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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
本当に神経衰弱で12時過ぎに寝て4時前に起きてそれっきり全然眠れない感じです。

 そんな不眠を紛らわし不安を紛らわし精神的な活力を得るために、これまでにない集中力で本を読みました。水曜日に借りてきた『帝都物語』も3日で読み終えてしまいました。というか第四番を昨日一晩で一気に読んでしまいました。3時間くらいで。



 第四番は『百鬼夜行編』と『未来宮編』。一般的に『帝都物語と言えばコレ』みたいな時代(明治末~大正大震災の頃)はすでに遠い昔のこととなり、この頃は1960年代……そして昭和69年とか、そういう時代になっています。最初の頃は電気もまだ珍しかったのに、この時代にはコンピュータで降霊を行ったりしています。いよいよ女神転生です。デジタル・デビル物語です。

 そんな感じで思い切り物語の世界に没入して帰って来たばかりなので、今日はそういう心理状態で書きたいと思います。


 一度、読んではいるんですけどね。帝都物語。

 2013年6月9日 「破壊と鎮魂」

 この時は10日くらいかけて、ようやく12冊分の6冊(豪華愛蔵版なので2篇が1冊に収められている)を読んだのかな。当時のことは、私がプライベートで書いていた半小説(その頃思ったことや体験したことを自分で作ったキャラクタに語らせた文章のこと)に書いていて今でも振り返ることができるのですが、やはり圧倒的なスケールに呑み込まれ、命からがら冥界から帰って来た……という感じだったみたいです。

 その時の体験を踏まえて今回は読んだのですが、やはり面白かったです。むしろ他の本や体験を10年分積み上げてきたので、それらを総動員して互角に渡り合えるようになった感じがします。ようやく私のレベルが、物語の世界観に追いついたのです。

 むしろ、以前よりもより深く物語を楽しむことができました。年齢的にも志向的にも団宗治に近づいたからかな。小説家だけど銀行員としてコンピュータを扱う仕事をしている団さん。辰宮(目方)恵子さんいわく「魔術と文学に埋もれて暮らしたい」団さん。今現在私がそういう生活をしているわけではありませんが、そういう生き方に憧れます。

 一方で「昭和70年」の東京の地下に85年前の銀座を再現する実験には、強烈な憧れを感じます。それは物語全体(おおよそ100年)を通して暗躍する魔人・加藤保憲を対抗するためにとある人物が作り上げたミニチュアなのですが、地下に理想世界を建築する……そしてその世界が時空の壁を越えて、幽冥の境界さえも無くしてしまう……。

 単純に「いいなあ」と思うのです。本を読み、本の世界に没入してユートピアを追い求め、心の中に作り上げることを生きがいとしつつある私にとっては、とても素敵な世界に見えます。

 とにかくすごい勢いで読んできましたが、もうすぐおしまいです。物語が大きすぎて全体を総括することは難しいですが、別に私がまとめなきゃいけないわけじゃないですよね。私はただの認識者でいいです。その代わり、とてつもなく深く受け止めます。気に入ったものは骨髄まで舐めます。そして自分の持っているイメージと結びつけて、無限に広げます。それが私の特技です。そして私の大好きです。

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