアシストでハンガーを放ってもらい、それで戦います。

 ところが……最初に投げたのがプラスチックの軽いやつだったので……

 「ちがーう! 木のやつ!!!」
 
 「はいっ!」

 と、これまたジャッキー・チェンばりのギャグを盛り込んでの大立ち回り。それまで片山刑事に思い切り感情移入し、同じタイミングでドキドキしたり悲しくなったりしていた犬神はその強烈なカタルシスに朝っぱら(午前5時台)から大声をあげそうになってしまいました。
 
 
 前回は愛する人を守るために松田優作ばりのキリングマシーンぶりを遺憾なく発揮した片山刑事ではありますが、今回はジャリボーイへの(武道を通した)教育がひとつの柱になっているので、非常に熱血な雰囲気となっております。その説教くさい雰囲気が嫌いな人もいるようですが、……まあ、私も金八先生とかはあまり好きではないのですが……こんな感じで、武道を通じて「実際的な強さ」を教え、その強さでジャリボーイを少年へ、そして「男」へと導いていくドラマはすごくよくできていると思います。

 いわゆるハンガーヌンチャクのシーンはあまりないのですが、その代わり中国拳法の修行(型とか)と実戦(複数人相手でもボコボコ。相手が動かなくなっても「これでもか~これでもか!」とばかりに叩くし、蹴る)シーンがたっぷり収録されているので、やはり和製アクションドラマとして結構楽しめるのです。


 ちなみに本作にはタモリも出ています(タモリ一義)。役どころは……今風に言えばちょっと電波系の居酒屋の主人。薄暗い部屋なのにサングラスをかけて、セコイ詐欺を働こうとして引っ叩かれる役。そんなに出番は多くないのですが……嫌だなあ、こんな店。

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 先週借りて、あっという間に未見のまま返却日になった「グリーン・ホーネット2」を見ました。

 日本ではもちろんブルース・リーの作品として認知されているコレですが、私の場合例のテーマ曲を聴きたくて、それで借りてしまいました。


 昼は新聞社の社長、夜は仮面のヒーロー「グリーンホーネット」のパートナー・カトーとして、車を運転したりカンフーで相手を叩きのめしたり、手裏剣のようなもので相手の飛び道具をけん制したり。まあリーの活躍場面を切り貼りして作り上げた作品なので、物語的にはちょっと「アレ?」って思うようなところもありますし、「ドラゴン」シリーズほどビシッバシッドカッホァーチャーってなもんではありませんが、代わりに秘密兵器(ボンドカーみたいなもの)が飛び出したりアメリカンなかっこよさがあったり、コレはコレで面白いなと思いました。

 あとはビデオが古かったからなのか、もともとそうなのか、暗くて誰が何をしているのかよくわからないところもありました。もっとも、リーだけはどんな暗闇でもすぐにわかります。鋭いキックで相手をかがませたところに、ジャンプして勢いをつけながら肘を打ち下ろす! 去り際に意識のある悪人を蹴り飛ばして昏倒させる! 大振りな感じもしますが、とにかくカッコよかったです。


 そうそう。私がこのところ古い映画のビデオを借りるのは、もちろん古い映画が好きなのもありますが、そのビデオが発売された当時に「最新作」として紹介されていた映画の予告編。コレでは「地獄のジョーズ 最後の復讐」。調べてみると本家「ジョーズ」が復讐編とか言って、出ていた時代みたいなんですね。だから、それにぶつけて、間違って借りさせようとして・・・?

 ところでこの「地獄の」ナニナニっていうのの最初はなんだったんでしょう。チャック・ノリスの「地獄のヒーロー」? いや「地獄の黙示録」か?

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 エイベックスという音楽会社があまり好きではありません。

 唯一「ピュアトランス」シリーズは、思春期にガツンと兄者から聴かせられ、一気にメロメロになってしまったので例外とさせていただきますが、どうもうるさいダンス音楽ばかりリリースするところだな、という理由で、好きではないのですね。

 ところが昨日はそのエイベックスから出ている、しかも本編もロクに見たことのない、「仮面ライダー電王」のミニアルバムを買ってしまいました。今日はその話です。いかにも通俗的で、別にここで語らなくてもいいんじゃないッ? と思うのですが、まあ旬の話題を盛り込むのも一興かな、ということでとにかく書きます。


 本編をロクに見たことがない、とは言ったものの、音楽はよく知っていました。言うまでもなくオタクの弟者に聴かされ続けたからです。何度となく聴かされているうちに何となく覚えてきて、歌詞の通り「いーじゃん! いーじゃん、スゲーじゃん!」と思うようになりました。

 本編はどうも面倒くさくて(それでも、他の平成ライダーよりはずっといいのかな? とは思いましたが)好きではないけれど、これで最後だし、まあ流行に乗るのもいいかなと思ってヴァージンの棚に置かれているこれを手に取ったのですが、裏を見て悩みました。

 何で同じ曲ばかり7つも8つも入って、それで3000円も取るのでしょうか。

 これが新日本、じゃなくてエイベックスのやり方か!? と言いたくなりましたが、上野洋子サンのまだ持っていないCDが並んでいたこともあり、最終的にはドサクサで買ってしまいましたが。


 家に帰って聴いてみると、本放映時のテーマとは大分違った音楽であり、タイトルは同じでも各人によって結構思い切ったアレンジがされていて、そのそれぞれが結構いいのですね。

 だから、「3000円はちょっと高い感じもするけど、まあ旬のものだからいいっか」という気になりました。DVDと、ついでにポスターもついてきたし。

 
 気にはなっていたけれど、といってまごまごしているうちに完結編まで出てしまった「仮面ライダー電王」。一応、初回は見ましたが主人公のフヌケっぷりに乗車を見合わせ、何本も見送っているうちに終電が走り出してしまったデンライナー。

