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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 オープニングで前回までのあらすじが語られたところを見ると、やはり昨日書いた『けんか空手 極真拳』の直接の続編のようです。

 前回のラストで敵対する? 流派を壊滅させたのはいいものの、世間的には『邪道空手』とかとさげすまれ、ほとんど相手にされなくなっていた大山倍達こと千葉真一。今回は石橋雅史さん率いる流派に道場破りを仕掛けたものの、「お前のようなやつとは付き合ってられないよ」という趣旨のことを言われ、そもそも戦いにならず。「へっ、おれが怖いのかよ」とは言ってみたものの、結局戦わないことにはどうにもならず、その場は立ち去ります。

 そのくせ帰り道では、門下生に闇討ち同然の襲撃をかけさせます。もちろんあっさり撃退する千葉ちゃんですが、そのことを新聞でスキャンダルにされ、ついには暴力団の用心棒にまで成り下がってしまいます。


 闇市の雑踏をうろうろしていると、おや、ニセモノの大山倍達が何か怪しい薬を売っています。まあ典型的なインチキ商売です。早速そのことを問い詰めますが、一緒にいたサクラ役の男は「おれたちの大山がニセモノなら、(空手をやめて用心棒になった)今の大山だってニセモノだ!」と食って掛かります。

 で、なんだかよくわからんが面白い野郎どもだ、と思ったかどうか。一緒に酒を飲んだり(ニセ大山が)行きつけの飲み屋の女の子と結婚することを後押ししたりと、奇妙な連帯感が生まれます。

 ちょうどこのころ、ずっと千葉ちゃんのことを待ち続けていた智八子さんに諭されたこともあり、暴力団の親分(かつての戦友でもある)に決別のパンチを食らわせ、再び空手修行に励むようになりました。何の脈絡もなく唐突に八名信夫さん率いる剣客集団に襲われたり、謎の老人から「殺気が強すぎる」「円の動きが大事じゃ」と言われて滝に打たれたり。ようやく空手バカ一代らしくなってきました。

 しかしながら、ここで悲劇が起こります。ニセ大山と結婚して北海道に行こうとしていた女の子が、石橋雅史のせいで、事故死してしまいます。


 これっていうのは、個室で弟子ともども飲んだくれているところに沖縄での空手修行から帰ってきた弟が現れたのがきっかけでした。「酒など飲んでいる場合か」「姑息な手段など使わず、なぜ大山と立ち会わないんだ」まじめに空手修行をしてきた弟はグダグダに泥酔している兄貴を一喝します。痛いところを突かれた兄貴は、せっかく久々に再会した弟を帰れ帰れと追い返してしまいます。

 その後、あきれた弟子もみんな帰ってしまって、ひとりでさらに飲んだくれる石橋雅史。そこにお銚子を持ってきたニセ大山のフィアンセを、酒の勢いで強姦しようとします。助けてー。キャー。部屋の窓から飛び降りたフィアンセ。激しい雨に打たれながら絶命してしまいます。

 そして敵討ちだとばかりに包丁を持って突撃するニセ大山も、弟子たちにボコボコにされて絶命。サクラ役の男もまあまあ頑張りましたが、重傷を負ってしまいます。そしてこの悲劇に激怒した千葉ちゃんは改めて道場を襲撃。石橋雅史を引きずり出して再起不能の重傷を負わせます。

 もっとも、今回は弟が後を引き継いだので、流派自体は残りました。ただ兄貴を再起不能にさせられた腹いせに、その場に集まった門弟たちを相手に「今から百人組み手だ!」とかと言い出す新館長なので、何割かは逃げ出したかもしれません。


 ところ変わって、場所は北海道。ニセ大山とフィアンセの遺骨を葬るために汽車に乗ってやってきました。

 そこで出会ったひとりの少年。……というか、千葉ちゃんがトイレで用を足している時に遺骨の入ったかばんを盗んでいった少年。もちろんそうとは知らずに盗んだものだから、開けてビックリなんとやら。親父の酒代目当てに盗んだのに、なんじゃこりゃーってなもんです。

 あとを追いかけてやってきた千葉ちゃん。酒ばかり飲んで働かないばかりかその場から動こうとしない親父をゴキゴキッと矯正し、再び働く気にさせました。少年とも一緒に魚とりなんかをして、仲良くなります。なんか前作でも見たシーンです。

 しかしながら、またしても悲劇が。親父が木を切り出す時に、誤って下敷きになり、瀕死の重傷を負ってしまったのです。しかもお金がないから、医者に見せることもできない。このままでは死を待つばかりです。

 「腕を痛めているのに、無理することなかったんだよ」

 きこり仲間が嘆き悲しみます。……腕?

