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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。

 私のように「一応男性として生きることを受け入れてはいるけれど、可能な限り女性として生きてみたい」と思っている人類はこの世にいるのだろうか……いなければいないでいい、私一人でも生きていく……そんな悲壮な覚悟で「CVトランスジェンダー」などという言葉を急造してごまかしていたのですが、「ノンバイナリー nonbinary」という言葉があり、また「ジェンダーフルード gender fluid」という言葉があることを知りました。そこで慌てて過去に書いた「CVトランスジェンダー」という破綻した言葉を修正しまくりました(まだそれほど多くなかったので良かったです)……そうか……すでに海の向こうの外つ国、メリケン国ではそのような考え方が1980年代から起こっていたのですね……。

参考:ノンバイナリーとは・意味 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD(※)

 改めて申し上げます。私は出生時に「男性」と割り当てられて42年あまり生きてきました。一方で去年1年色んなことがあって私の中にある内なる異性(アニマ)が急成長。自分の部屋にいる時は当然として、休みの日でもスカートを履き女性らしい格好で外出することがデフォルトになってきました。

 私は男性として社会通念上求められる秩序の中で生活することを受け入れています。同時に私は女性として生きてみたいと願っています。男性か女性か。そういった二元論で分かつことのできないアナログハートな生活を送っているのです。

 一昔前であれば「女装趣味」「変態」と言われたでしょう(今でもそうかな)。好奇と偏見の眼に晒されることが怖くて……私もつとめて「自分が男性である」と認識しようと努力して、これまで生きてきましたが、今は違います。世の中の流れとしてもLGBTやらジェンダーレスやら、性の在り方の多様性を尊重しようとするような雰囲気になってきたので……私も40過ぎてようやく自分の性自認を堂々と世の中にアピールすることができるようになりました。
 それでも、やっぱり「トランスジェンダー」の人たちとは違うよね……と思っていました。いや実際に私は自分の中の「内なる異性」が周りの同性よりも強いことは自覚していましたが、実際にトランスジェンダーとして生きている皆さんのことを知ると、私は違う……だから声を上げることすら許されない……認められない、意味の分からない、「生存させて置いてはならない」(by永井荷風)人類なのか……と思っていました。
 でも、そうじゃなかったんです。既にこういう考え方は存在しており、そういう考え方を持つ人たちも多くいるんです。相変わらず珍しいものには好奇と偏見の目で見て嘲笑しないと受け入れられない保守的な考え方に凝り固まったわが国ではともかく、メリケン国ではそうじゃないみたいなのでね。だからといって別に私の生き方に変化はないのですが、事実問題としてそういうものなんだなということは理解しました。

 ノンバイナリー! 何と素敵な言葉でしょう!

 まあ「そういう言葉があること」は理解できましたが、私はアメリカ人のように何でも合理的に割り切れるような心を持っていませんし、無理に自分を定義しようとするのも、結局「男性か女性か」の既存の枠に当てはめようとするのと同じく、心に負担が生ずることになります。
ノンバイナリーというのならそれで良いし、そうじゃなくても別に良いです。男らしくとか女らしくとかにこだわらず自分の心の向くままに……これからもゆるやかに気持ちを組み立てていきます。こうして自分が「女性として生きたい」ということを告白するまで何年もかかったのだし、今更急ぐこともないでしょう。とりあえず今の段階では「私の心はノンバイナリー」ということにしておきます。
 また少し世界が広がりました。そういうことです。

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