 このCDを買うことで、私なりにこの電車に飛び乗った気になった秋晴れの今日この頃でした。

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 本来であれば午前2時に見るべきなのでしょうが、私は休日の午前5時ぐらいから見ました。「バーバレラ」、古い映画です。

 時は西暦4万年(!)。宇宙エージェントであるバーバレラは地球で一番偉い人から、ポジトロン光線という超破壊兵器を作って逃げた極悪科学者デュラン・デュランを捕らえて来い! という命令を受け、宇宙船でひとっ飛び、したのはいいものの磁気嵐につかまって墜落同然に惑星に降り、そこで現地人とアレコレ……といった内容のSF映画です。

 
 基本的にバーバレラは、顔は綺麗だし身体もなかなか、ジェーン・フォンダの魅力爆発というのは誰もが認めるところですが、しかしながら基本的にアホなのですぐに敵に捕まり、色々な拷問・死刑執行を受けます。

 柱に縛り付けられたあと無数の鋭い歯をカチカチさせる人形にかみ殺されそうになったり、無数のインコにたかられて傷だらけになったり。さらには楽器と連動して性的な快楽を与え、それが極まったところで死に至るという、実に趣味的な機械で殺されそうになります。はっきり言ってバーバレラもアホですが周りを取り囲む人々もほぼ全員がアホです。

 そのアホな人たちが1960年代の、実に味のある特撮をバリバリ駆使しながらSFアクションを演じるのだから、古い映画が好きでバカな映画がそれ以上に好きな犬神にはたまらない。最新CG多用の映画が嫌いな私は、やはりこういう特撮が何よりもかっこいいし、リアルで好きなのです。


 なおどちらかというと私はブロンドの女性よりも黒髪の女性の方が好きで、「謎の彼女X」の卜部さんの如きハサミ振り回しを見せる黒の女王・アニタ・パレンバーグがとても魅力的でした。もっとも映画の中の役割も、演じられてる方ご自身も、本気でお付き合いするには少々エキサイティングすぎますが……。

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 最近、映画の話題がたくさん出ている当ブログですが、昨夜は弟者が借りてきた「電影版ゲキレンジャー・ネイネイ!ホウホウ!香港大決戦!」を見ました。

 そもそも仮面ライダー電王と同時上映だから短いのなんのって。30分くらいで終わってしまったのですが、とにかく面白かったです。もっとも、私は本編をあまり詳しく知らないので、石橋雅史さんが出ているから見た、という次第なのですが。


 物語は、香港のメディア王・ヤン(石橋雅史)が世界中から格闘家を集めて、世界一強いやつを決める大会を開くという「燃えよドラゴン」のような出だしから始まります。とりあえず予選を難なく突破し、その夜はねぎらいのパーティに招待されるのですが、そこで驚くべき正体が明かされます。

 実は石橋雅史はサイボーグ武術家であり、格闘家の精神エネルギーを吸収して力を高めるために大会を催したのでした。そして石橋雅史の秘書であり、チャイナドレスが妙に色っぽいミランダ(インリン・オブ・ジョイトイ)もまたサイボーグ武術家であり、普段はいがみ合っているメンバーがひとまず共通の敵ということで一時停戦、力を合わせてバチバチ戦いあうという流れです。

 
 まあ、私の場合そういったストーリィはどうでもよく、ただ実際にクンフーをやっている石橋雅史さんが見たかったわけで、途中でメカメカしい外観になってしまった時は思わずため息をもらしてしまいました。いや、これは「女必殺拳」じゃなくて「ゲキレンジャー」だからそれが当然なのですが。

 一方ほかのゲストは、まあ私がゴチャゴチャいうべきではないのかもしれませんが、小野真弓はどうも薄っぺらいというか、まじめなんだかお笑いなんだかよくわからない、中途半端な感じがしてあまり好きではありませんでした。そしてインリン様は画面に映るだけでもうその役割を果たしているといった感じです。なんか、もう、ごちそうさまでした! というか。


 随分バカなことばかり書いてきましたが、私はここ最近の赤いヒーローの中ではこのゲキレッドことジャンが好きです。同郷(岩手県)の土だから、というか、ある意味私の理想的ヒーローである「バカだけど熱血で正義感は人一倍!」をもっともわかりやすい形で体現しているように感じたからです。

 でもってなおかつこの物語、敵も味方もクンフーを使うんですね。……武器や飛び道具メインじゃなくて、アクションが中心の殺陣は、それこそ香港映画大好きな犬神はとても気に入ってしまいました。


 95年の「餓狼伝」では、実際には戦わないことと板垣恵介の漫画のイメージが強すぎてあんまり強そうに見えなかった石橋雅史さんですが、こちらでは結構バリバリ動いています。空手ではなくクンフーではありますが、やはり強いのです。以上、石橋雅史客演映画「ゲキレンジャー」のレヴューでした。

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 沈黙シリーズ最新作「沈黙の報復」をようやく見ました。

 予想通り、これっぱかしもハラハラドキドキしないセガールアクション映画でした。


 確かに一度、銃で撃たれて意識を失いますが、強烈過ぎる精神力で手当てをする看護師に襲い掛かるほど。それ以前もそれ以後も圧倒的過ぎる強さで次々と相手を惨殺していく、いつものセガール映画でした。

 むしろハラハラドキドキするのはセガールにアパートを貸してしまったために悪党の軍団に襲撃を受け、ドサクサで共闘するハメになってしまった女性が死なないかどうか、そしてその女性のいとこで先述した、セガールの治療を担当した看護師が死なないかどうかということでした(ちなみにラブシーンはコンマ1秒もありません)。

