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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。

 昨日はバレンタインデーらしい記事を書きましたが、おととい2月13日は私のばんつぁん(祖母)の誕生日です。今は癌を患って入院しており面会制限も極度に厳しいのでおそらくこのまま二度と会うことはないであろうという気もしますが、それでも私は仙台に来てから2度ほど会ったので大丈夫です。岩手に住んでいる母親や弟者、また宇都宮に住んでいる兄者はそれこそ何年も逢っていないのですから……。
 なお、うちのばんつぁんは大正生まれなので今年で102歳! となります。一族の中では最長寿です。まったくもって素晴らしいことと思います。もうすでに十分長生きしているので、まあ帰天する時が来たとしても、ちゃんと見送ることができるような気がします。

 また、この日は11月5日に帰天した叔母の「百か日」でもありました。実際にこのブログで最初に触れたのは11月13日の記事でしたが、その葬儀の時に初七日とか四十九日とかと一緒に百か日法要までまとめてやっちゃいますね、ということで臨済宗のファンキーな法要に立ち合い自分の中のシスター・アニマに目覚め現在に至るのですが、その時に初めて「百か日法要」というものがあることを知りました。
 今回こうしてテーマにするので、改めてどんなものか調べてみたのですが、どうも明確に「こういうものだ」というのがわかりませんでした。検索してみてもそれについて書いているのは葬儀社のホームページばかりだし、「諸説ありますが……」から始まって「具体的に何をすればいいのか?」ということは詳しく書いているものの明確な教義とか意義とか、そういうものに関しては正直よくわからなかった……という印象です。
 「これじゃあ、何のためにやるのかわからないよ……」
 そんな感じで戸惑う衆生たる私の迷妄を払ってくれたのは山形県西村山郡河北町にある時宗のお寺「西蔵寺」さんの記事でした。タイトルもズバリ「法要は何のために行うのか」。

 法要は何のために行うのか|時宗 西蔵寺

 ……そう、「教義」という点からだけ考えるとやる意味あるの? という話になってしまうのですが、ここで心のキャパシティを広げて、故人を想い故人のために何かをしたいと願う自然な心の動きの表れとして行われてきた「慣習」という考え方をすると、確かにやる意味があるような気がします。
 輪廻転生してから解脱するのか、南無阿弥陀仏で極楽浄土に直行するのか。個人的にはイエスさまがおられる天の国に帰るのだというふうに考えているのですが、いずれにしてもそういうことを考えるのは「いま、この世に生きている人間」だけができることです。急にでもそうじゃなくても人間が幽明境を異にするというのは愛別離苦、ひどく悲しくて苦しいものですから、それを紛らわすというか……西蔵寺さんの記事で知った言葉を使えば「発菩提心」ですね。そういう心の温かさを持つのが良いっていうのは、仏さまもイエスさまも認めてくれると思うんですよね。こうして並べてみると「聖おにいさん」を連想してしまいましたが。
 そんな気持ちで百か日を迎え、当日はひとり静かに叔母のことを想いつつ一献やりました。電子レンジとかマッサージチェアとかコーヒーメーカーとか、叔母の部屋にあったものを色々と持ってきて毎日使っている甥っ子は今日も元気です。生涯現役で盛岡の川徳百貨店から仙台三越まで婦人服売り場に立ち続けた叔母から見れば、私のコーデなんかは「まだまだね」とため息をつくようなレベルだと思いますが……やはり綺麗なひとであったと思うのです……。
 天の国から見られたときに、「相変わらずおかしなことやってるわね」と苦笑しつつ「少しはマシになったかしら」と言ってもらえるよう、私もコーデ頑張ります。
 ……うん、私はそのために女の子の服を着ることにしよう! 今後はそういうものとして皆様もご認識ください。


   *

 叔母の帰天や祖母の誕生日を機に身近な人の生と死に向き合い自分のことを考えていると、それまであいまいだった死の概念がヴィヴィッドになりました。ユルスナール女史の言葉でいうところの「肉体の感覚や外部世界の偶然を通して、死が自分に送ってくれる合図の一つ一つに死を感じれば感じるほど、ますます自分が懸命に強く生きているということを自覚する」というもので、私も限られた時間を大切にし、先に帰天した人たちのことを想いながら私は私の『在りたい私』を生き、その時が来たら天の国に帰ろう……そう思うようになったのです。
 その日まで、このブログは続けます。
 先日イワテライフ日記さんが25周年を迎えられたことについての記事を書いたところ、管理人の「まると」さんが当該記事を読んでいただいたとのことで……あわわ、恐縮です! 2/12にお読みいただいたということは、もしかして、そのひとつ前の記事も読んでいただいたということなのでしょうか……。

 イワテライフ日記25周年によせて|イワテライフ日記

 いつか誰かが読んでくれるさと思う一方、誰も読んでくれないんだから多少ムチャしてもいいだろうと思って好き放題書いていましたが、まさか憧れの「まると」さんに読んでいただけるとは……この1拍手はSNSの10万いいねに相当する嬉しさです。地道に続けてきてよかったです。こういう瞬間があるのなら、やはりこれからもブログを続けていきたいと思います。
 速報性のある刺激的な文字が飛び交うSNSの世界も意義はあると思うんですが、こうしてしっかりと、地道に自分の考えや日常を記録することが私にとっては必要なのです。「消費されない文化」というのは私の重要なテーマですから。地道に実直に、日々のことを丁寧につづっていきたいと思います。そりゃ~書く方も人間ですから内容が薄かったり濃すぎたりすることはあると思いますが、やっぱり一定のカリテは保てるよう精進していきます。
 そんなわけで、これからもよろしくお願いします。

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