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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 『けんか空手 極真拳』シリーズと対を成す実録ものです。

 もっとも、



 ということなので、当然ながら映画としての脚色があるのでしょう。いや、あってもらわないと、色々とエキサイティングすぎて、ちょっと若者を指導する立場の人としては……。


 終戦直後なので、大体『けんか空手 極真拳』と同じ時代のはずですが、こちらは割と順調に道場を拡大していきます。もちろん牛を倒したり熊を倒したりすることはありません。倒す相手は主に暴力団の構成員です。

 終戦後の大阪で、進駐軍からの横流し品をギった子どもを袋叩きにする暴力団員に対しては、

 「食い物と土地は天下公平。食えない奴が不正のヤミ物資を かっぱらうのは当たり前だ」

 という持論を展開。さらに、

 「不正はいかんが不法はいい」

 という論理を展開し、最終的に大暴れの挙句、暴力団が抱え込んでいた横流し品をその場にばら撒いてしまいます。


 その後、進駐軍の兵隊やら警官やらにも危害を加え、四国に落ち延びた千葉ちゃん。この土地ではすでにかなりの悪名、もとい勇名をはせているようで、暴力団員も千葉ちゃんが現れると「げっ、喧嘩坊主!」とビビってしまいます。一応立ち向かってみるものの、やはり一瞬で吹っ飛ばされて終了となりました。ついでに、暴力団員に袋叩きにされた挙句にピストルを持ち出した兵隊くずれの男も川に放り込まれました。

 もっとも、これは千葉ちゃん一流のスカウト法のようで、こうやって喧嘩で組み伏せた若者の中で気に入った連中を次々と自分の道場に引きずり込み、弟子として育成していたのでした。実際、気のいいサワヤカ好青年たちばかりで、みんな千葉ちゃんを先生としたっています。ここが『けんか空手 極真拳』との違いでしょうか。

 川に放り込んだ兵隊くずれの男とその妹もいつしか弟子になり、修行に汗を流します。ちなみにこの男は誠直也さん、そして妹は『爆発的人気・ヤングのアイドル』(予告編より)志穂美悦子さんが演じています。


 こうして少しずつ道場も大きくなっていったのですが、そんな折、以前ぶっ飛ばした暴力団員がまた悪さをした、という訴えが千葉ちゃんの下に来ました。知り合いのうどん屋の看板娘(セーラー服着用)を集団で強姦してしまったというのです。しかも警察に訴えても強姦じゃなく和姦だといって取り合いません。

 その話を聞いた千葉ちゃんはもちろん激怒。「法が裁かなくても、俺が裁いてやる」といって暴力団員がいるダンスホールに乱入。散々ぶちのめした挙句、グループの兄貴分のナニ(男の証明)をハサミで切断し、野良犬に食わせてしまいました。

 「な、なにするんじゃ、やめれええええ!」

 この役を演じているのは故・安岡力也さんです。あの力也さんがこれほどまでに恐怖に引きつっている表情を見たのはこれが初めてでした。むしろこの映画ぐらいしかないんじゃないかなあ。


 もっとも、これで黙っているような暴力団ではありません。安岡力也の兄貴分が報復のために襲ってきました。ただし千葉ちゃんが相手では勝ち目がないので、兄妹でさわやかに修行をしていた誠直也と志穂美悦子の方に。

 それなりに善戦するものの、まだ女ドラゴンになる前の志穂美悦子とまだアカレンジャーになる前の誠直也ではやはりかなわず、片腕を長ドスでばっさりと切断されてしまいます。この後千葉ちゃんが激怒して暴力団の事務所に乱入、加害者の指を切り落とさせた後、組長の腕をへし折りましたが、それでも誠直也の気持ちは収まりません。

 「こんなことなら、特攻で死んだほうがましだった」と酒びたりになる誠直也。確かにつらいものがあります。しかしながら、鬼の千葉ちゃんは「そんなに死にたけりゃおれが死に場所を探してやる」と言って引きずり出し、再起不能寸前まで叩きのめします。

 寸前、というのは、あくまでも本当に再起不能にするのが目的なのではなく、誠直也の本気を引き出すためだったから。実際ギリギリのところで千葉ちゃんに反撃を食らわしたところで、それまで鬼の表情だった千葉ちゃんがにこりと笑い、「やればできるじゃないか」といってくれました。こうして誠直也は立ち直りました。そりゃ志穂美悦子も後ろで号泣します。