 さらに私の心配はセガールに情報を提供させられてしまったために組織の内外から疑われる情報屋、さらにその情報屋の兄貴で、一度はセガールを殺そうとしたものの(当然ながら)失敗し、組織のボスに殺されそうになる構成員に移り、最終的には「どの悪人がどのタイミングで、どのように惨殺されるのか」にハラハラドキドキしてしまいました。


 今回は「息子を殺されて、その報復のためにロスに乗り込む」というストーリィなので、主に周到に準備した銃器で敵を惨殺しますが、誰にも教わらず、誰にも教えられない唯一無二の必殺拳法「セガール拳」も無論出てきます。一瞬のうちに拳足を叩き込まれ、相手はよくて重傷、悪ければ首をメキキッと折られて即死します。

 このところ見ているいくつかの映画と比べると、あんまり見終わった後の感動はなかったのですが、それはやはりどこかでセガールを「セイギノヒーロー」として見てしまっていた私の不手際といえましょう。「息子を殺した組織より俺の方がワル」と言い切るセガール親父には、動機はあっても正義はないのです。

 ストーリィも何もなく、ただひたすらセガール親父が復讐のために動き回り、とばっちりを受けた周りのギャングたちが次々に重傷を負う、ある意味シュールレアリスムの領域に入っている「沈黙の報復」。こうやって文章を書けるだけでも、見た価値はあるのかな? と思います。

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 和製ブルース・リーといえば倉田保昭ですが和製ジャッキー・チェンといえばこの「刑事物語」の武田鉄矢である、というと……「アホか」と言われそうですが、とにかくそう思いました。

 まじめで熱血で、そして純粋すぎるゆえにアホ女子高生やトルコ(という名の特殊浴場)嬢に懇々と説教くれるし、サギ師にコロリとだまされる。だから普段は煙たがられるのですが、相手が拳銃を持っていても臆せず近づき、必殺の蟷螂拳で必要以上に相手をボコボコに痛めつける……。

 「冗談のわからないジャッキー・チェン」とでも言いましょうか。とにかく中盤以降、腕っ節で悪党たちをぶちのめした挙げ句、最終的には遊戯シリーズとかの、冷静ゆえに怖い松田優作みたいになります。

 スゴイ、と思ったのですね。

 このために数ヵ月前から身体を作り、さらにはその道の専門家に教えを請うたというのはいまや周知の事実でありますが、そのためか大変にスピーディで強力そうな攻撃なんですね。何となく、ハンガーを振り回すよりも素手の方が痛そうな気もしますが、木のハンガーの硬いところで殴られたら、やっぱり痛いのかな。試したくはありませんが。


 まあ、そういうカンフー? アクションを見たくてこの映画を借りたのですが、ストーリィも無視できませんでした。博多のトルコ(という名の公衆浴場)で拾ってきた聾唖の女の子との共同生活。愛とは何か? みたいな、普通の人が言えばしゃらくさいテーマも、博多弁の大仁田厚(ただし全盛期)みたいな武田鉄矢にズズズイッと迫られ、汗まみれで絶叫されては誰も何も言い返せません。

 その物語を彩る脇役たちもなかなかのものです。

 無言でヒロインの女の子にグイグイ迫る気味の悪い男を田中邦衛が演じ、ついつい行き過ぎてしまう武田鉄矢と他の署員たちのクッション兼まとめ役は小林「キャップ」昭二、そして見ている私も「本物か!?」と劇中の樹木希林さんバリに驚いた高倉健(さん)……。

 はっきり言えばどいつもこいつも日焼けして暑苦しくて、それゆえ実に渋くて熱い雰囲気を全体ににじませているのですね。むしろ健さんが一番爽やかに見えるって、どれだけみんな暑苦しいんだと。


 見終わって今、こうして感想を書いていると、その映画のよかったところがしみじみと感じられます。一言で言うなら「口よりも先に手が出る寅さん」といったところで、やっぱり主人公とヒロインが結ばれてハッピーエンド……というよりは、主人公があえて身を引いて、ヒロインとライバル的な人間が結ばれる、というのが日本的で好きなんですよ私は。

 武田鉄矢のアクション目当ての人も、普通にドラマが好きな人も。70年代カンフー映画をすべて見終わってしまった方は、ぜひコレを見るべきだと思います。

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 「フラッシュダンス」と一緒に借りてきた「餓狼伝」を見ました。

 内容は、原作のいくつかのエピソードをごたまぜにしてそれを95分の長さに編集したといった具合で、序盤(プロレス道場に行って、梶原に返り討ちにされる)は同じですが、そのあとは河野さんに教えを請い、成り行きで土方と仕込杖vs素手の格闘を強いられます。ちなみに河野さんは、原作では小さなバーを経営していましたが、こちらではデートクラブの用心棒にまで落ちぶれています。トホホ。

 あとは泉宗一郎さんが割と人格者になっていたり、石橋雅史氏演じる松尾象山がイマイチ強そうに見えなかったり、姫川が色男じゃない(どちらかというと藤巻十三っぽい、重苦しい強さを感じさせる)など、原作のイメージを一部ぶち壊している感もありますが、それでも本物の空手家・八巻建弐さんと本物のプロレスラー・石川雄規さんが真剣勝負を演じ、さらに石川さんと師匠の藤原組長が本気のプロレスを繰り広げるなどド迫力の格闘映画であります。


 結構、血も出ます。特に大杉漣さん演じる土方は原作どおり、容赦なく人を斬りますし、斉藤先輩もやっぱり喉を掻き切られて死にます。さらに丹波は肘で相手の額をカットしたりしますし、最終的にはお互い血みどろになりながら殴り合い、蹴りあい、関節を取り合い、命のやり取り――真剣勝負をします。