 責任を感じた千葉ちゃんは金持ちの人の家に頭を下げます。そしてお金を出してもらう代わりに、ヒグマと戦うことになりました。ここでもうひとつの有名エピソード「熊との対決」が挿入されます。

 史実(?)では直前で中止させられたこのヒグマ対決ですが、映画ではしっかりと描かれます。関係ない人を一人殺しながら暴れまわるヒグマ。まともにぶつかっても勝てないので、逃げ回る千葉ちゃん。少年と、今まで忘れていましたが智八子さんが見守る中、じりじりと追い詰められていきます。

 やがて血が目に入り、視界も定かでなくなりました。絶体絶命。しかしその時、もはやこれが映画で大山倍達という人を演じていることを忘れたが如く気合を爆発させた千葉ちゃん。ちぇいやーっ。連続キックから、必殺の突きがヒグマの目に命中。目から大量出血し、あえなくヒグマは絶命したのでした。


 しかしながら、千葉ちゃんに休息の時はありません。石橋雅史の弟が、わざわざ北海道まで果たし状を持ってきたのです(正確には弟子に持ってこさせた)。

 怪我が治るまでここにいるよ、と少年に約束したのに、1秒後には汽車に乗っているシーン。これは一種のギャグなのかな、と思ってしまいました。

 そして走る汽車を追いかける少年。「おじちゃーん、おじちゃーん、おじちゃんのばかやろーっ」。やがてホームが途切れ、柵に阻まれる少年。遠ざかっていく千葉ちゃん……。

 ……って、まだ走ってるよ!!!

 線路脇の砂利道を走る、走る、走る少年! 思わず千葉ちゃんも「バカ! よせ! 危ないよ!」と必死です。そんな制止も効かずに走り、叫ぶ少年。途中で転んでもまた起き上がり、走り続ける少年。やがて川に差し掛かり、汽車は鉄橋の上を走っていきます。そこでようやく少年は追いかけるのをやめました。でも、すごい根性と脚力ですよ。時間さえかければ、歩いてでも東京に行けるんじゃないのかな。

 その後は鎖鎌などで襲い来る弟子たちを蹴散らしつつ石橋弟との決闘にのぞみ(もっとも、石橋弟はあくまでも武道家なのでちゃんと決着をつけることを望んでおり、勝手なまねをした弟子たちを厳しく叱責していた)、両目に突きを入れて失明させKO。今度は声をかけてくれる人もなく、一人さびしく去っていくシーンで「終」でした。

 『ゴルゴ13 九竜の首』もそうだったんですけど、どれもこれも原作に忠実とか何とかっていう考えを根底からぶち壊すような千葉ちゃんのド迫力アクションに息を飲まれました。原作では少々朴訥とした印象のある大山総裁ですが、こちらはそれなりに女性を好きになるし、子どもにも優しいし、なんか人間味あふれる印象でした。それがきっと千葉ちゃんらしい、ということなんでしょうけど。

 とにかく、猛烈に面白かったです。

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 闇市の雑踏をうろうろしていると、おや、ニセモノの大山倍達が何か怪しい薬を売っています。まあ典型的なインチキ商売です。早速そのことを問い詰めますが、一緒にいたサクラ役の男は「おれたちの大山がニセモノなら、(空手をやめて用心棒になった)今の大山だってニセモノだ!」と食って掛かります。

 で、なんだかよくわからんが面白い野郎どもだ、と思ったかどうか。一緒に酒を飲んだり(ニセ大山が)行きつけの飲み屋の女の子と結婚することを後押ししたりと、奇妙な連帯感が生まれます。

 ちょうどこのころ、ずっと千葉ちゃんのことを待ち続けていた智八子さんに諭されたこともあり、暴力団の親分(かつての戦友でもある)に決別のパンチを食らわせ、再び空手修行に励むようになりました。何の脈絡もなく唐突に八名信夫さん率いる剣客集団に襲われたり、謎の老人から「殺気が強すぎる」「円の動きが大事じゃ」と言われて滝に打たれたり。ようやく空手バカ一代らしくなってきました。

 しかしながら、ここで悲劇が起こります。ニセ大山と結婚して北海道に行こうとしていた女の子が、石橋雅史のせいで、事故死してしまいます。


 これっていうのは、個室で弟子ともども飲んだくれているところに沖縄での空手修行から帰ってきた弟が現れたのがきっかけでした。「酒など飲んでいる場合か」「姑息な手段など使わず、なぜ大山と立ち会わないんだ」まじめに空手修行をしてきた弟はグダグダに泥酔している兄貴を一喝します。痛いところを突かれた兄貴は、せっかく久々に再会した弟を帰れ帰れと追い返してしまいます。

 その後、あきれた弟子もみんな帰ってしまって、ひとりでさらに飲んだくれる石橋雅史。そこにお銚子を持ってきたニセ大山のフィアンセを、酒の勢いで強姦しようとします。助けてー。キャー。部屋の窓から飛び降りたフィアンセ。激しい雨に打たれながら絶命してしまいます。