 改めて修行に汗を流す誠直也と志穂美悦子、さらにうどん屋の娘、その他大勢。公開演舞会が開かれるというニュースが新聞の一面で報じられるなど、若者の指導者として着実にステップを踏みしめていく千葉ちゃん。以前は『邪道空手、白昼の大暴れ!』とか何とかってスキャンダラスに書き立てられていたのに。

 しかしながら、そんな千葉ちゃんのところに悲報が舞い込みます。かつて(終戦直後)パンパンになるところを助け、その後大阪で再会して何とかまともな生活を送れるよう支援した女性が病気でタイヘンだという一報が届いたのです。

 あわてて大阪に帰り、久々の再会を果たしたものの、まもなくその女性は病死。彼女を救えなかった千葉ちゃんは自問自答します。

 「力だけを目指して今日まで生きてきた。俺に足りなかったものは愛だったんだ。力と愛。この二つが俺には必要だったんだ。力愛不二。そうだ、力愛不二だ」

 そうだ力愛不二だ。と思ったところ、またしても急展開。かつて大阪で叩きのめした暴力団が今の千葉ちゃんの地元である高松に進出、自分たちの暴利をむさぼるための施設を建てるために、善良な市民たちが営む闇市をぶっ潰そうとしています。さらに弟子も一人、ドスで何度も刺されて惨殺されてしまいます。

 そういうわけで再び激怒の千葉ちゃん。大阪の暴力団と地元の暴力団の組長同士が会合しているところに乱入し、地元の暴力団組長に制裁を加えます(今度は両腕をへし折った)。そしてスタコラ逃げ出した大阪の暴力団組長を捕まえて怒りの鉄拳。組長は口から何かを吐き出し絶命(?)しました。

 最後はたくさんのお弟子さんたちとの練習。カメラが少しずつ引いていきます。そして、



 という字幕が入り、終わりとなります。


 『けんか空手 極真拳』との違いは、やはり純粋に己の強さを求めた大山倍達と若者を指導しようと思った宗道臣の違いでしょうか。 もちろんどちらが正しいとか、どちらが強いとか、そういうことは関係ありません。ただ、その違いです。

 そして結論としては、とにかく私はどちらも大好きです。千葉ちゃんも大好きです。『極真拳』『少林寺拳法』そして『ゴルゴ13』。どれもこれも最高です。

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 終戦直後なので、大体『けんか空手 極真拳』と同じ時代のはずですが、こちらは割と順調に道場を拡大していきます。もちろん牛を倒したり熊を倒したりすることはありません。倒す相手は主に暴力団の構成員です。

 終戦後の大阪で、進駐軍からの横流し品をギった子どもを袋叩きにする暴力団員に対しては、

 「食い物と土地は天下公平。食えない奴が不正のヤミ物資を かっぱらうのは当たり前だ」

 という持論を展開。さらに、

 「不正はいかんが不法はいい」

 という論理を展開し、最終的に大暴れの挙句、暴力団が抱え込んでいた横流し品をその場にばら撒いてしまいます。


 その後、進駐軍の兵隊やら警官やらにも危害を加え、四国に落ち延びた千葉ちゃん。この土地ではすでにかなりの悪名、もとい勇名をはせているようで、暴力団員も千葉ちゃんが現れると「げっ、喧嘩坊主!」とビビってしまいます。一応立ち向かってみるものの、やはり一瞬で吹っ飛ばされて終了となりました。ついでに、暴力団員に袋叩きにされた挙句にピストルを持ち出した兵隊くずれの男も川に放り込まれました。

 もっとも、これは千葉ちゃん一流のスカウト法のようで、こうやって喧嘩で組み伏せた若者の中で気に入った連中を次々と自分の道場に引きずり込み、弟子として育成していたのでした。実際、気のいいサワヤカ好青年たちばかりで、みんな千葉ちゃんを先生としたっています。ここが『けんか空手 極真拳』との違いでしょうか。

 川に放り込んだ兵隊くずれの男とその妹もいつしか弟子になり、修行に汗を流します。ちなみにこの男は誠直也さん、そして妹は『爆発的人気・ヤングのアイドル』(予告編より)志穂美悦子さんが演じています。


 こうして少しずつ道場も大きくなっていったのですが、そんな折、以前ぶっ飛ばした暴力団員がまた悪さをした、という訴えが千葉ちゃんの下に来ました。知り合いのうどん屋の看板娘(セーラー服着用)を集団で強姦してしまったというのです。しかも警察に訴えても強姦じゃなく和姦だといって取り合いません。