 あとは、この手の映画ならロッキー以来の定番、特訓シーンも見もの。空手の「押す筋肉」に特化し、完成した丹波の身体を河野さんがサンボの「引く筋肉」に作り直すため、たっぷり時間を掛けて筋力をつけ、そして関節の取り合いを練習し、さらにスパーリングをこなします。

 プロレスの流れの中で、関節の取り合いをすることは見えましたが、サンボなどの「関節の取り合いがすべて」な戦いは初めて見ました。さらに言うと藤原組長演じる川辺さんと梶原の戦いも、プロレスラー同士ではあるものの、実に地味な関節の取り合いが中心で、それゆえじっとりと熱くなってしまったのですね。


 だから、本気の格闘技が好きな人が楽しい映画だと思います。

 バイオレンス映画といって、ナイフやドスをビュンビュン振り回して血がいっぱい出たり、拳銃をばかばかばかばか撃ちまくって人がたくさん死ぬ映画は嫌いです。この映画も素手(一部、仕込杖)で人をぶちのめすし、血も出るし、バイオレンス映画には違いないと思いますが、どこかスマートなというか、クリーンな印象があるのですね。

 あいにくDVDにはなっていないので、気軽に見られないかもしれませんが、古いレンタルビデオ店の、邦画コーナーの片隅に眠っていたら、是非ご覧になることをオススメします。

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 映画音楽の最高峰といえば? というと、まあ即答は出来ません。たぶん誰にも出来ません。
 大好きなのはいっぱいあります。「007」のテーマ、「スパイ大作戦」のテーマ、「ランボー怒りの脱出」「ロッキー」「ビバリーヒルズコップ」「ロボコップ」「ターミネーター」……香港映画なら「燃えよドラゴン」よりもむしろ「ドラゴンへの道」「死亡遊戯」「さすらいのクンフー」「プロジェクトA」「香港国際警察」……。

 ただ、この「フラッシュダンス」は別格です。何が。何と言うのか、良くも悪くも「80年代!」って感じの曲なんですよね。

 「007」のテーマはたとえば、2009年の新作に使っても、その2009年の空気になるのですが、「フラッシュダンス―ホワット・ア・フィーリング」は絶対にそうならない。今年だろうと25世紀だろうと、その音楽を聴いて見える世界は1983年以外にありえないのです。私は。

 だからその音楽が流れ、その音楽を聴いて25年前の空気を感じることができれば、それでこの映画の80パーセントは完了なのです。


 実際、恐ろしく感情移入が出来ないのですね。

 職場の若社長(と映画を見終わった後wikipediaで復習して気づいた)ニックとの恋愛や親友ジェニーとの友情、精神的師匠となっていたハンナとのふれあい、そして突然の別れ……。

 そういった要素が、ただ目の前を流れていくだけで、あとはストーリィとは関係ないダンスシーンで間をつなぎます。一応ずっと見ていたはずなのですが、ビデオ版はどこか劇場公開版からカットされているのでしょうか。もう少しじっくりと時間をかけてやってもらわないと、気持ちが入ってこないのですが……ダンス映画だからそれでいいのか?

 あ、もしかして本来ストーリィがあるところにダンスシーンを上書きしたのか?


 ……などとこき下ろしてみましたが、憎みきれないろくでなし、十分じゃないけどキライになれない雰囲気の映画でした。私にはダンスで何かを表現したり、見ている人を魅了させたりするという思想が根本からなかったのですが、このダンス原理主義な映画を見ているうちに少し考えが変わりました。

 そういう表現もある。そういう表現に惹かれることが出来る。

 そういったことを感じることが出来たから、とりあえずそれで満足といったところでしょうか。ストーリィに浸りたいなら、初めからこんな映画は見ませんし。


 ちなみに一緒に借りたビデオは「餓狼伝」と「恐怖劇場アンバランス」。むしろこの組み合わせがアンバランスだ。

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 「キャノンボール」といえば、レンタルビデオ店の「ジャッキー・チェン」コーナーに置かれていることがほとんどだと思いますが、この映画は基本的に特定の主人公がいません(バート・レイノルズが一応は主人公か?)。逆に言うと、レースに参加する人たちそれぞれが主役であり、それぞれに同じくらい見せ場があるんですよね。

 だからバート・レイノルズが好きな人が見ても楽しいし、ロジャー・ムーアが好きな人は随所に某スパイっぽい演出があるのが笑えます(テーマ曲も、オリジナルのあれっぽいですし)。マイケル・ホイが好きだから見る、と言う人もいいでしょう(か?)。ピーター・フォンダが出てるから見る、というと、この人はレースに参加していないのでちょっと80分くらい退屈かもしれませんが。

 ストーリィも何も、まあ、あったものではありません。ガヤガヤと自動車が好きな人たちが集まり、ひたすら走りまくる。それだけです。じゃあエンスーな人たちしか楽しめないのかと言うと、むしろそういった人たちはカウンタックがパトカーを振り切る時点でビデオを止めてしまうことでしょう。

 これはコメディなんですから、肩と頭の力を抜いて、その場その場のバカなシーンを見てアハハと笑えばそれでいいんです。以降、そういったバカなシーンを上げ連ねていきます。


 一応は主人公と言うか、それっぽい位置づけのJJ&ビクター(とドクターとパメラ)は、緊急車両なら警察もフリーパスだから、と言うことで救急車で出場。決して車の性能は飛び切りではないのですが、ある時は急患の搬送中だと言ったり、ある時はトレーラーの荷台に忍び込んだりと、運転以外の部分で検問をかいくぐるので常にトップグループを走ります。

 フェラーリ308GTSに乗るモーリス&ジェイミーは、車自体は最高クラスだしジェイミーが元F1ドライバーと言うことで、普通に考えれば優勝候補の筆頭。ただ車が速くても決して有利ではないので、主に相方のセコい妨害工作(ライバルのタイヤの空気を抜く、など)が劇中では連発します。また一番、金にうるさいのもこの相方でした。

