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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
今日は午前2時くらいに目が覚めて、そこからなかなか寝付けなくて……そのまま7時前に出勤。ひどい寝不足でした。そのためにこのブログも、

 「今日は筆者急病のためお休みします」

 と一行だけ書いて終わらせようと思ったのですが、病をおして図書館に行ったところ、精神的に少し元気になったので書きます。

 別に読んだ冊数を数えたところで何の自慢にもならないのですが、一応、「今年読んだ本」ということで年始から記録をつけています。村山早紀先生の『コンビニたそがれ堂異聞』から始まって、今じゃ『ドグラ・マグラ』だの『帝都物語』だのと暗黒みたいな物語ばかり読んでいます。これに三島由紀夫さんと森茉莉さんも加わるので、今秋の読書まつりは史上最大に密度が濃いです。あ、三島さんは『帝都物語』にも出ます(!)。

 本を読んでいる間は心が元気になります。最近じゃ、家からほとんど外に出ず一日中本を読んでいる……なんていうこともざらです。何をするでもないけどとにかく外出しないと気が済まなかった20代の頃とは大違いです。

 そして、どうやら本好きが高じて、書店や図書館と言った場所に来ると元気になり、さらに時間を忘れて30分でも1時間でも眺めていられるような気質になったみたいです。確かに高校生~大学生の頃は、本棚に並んだタイトルを端から端までずっと眺め、ピンと来たタイトルの本を手に取ってみる……ということをやっていましたが、20年ぶりにその頃の感覚がよみがえって来たみたいです。むしろ、20年のキャリアがあるから深まったのかも。

 たぶん今年は10年に1度の「大・読書イヤー」なのでしょう。10年前(2013年)にも読んだ本の記録をつけていて(その時が『帝都物語』の初読でした)、冊数でいえば120冊ほど年間で読んだのですが、『海底二万里』も『魔女の宅急便』も同じ一冊と数えていますからね。今年は今年で『幻想文学』『ユリイカ』などムック本を加えているので、まあ冊数に意味はないですね。ただ、どんな本を読んで……元気な時はいちいち読後感をメモしたりしていたので、個人的にはとても重要な記録となっています。

 今日も早川茉莉さんの『森茉莉かぶれ』という本を借りてきました。序文で、とっても素敵な文章があったので、引用させて頂きます。



 憧れながらも手の届かない存在。出会って、好きになって、もうどうしようもなく恋い焦がれる位に好きになってしまって、もう彼女から離れることはできない。なのに、好きになればなるほど遠くなっていく。憧れながら、恋い焦がれながらも、遠いはるかな存在。そして、永遠に出会うことはかなわない。それが私にとっての森茉莉なのである。
 そこで私は、彼女と喋りたいたくさんのことを手紙という形式を借りて果たすことにした。好きな人に宛てて手紙を書くように。森茉莉に宛てて。……(中略)……誰に遠慮がいるものか。森茉莉という作家を愛するすべての人たちがそうであるように、私には私なりの「私だけの森茉莉」があるのだ。私はそう心に決めた。
(筑摩書房 『森茉莉かぶれ』9ページ16行目-10ページ5行目)


 「そうかな!」と澁澤龍彦さんのマネをして、私も得心しました。早川茉莉さんの気持ちに、とってもとっても共感できたからです。なのでこの本を借りてきました。早川茉莉さんにとっての森茉莉さんは、私にとっての誰なのか。それをあえてこの場で言うことは致しませんが、そういう気持ちはよくわかります。……そして、「遠いはるかな存在」という言葉は私が想像していなかった境地ですが、それだけに、いっそう強く胸を打たれました。

 そうか……それでいいんだ……
 好きになればなるほど遠くなっていく……永遠にかなわない恋……
 でも、こうして気持ちを伝えることはできるんだ……
 じゃあ……私も……

 今はまだ『帝都物語』を読んでいる途中なので、並行して読む形になると思いますが、良いきっかけを見つけました。そうですよね。みんなそれぞれ『私だけの』があるだろうし、そういうのがあるって、認めちゃっていいんですよね。……なんか、それだけで、もう心が元気になっちゃって……。

 そんな感じで、これから『帝都物語』の続きを読みます。明日は休みだし。いくらでも本を読んでいられる幸せ。……これもひとりぼっちだからだと思うと、悲しくもあるけど、でも嬉しいです。私は空想の世界に生きることを、決して悪いことだとは思っていませんから。

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