 そして敵討ちだとばかりに包丁を持って突撃するニセ大山も、弟子たちにボコボコにされて絶命。サクラ役の男もまあまあ頑張りましたが、重傷を負ってしまいます。そしてこの悲劇に激怒した千葉ちゃんは改めて道場を襲撃。石橋雅史を引きずり出して再起不能の重傷を負わせます。

 もっとも、今回は弟が後を引き継いだので、流派自体は残りました。ただ兄貴を再起不能にさせられた腹いせに、その場に集まった門弟たちを相手に「今から百人組み手だ!」とかと言い出す新館長なので、何割かは逃げ出したかもしれません。


 ところ変わって、場所は北海道。ニセ大山とフィアンセの遺骨を葬るために汽車に乗ってやってきました。

 そこで出会ったひとりの少年。……というか、千葉ちゃんがトイレで用を足している時に遺骨の入ったかばんを盗んでいった少年。もちろんそうとは知らずに盗んだものだから、開けてビックリなんとやら。親父の酒代目当てに盗んだのに、なんじゃこりゃーってなもんです。

 あとを追いかけてやってきた千葉ちゃん。酒ばかり飲んで働かないばかりかその場から動こうとしない親父をゴキゴキッと矯正し、再び働く気にさせました。少年とも一緒に魚とりなんかをして、仲良くなります。なんか前作でも見たシーンです。

 しかしながら、またしても悲劇が。親父が木を切り出す時に、誤って下敷きになり、瀕死の重傷を負ってしまったのです。しかもお金がないから、医者に見せることもできない。このままでは死を待つばかりです。

 「腕を痛めているのに、無理することなかったんだよ」

 きこり仲間が嘆き悲しみます。……腕?

 責任を感じた千葉ちゃんは金持ちの人の家に頭を下げます。そしてお金を出してもらう代わりに、ヒグマと戦うことになりました。ここでもうひとつの有名エピソード「熊との対決」が挿入されます。

 史実(?)では直前で中止させられたこのヒグマ対決ですが、映画ではしっかりと描かれます。関係ない人を一人殺しながら暴れまわるヒグマ。まともにぶつかっても勝てないので、逃げ回る千葉ちゃん。少年と、今まで忘れていましたが智八子さんが見守る中、じりじりと追い詰められていきます。

 やがて血が目に入り、視界も定かでなくなりました。絶体絶命。しかしその時、もはやこれが映画で大山倍達という人を演じていることを忘れたが如く気合を爆発させた千葉ちゃん。ちぇいやーっ。連続キックから、必殺の突きがヒグマの目に命中。目から大量出血し、あえなくヒグマは絶命したのでした。


 しかしながら、千葉ちゃんに休息の時はありません。石橋雅史の弟が、わざわざ北海道まで果たし状を持ってきたのです(正確には弟子に持ってこさせた)。

 怪我が治るまでここにいるよ、と少年に約束したのに、1秒後には汽車に乗っているシーン。これは一種のギャグなのかな、と思ってしまいました。

 そして走る汽車を追いかける少年。「おじちゃーん、おじちゃーん、おじちゃんのばかやろーっ」。やがてホームが途切れ、柵に阻まれる少年。遠ざかっていく千葉ちゃん……。

 ……って、まだ走ってるよ!!!

 線路脇の砂利道を走る、走る、走る少年! 思わず千葉ちゃんも「バカ! よせ! 危ないよ!」と必死です。そんな制止も効かずに走り、叫ぶ少年。途中で転んでもまた起き上がり、走り続ける少年。やがて川に差し掛かり、汽車は鉄橋の上を走っていきます。そこでようやく少年は追いかけるのをやめました。でも、すごい根性と脚力ですよ。時間さえかければ、歩いてでも東京に行けるんじゃないのかな。

 その後は鎖鎌などで襲い来る弟子たちを蹴散らしつつ石橋弟との決闘にのぞみ(もっとも、石橋弟はあくまでも武道家なのでちゃんと決着をつけることを望んでおり、勝手なまねをした弟子たちを厳しく叱責していた)、両目に突きを入れて失明させKO。今度は声をかけてくれる人もなく、一人さびしく去っていくシーンで「終」でした。

 『ゴルゴ13 九竜の首』もそうだったんですけど、どれもこれも原作に忠実とか何とかっていう考えを根底からぶち壊すような千葉ちゃんのド迫力アクションに息を飲まれました。原作では少々朴訥とした印象のある大山総裁ですが、こちらはそれなりに女性を好きになるし、子どもにも優しいし、なんか人間味あふれる印象でした。それがきっと千葉ちゃんらしい、ということなんでしょうけど。

 とにかく、猛烈に面白かったです。

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