 フェラーリといえば、ランボルギーニ。ランボルギーニと言えば、カウンタック。プラス、なんだかキャッツアイみたいな光沢のある服を着た美女がドライバー。逆に言うと、ただそれだけ。ジル&マーシーのコンビです。どうやって警察をすり抜けるか? まあ、ご想像の通りです。私はどちらかと言うと砂漠でふたりを捕まえた婦人警官の方が好きですが。

 イギリスの「あの」スパイが乗る車と言えば、もちろんアストンマーチンですね。そして「あの」スパイが乗る車なので、秘密兵器ももりだくさん。車それ自体の性能としてはともかく、特殊兵器搭載量は後述するスバル・レオーネと争うかも。最後の最後まで、笑わせ……いや、驚かせてくれる車です。


 いやスバルの車がいいのはわかりますが、どうしてここでレオーネなのか。4駆だからか? まあ、ベース車なんて何でもいいというぐらいトンデモな改造が施され、西部警察の特殊車両みたいになっていますが。ウリは暗視装置(これで無灯火で疾走し、夜間警戒中のパトカーの眼をごまかした)とレーダー探知装置。そして一発の速さはダントツ一位の「ロケットエンジン」か。

 あとはアラブの石油王が乗るロールスロイスとか、70年代のNASCARとか、ウイリーしっぱなしで走り続けるハーレーとか、そんなのがまぜこぜになって走ります。あとはトラックの荷台を使って走る列車を飛び越えると言う、後のコナミの「ホットチェイス」ばりのアクションなんかも見ものです。


 キャストが豪華な割にはあんまり盛り上がりがなく、いかにもB級な感じのする本作。一番盛り上がるのはピーター・フォンダ率いるマッドマックス……じゃなくてイージーライダー軍団vsキャノンボール軍団の大乱闘かな。皆さん割と普通に強いんですよね(ロジャー・ムーアは例外)。もちろんジャッキーはカンフーアクションで魅せてくれます。

 車でジャンプしてプールに飛び込むところとか、ロケットエンジンで超加速するところとか、結構「こち亀」で見たことのあるシーンが出てきます。秋本治氏がこの映画を見ていなかったとは、ちょっと考えられません。だから「こち亀」が好きな人なら、なお楽しいかもしれません。

 そして、いくらジャッキー・チェンのコーナーにあるからといって、いつものカンフー・アクションを期待すると、九分九厘がっかりすることでしょう。だからジャッキー・チェンが好きで、車が好きで、B級映画のグダグダっぷりを受け入れられる懐をお持ちの方なら、楽しめるんじゃないのかなあ。そりゃ私ですが。

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 「Bruce Lee in 死亡的遊戯」を見ました。

 この映画、ものすごくいいっていう人とものすごくダメっていう人の両極端、賛否両論あるみたいなのですが、私は肯定派。未公開の格闘シーンがたっぷり使われているのはもちろん、前半部の再現ドラマもそこそこ楽しめました。どこがいいんだ! と否定派はもちろん、肯定派からも糾弾されそうですが。


 無論デビッド・リーがブルース・リーだと言われても、そのイメージを重ねるために脳内で大変な努力をしなければならないのは事実ですし、途中で早送りすることはないにしても、そこそこ冷静でいられてしまうような……よく言えば薄味のドラマです。それでも(本当にそうだったのかはともかく)ブルース・リーがこの映画に並々ならぬ熱意を傾けていたんだろうなという気持ちは伝わります。そして、それで十分だと思います。

 後半のアクションシーンは、大変な迫力でした。全員が全員、とても強いのですね。 ダン・イノサントは武器術(カリ・スティック→ヌンチャク)でバキバキ攻めるし、池漢載はハプギドーでポイポイ投げ飛ばす(「イィーヤッ!」という掛け声がかっこいい)、そしてジャバールは長身から繰り出されるパンチ・キックそれ自体が脅威。

 78年公開版ではロバート・ボブ・ウォールらの出番が多すぎたためか(?)、一言もしゃべらないし、時間それ自体も短く、とてもあっさりしたシーンとなっていましたが、こちらは心理戦も絡めてじっくりと見せ付けてくれます。ブルース・リーも武器を使うし挑発もします。そして最強の敵との戦いでは、「ドラゴンへの道」のように、「正義が悪をぶちのめす」単純な展開ではなく、武道家同士の誇りをかけた濃密な戦い、という雰囲気が出ています。


 私はレイモンド・チョウが作った方の「死亡遊戯」も好きですが、こちらも好きです。……言ってみれば表と裏、本編と外伝みたいなもので、両方合わせて初めて「死亡遊戯」なんじゃなかろうか、と思うのです。ゲーム的に言えば、途中で分岐してエンディングが二通りある、みたいなね。

 だから、やっぱり色々と批判はあろうかと思いますが、レイモンド・チョウの方を見てからこちらを見た方がいいと思います。終盤の「ブルース・リーのテーマ」なんかはものすごくハマって、見終わった後にちょっと余韻に浸りながら真似をしたりしていました。

 ブルース・リーに関しては、劇中の少年と同じようにとても素直な27才なのでした。

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 初めに申し上げておきますと、私はいわゆる特定の宗教の信者というわけではなく、あえて言うなら「女神転生」信者です。神も仏もキリストもひとつ同じ世界で共存する……という世界が実に好きなのです。
 