 その話を聞いた千葉ちゃんはもちろん激怒。「法が裁かなくても、俺が裁いてやる」といって暴力団員がいるダンスホールに乱入。散々ぶちのめした挙句、グループの兄貴分のナニ(男の証明)をハサミで切断し、野良犬に食わせてしまいました。

 「な、なにするんじゃ、やめれええええ!」

 この役を演じているのは故・安岡力也さんです。あの力也さんがこれほどまでに恐怖に引きつっている表情を見たのはこれが初めてでした。むしろこの映画ぐらいしかないんじゃないかなあ。


 もっとも、これで黙っているような暴力団ではありません。安岡力也の兄貴分が報復のために襲ってきました。ただし千葉ちゃんが相手では勝ち目がないので、兄妹でさわやかに修行をしていた誠直也と志穂美悦子の方に。

 それなりに善戦するものの、まだ女ドラゴンになる前の志穂美悦子とまだアカレンジャーになる前の誠直也ではやはりかなわず、片腕を長ドスでばっさりと切断されてしまいます。この後千葉ちゃんが激怒して暴力団の事務所に乱入、加害者の指を切り落とさせた後、組長の腕をへし折りましたが、それでも誠直也の気持ちは収まりません。

 「こんなことなら、特攻で死んだほうがましだった」と酒びたりになる誠直也。確かにつらいものがあります。しかしながら、鬼の千葉ちゃんは「そんなに死にたけりゃおれが死に場所を探してやる」と言って引きずり出し、再起不能寸前まで叩きのめします。

 寸前、というのは、あくまでも本当に再起不能にするのが目的なのではなく、誠直也の本気を引き出すためだったから。実際ギリギリのところで千葉ちゃんに反撃を食らわしたところで、それまで鬼の表情だった千葉ちゃんがにこりと笑い、「やればできるじゃないか」といってくれました。こうして誠直也は立ち直りました。そりゃ志穂美悦子も後ろで号泣します。


 改めて修行に汗を流す誠直也と志穂美悦子、さらにうどん屋の娘、その他大勢。公開演舞会が開かれるというニュースが新聞の一面で報じられるなど、若者の指導者として着実にステップを踏みしめていく千葉ちゃん。以前は『邪道空手、白昼の大暴れ!』とか何とかってスキャンダラスに書き立てられていたのに。

 しかしながら、そんな千葉ちゃんのところに悲報が舞い込みます。かつて(終戦直後)パンパンになるところを助け、その後大阪で再会して何とかまともな生活を送れるよう支援した女性が病気でタイヘンだという一報が届いたのです。

 あわてて大阪に帰り、久々の再会を果たしたものの、まもなくその女性は病死。彼女を救えなかった千葉ちゃんは自問自答します。

 「力だけを目指して今日まで生きてきた。俺に足りなかったものは愛だったんだ。力と愛。この二つが俺には必要だったんだ。力愛不二。そうだ、力愛不二だ」

 そうだ力愛不二だ。と思ったところ、またしても急展開。かつて大阪で叩きのめした暴力団が今の千葉ちゃんの地元である高松に進出、自分たちの暴利をむさぼるための施設を建てるために、善良な市民たちが営む闇市をぶっ潰そうとしています。さらに弟子も一人、ドスで何度も刺されて惨殺されてしまいます。

 そういうわけで再び激怒の千葉ちゃん。大阪の暴力団と地元の暴力団の組長同士が会合しているところに乱入し、地元の暴力団組長に制裁を加えます(今度は両腕をへし折った)。そしてスタコラ逃げ出した大阪の暴力団組長を捕まえて怒りの鉄拳。組長は口から何かを吐き出し絶命(?)しました。

 最後はたくさんのお弟子さんたちとの練習。カメラが少しずつ引いていきます。そして、



 という字幕が入り、終わりとなります。


 『けんか空手 極真拳』との違いは、やはり純粋に己の強さを求めた大山倍達と若者を指導しようと思った宗道臣の違いでしょうか。 もちろんどちらが正しいとか、どちらが強いとか、そういうことは関係ありません。ただ、その違いです。

 そして結論としては、とにかく私はどちらも大好きです。千葉ちゃんも大好きです。『極真拳』『少林寺拳法』そして『ゴルゴ13』。どれもこれも最高です。

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