 そんな私が数年前に見た映画の話をなぜいきなりするのかといえば、ここを眺めていてレヴューがのっていたからです。

 前にも書いたような気がしますが、この映画を見る機会があった一般人代表として、信者としてではなくアニメオタとして見たこの映画のことを、もう一度書きたいと思います。


 とにかくボリュームがあり、時間とかクーカンとかヤカンとかを超越しながら様々な時代の出来事に首を突っ込み、時にこれを操作したりするSFムービーで、あらすじは詳細なものがwikipediaに載っているのでバッサリこれを割愛します。見るべきはその時代時代において30世紀(!)の超科学でピンチを切り抜け、それでも足りなきゃ神のパワーで何とかしていくという、まさに「女神転生」なその世界。

 それらすべてを突き詰めていくとひとつの神、いわゆる「唯一神」にたどり着くのですが、ここがある意味その後の(現実の)人生が大きく分かれるところでしょうか。

 「そういう世界がある」という、自分の人生と一切の接点を持たせずに見られる人でなおかつこの手の神話モノが好きな方なら、この映画は相当に面白いと思います。私はエル・カンターレの歴史観というかノストラダムスの訳詩観の違いで、これを製作したところの教義にはカケラほども感じるところがないのですが、もしもレンタルビデオ店でこれを見かけたら、手にとって見てはいかがでしょうか。


 参考までに私はこの映画のチケットを、当時の大学の教授からもらいました。確か、ギリシャ神話の講義を聴いていて、その流れでもらったんじゃなかったかな。こんなにぶっ飛んだ世界があったのか! ということを知るきっかけになり、今でも「見に行ってよかった」と思っています。

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 たとえば私が映画評論家、あるいは映画の感想でゴハンを食べるような人間であればアレコレと理論を振りかざし、いいの悪いのと言わなければならないのでしょうが、何せ私は素人ですので、そこまで構えなくてもよろしい。

 三船敏郎という人は、まあ個人としては破綻者だったようですが、この際私は知りません。

 黒澤明という人は、いいって言う人とダメだって言う人がいるようですが、それもこのさいどうでもいいのです。

 ただ言えることは、この「椿三十郎」は抜群に面白い、ということなのです。そして(元々、娯楽映画ですし)三船敏郎は抜群にかっこよく、無理やりにでも「岡目八目」だの「あぶなっかしくていけねぇ」だの「もうすぐ四十郎ですが」だのと使ってみたいのです。

 もっとも私は四十郎どころか三十郎ですらなく、しらがの七十郎の向こうを張って、せいぜいふぬけの二十郎、あるいはタイトルにもあるニコニコ二十郎などと名乗るほかなく、押入れに閉じ込められて何かというとでしゃばる見張り役の男にも劣る体たらくなのですが。いや、私のことはどうでもいい。


 とりあえず、見る前と見た後では大分このキャラクタのイメージが変わった、ということですね。

 はっきり言えばパッケージを見る限り、この浪人は人斬りを生業とする血なまぐさい、むしろ人を斬ることで生を実感するとかいう、破綻者のイメージだったのですがどうにも人間くさい。見てる側もやきもきしてしまうくらいアンポンタン(もちろんそれも若さと正義ゆえ、ではあるのですが)な若侍たちに、乱暴ながらも何かと世話を焼くし、女性にもかなり優しい。もちろんここで言う優しさというのはいわゆる日本的なさりげない優しさなのですが。

 「強さ」というのが、単純に人を斬る腕っ節だけではない、ということを強く感じたのが、中盤の三船三十郎の台詞でした。

 「また無駄な殺生をしちまったじゃねえか!」

 悪人軍団の仲間入りをする振りをしながら様子を探る三十郎のもとに、血気にはやった数名の若侍が勝手に行動したあげくあっさり敵に捕まり、それを助けるためにそこに居合わせた十数名からの人間をことごとく斬殺した後、その若侍たちに激怒しながら言った台詞なのですが、これがとても素敵な言葉だと思いました。

 人を斬ること、実戦の修羅場をたくさんくぐればこそ、あの強さが身につく。それは否定できないのですが、その割に三十郎は人間くさい部分を多分に残しているのですね。笑いがわかるというか、悪巧みもさることながらどこか戦闘マシンのような非情さを持つ仲代達矢とは大分違います。


 基本的に映画というものを見る時は、せいぜい100分前後がギリギリであるため、たとえば七人の侍なんかはまず手に取れないのですが、これは時間的にもちょうどいいですし、アクションよりもそういう人間くささ、親しみやすさをとても感じさせてくれる、なるほど、名作というのは誰でもがいいと思うから名作なのだな、などと当たり前のことを実感した日でした。

 なお、リメイク版を見に行く予定はありません。役者がいかんよ役者が。松田優作と三船敏郎。どちらもプライベートは知りませんが、物語の中で見るこのふたりは、何よりもかっこいい。できればこういう「三十郎」になりたいものです。

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12年前、エヴァンゲリオンが空前の大ブームを巻き起こしていた頃(96年だとすれば11年前ですが、ともかく)、私は同じガイナックスの「トップをねらえ!」をみていました。

「エヴァ」の主人公が、こころに影のある小難しい人間たちの物語であるのに対し、「トップ」の主人公はちょっとモロいところもありますが、基本的にはどいつもこいつもシンプルで熱血な人たちであり、同じようなSFアニメでも全然違った味付けになっています。

まあ、たまたま「エヴァ」よりも「トップ」の方を先に知ったために、どちらかというとそちらの方に詳しい、というか好きなんです。

21世紀に入ってからLD-BOXを買い、改めて見たのですが、やはり面白いのですね。(ビデオで見た)当時は入ってなかった「新・科学講座」もあって、よりいっそう理解を深めるきっかけとなりました。全長70kmの宇宙戦艦エルトリウムがイルカで動いてるなんて。


で、どうして「エヴァ」よりも「トップ」なのかを少し考えてみると、後者の方が、とても人間くさくていいんですよね。日本人的というのかな。物事の解決にはとりあえず精神論、いわゆる「努力と根性」。そして努力と根性でどうにもならなければ、旗艦なり自分自身なりを体当たりさせて撃滅させようとすることも厭わない。艦長がそうなら主人公のタカヤノリコもそう。

同じ自己犠牲の感情、誰かを守りたいために自分の身に危険が及ぶことでもやってのけようとする。昨日見てきた映画でもヒロインがそんなシーンをとある作戦行動中に見せてくれたのですが、「エヴァ」はあまりにも痛ましい。語れば軽く数千文字くらい行くので無理やり一言で切り捨てると、そう、「痛ましい」んですね。

あくまで好みの問題というか、90年代的な流行、思考をうまく取り入れたのとあえて70年代スポ根的要素を取り込んだものですから、並列にしてさあどっちにする?なんて言えるものじゃないかも知れませんが、ネルフ本部とエクセリヲンのどちらに来る? と言われたら、私は2秒くらいで後者の方に志願すると思います。「エヴァ」は登場人物に感情移入しづらかったのですが、「トップ」はコーチから艦長から主人公から、とにかく誰にでも移入しやすかったからです。

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10年前。厳密に言えば12年前。

これまでにないほど心惹かれながらわざと無視して、今日この日まで生きてきました。

なんとならば、見ればただでは済まないと思ったからです。


それから、ポンと10年。あるいは12年。

色々とアニメを見ながら、漫画を見ながら、文学を読んで、夢枕獏を読んで、何とかバランスしている今だからこそ、見てこうしてきちんと文章が書けるのかなと思います。それでも、かなり気をつけないと、すぐに土石流が流れた後の大地のようにトンでもないことになってしまうのですが……。

まあ、それくらい、インパクトが強かったということですね。


もしこれが、14歳当時の犬神君が書いたとしたら、どうなってたことでしょう。

恐らくこのブログは1週間~10日間くらいはその話題で埋め尽くされ、その分量もちょっとした大学のレポート並で、しかもそれは分量がやたら多いだけで内容は小難しいというかわけわからんというか、読ませられる側としては拷問にも等しい文章になっていたでしょう。

そして、そもそも、今とは決定的に違う人生を歩んでいたのだと思います。たぶん、どこにでもいるような激烈オタとして、「綾波、綾波」などとマントラを唱え、グッズに使った金は6桁くらいに登っていたことでしょう。


アニメや漫画を読んで、「どこが面白いのか」→「見ている人に、どう思わせたくてこういうのを作っているのか」ということを意地悪く見るようなところがあるから、ギリギリ正気を保てたのかな、とも思います。そうでなければ映画を見ている間に飛び上がっていたかもしれません。

それでなくとも、そういった意地の悪い精神をぶっ飛ばすくらい、面白いのですね。セリフも、映像も、バックボーンも、キャラクタも。男性も、女性も。

あるいは、男子も、女子も、でしょうか。

なるほど、今後は特定のヒロインに好きで好きでたまらないとか言っている人たちのことを一方的に責めるわけにも行きますまい。それくらいキャラクタとしての魅力があるのだから、これはみんな、好きになるのではないでしょうか。


「序」というのはいわゆる「序破急」の「序」であり、次は「破」が来るそうです。ということは私の、10年前に「逃げた」私に対する復讐も、まだ始まったばかりと言うことでしょうか。気持ちが妙な感じになって、どうもすわりが悪い感じです。

そういうわけで私にとっては因縁浅からぬ作品ですが、一般の人が見ても、相当面白いと思いますよ。

「エヴァンゲリオン新劇場版・序」。

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8月です。今日ようやっと東北地方も梅雨明け宣言をし、いよいよ夏本番といったところです。加えて我が町・盛岡では今日からさんさ踊りも開催され、今年は晴天の下かなり盛り上がりそうな勢いです。なんかすごく普通な切り出しですが、逆にいうと、今日はそんなことくらいしか書くことがないんですよ。別な話題? えーと、公害についてですね(違う)。

昨日はそれなりに外へ出て、まずまず身体を動かしてきましたが、今日は基本的には家にあってそれなりに過ごす日々でした。


じゃあ家で何をしていたのかというと、ゲームもそれなりですが、とりあえず家計簿を記入していました。

家計簿といっても予算はお財布+銀行口座にあるだけで、上限はありません。ただ「いつ何でどれくらい使ったのか、データにしたら面白いんじゃないかな」と思い、今年の一月からポチポチつけているのですが、やはり思ったとおり情報があると面白い。

いくら収入があって、その中で今月はいくらお金を使った。その内訳はというと……と、色々な分析ができるわけで、飛び抜けてお金を使った月があればそれをもとに反省もできるので、「宵越しの銭は持たないぜイエイ」などと無理をして散在することもなく、100円200円、果ては10円20円の出費にも気を遣うようなケチケチ振りを発揮するにいたりました。


そうそう。昨日は「死亡遊戯」を見て、今日は「私立ガードマン 全員無責任」という映画を見ました。死亡遊戯は超有名なブルース・リーのアクション映画ですから、私がとやかくいうこともないのですが、後者の「私立ガードマン」は、よほど映画に詳しい人でないとまずわからないでしょうから、解説を少々。

ちょっとトボけているけれど基本的にはまじめな警官と、ちょっと気が弱いけどまじめな弁護士が、それぞれつまらない理由で警備会社(時給4ドル)に転職するハメになり、さらにそこでも警備会社の社長と組合の社長が結託して悪事を働いているのを目撃し、それを叩き潰すために奮戦するという物語です。

わざわざ特筆することではないのですが、いまやそれほど映画に詳しくない人でも割と知名度のある女優メグ・ライアンのデビュー作なそうで、なるほど、ヒロインとしてがんばってる感があっていいですね。

基本的にジャンルは「アクション」ではなくて「コメディ」なので、脳の力を抜いて見る完全娯楽映画なのですが、どことなく日本の「噂の刑事トミーとマツ」みたいだなと思いました。弁護士の方が。普段はちょっと頼りないけれど、いざという時にはものすごい能力を発揮するというところが。

こういうジャンルの映画がお嫌いでなければ、レンタルビデオ店で探してみてはいかがでしょうか。

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そんなもんねぇよ。……いや、でもオードリー・ヘップバーンが「ティファニーで朝食を」なんて言ってるから、実に20年以上、アメリカにはティファニーって言う名前でモーニングを食べさせる店があると思っていました。朝からやってるから、定食屋と言うよりは喫茶店みたいなものだろうな、とかって。

違うっての。ハイ、劇中でもちゃんと宝石屋のティファニーって言っていました。とりあえず半分くらい見る。……いきなり眼鏡でちょっと前歯が出ている日本人が神経質なアパートの同居人として出ていますね。日本人を何だと思っているんでしょう。いや、まあそもそもこれはアメリカの映画だし、時代背景を考えれば別にどうってことない、イメージ通りの日本人なのでしょうが、そう思わないとちょっとアレですね。

まあ、そんなことはよろしい。ともあれこの映画はオードリー・ヘップバーンを見る映画なのですから。煙草を吸うオードリー。飲んだくれてグダグダになっているオードリー。……綺麗だなあ。


夜にはこのところ定例となっている「悪魔城伝説」をプレイ。私の身の回りではみんなサイファ・ヴェルナンデスをパートナーとしておりましたが、ひとりだけグラント・ダナスティを使っているという人がいて、私は心情的な部分もあってグラントを引き連れてズカズカと悪魔城へ乗り込んでいきました。

一応リアルタイムに出回っていた時代からだから、20年近くなりましょうか。ヘボな私の腕では悪魔城のはるか手前でいつもゲームオーバーになってしまっていたのですが、近頃はまあそれなりに攻略サイトなどにも手伝ってもらい、ようやく城の中に入ることが出来ました。でもって♪チャラッチャッチャー、と初代の軽快な音楽に乗って進み、これまた初代からおなじみの死神(デス)との対決。おおっ、勝った!

その後、ドッペルゲンガーをインチキくさい安全地帯から倒し、ついに伯爵様のおられる部屋へ! 伝統的に2段階以上の変身をするお方ですから、たぶん最初こそ人間の姿をしておられるが、きっと変身して……。


それから数時間後。ついに私は2段階以上の変身をする伯爵様を倒し、エンディングを見ることが出来ました。18年越しの悲願、私とグラントの熱血コンビはようやく本懐を遂げることが出来たのでした。

言葉によるストーリィが序盤、それに出会った時に入ってきたゲームですので、エンディングもきっちりと作られていました。さすがだぜ、コナミ! ラルフのその後、グラントのその後……。

……ん? ってことはサイファならサイファの、アルカードならアルカードのエンディングがあるということか?……


……悪魔城の戦いは、まだまだ続けられそうです。

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「あなたが寝てる間に」という映画を見ました。‥‥お前は独身OLか? なんて突っ込みはおよしなすって。うーん、何で見たのかと言うと、高校の頃英語の授業で見たことがあったんですね。サンドラ・ブロックという女優さんが好きで、「スピード」で見てそのあと「ザ・インターネット」で見てこの「あなたが寝てる間に」を見たわけでして。

いやそもそも「ラブロマンスが見たーい」つって見たわけではなくて「英語のリスニングの勉強をさせられる」ようなことで見た、ことになるのかな。同じような理由で「フォレスト・ガンプ」とかも見たことがありましたが、これは最後の30分くらいだけ見ていない。なんだそれ。

で、今回は教室ではなくて自室。高校生ではなくて社会人。劇中の主人公ルーシー(サンドラ・ブロック)に年齢的にもより近づいてしまったわけでして、改めてこの人きれいだー、と素直に思いました。


大まかな筋を言います。独身女性で地下鉄の改札をやっているルーシーが駅のホームから落ちた、毎日見かける憧れの人を助けたものの、彼は意識不明に。そこで病院に駆けつけた時につぶやいた「婚約者なのに」と言う(幻想の)言葉を周りの人に聞かれ、ものすごい勢いで勘違いをされてしまうというストーリィです。

この中で特に好きな人は、ルーシーに恋されるかっこいい男性(職業:弁護士)‥‥

‥‥の弟です。

兄ほど勉強ができるわけでもなく、兄ほどチヤホヤされるわけでもなく、むしろ学生時代はポーカー賭博でクラスメイトのお金を巻き上げて校長にどやされるぐらいのワルだし、大人になった現在でもルーシーのことを本当に婚約者なのか疑ってアレコレ質問攻めにするなど、癖のあるキャラクタなんですが、その一方でとても熱い御仁なんですね。兄の婚約者と認めながら、色々アプローチを仕掛けるいじらしさに、すっかり自分を投影して見続けていました。

そういうわけで、下記条件に当てはまる方はぜひ見るべきだと思います。

・自分よりできのいい兄がいる
・その兄に彼女、または婚約者がいる
・しかも結構タイプだ
・無駄と分かっていても努力することが好きだ
・成人男性だが両親や家族と同居している
・恋は通勤通学時に曲がり角で出会い頭にぶつかるところから始まると、
 未だかたくなに信じて疑わない


‥‥最近は、過去に見たり聞いたりしてよかったなと思ったものをもう一度見たり聞いたりすることをよくしています。そうするとやはり、見えなかったものが見えたり、感じられなかったことが分かったりしてきました。じゃあ次は大学の講義で見たケネス・ブラナーの「ハムレット」かな。でもあれは4時間だしな‥‥。

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