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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 家を飛び出し、当てもなく車を走らせる。

 ……なんてシャレたものではありません。単に目的地が思いつかなくて、それでもどこかに行きたくて。そんなこんなで岩手町の弓弭(ゆはず)の泉というところに行って来たのでした。

 本当はかねてより私のお気に入りの場所となっていた、今はほとんど使われていない(手入れもされていない)『北緯40度公園』に行ったのですが、そこの駐車場が先日の水害で発生した瓦礫の置き場所になっていて、立ち入り禁止に(涙)。それを乗り越えて無理やり行くほどの気持ちもなかったので、そこから15分ほど離れた、その場所に行って来たのでした。


 このゆはずの泉というのは、平安時代までさかのぼります。前九年の役のさい、中央からこちらまで侵略……ああ、進軍してきた源義家が、日照りに苦しむ兵馬のために弓弭でちょくちょく岩を叩いたりしたところ、清水が溢れ出し、めでたしめでたしという伝説があるのです。

 で、この清水を守るために建てられたのが御堂観音という建物でして。さらにこの場所を『北上川の源流』として対外的にアピールするために2006年に作られたのが『川の駅』です。それ以来、今まで北緯40度公園で行われていた町のイベントはすべてこちらで行われているそうで、ほとんど古戦場のような、遺跡のような状態になった……というわけです。

 『川の駅』という名前から、皆様がイメージされるのはきっと『道の駅』のようなものかもしれませんが、ここにはそんなものはなく(車椅子用水洗トイレがあるくらい)、ちょっと立派なあずまやみたいなのと、水車と、広い公園。そんなものしかありません。そのせいなのか単に平日の午前中だからなのか、こんなところを訪れる人はほとんどいませんでした。


 そのせいなのか元々そうだったからなのか、御堂観音も普段は人が誰もいなくて、せいぜい猫が一匹いるくらいの、寂しい場所です。多分こういうところって、お盆とか正月とか、そういったイベントの時だけ臨時に人が来るんでしょうね。

 ただ、そうは言っても本堂と入り口の間にある、何と言うのか知りませんが線香をあげる場所には、まだ新しい線香の束がいくつかありました。一束50円ということであげてきましたが、これが実にいい匂いのする線香でして、しばらくその匂いをかぎながら、色々とのんびりした時間を過ごしました。

 そのあと、本堂に行って財布の中にあった1円玉を賽銭箱に放り込み、思い切り鐘をついてきました。あの、本堂の前にある、ドラみたいなやつね。……いつも行っているお寺のやつはそんなに響かないので、かなりスナップを意識してえいっ! とやったら、

 「ゴォ~~~ン」

 社務所の近くにいた猫も、びっくりしてどこかに逃げちゃったみたいです(笑)。

 そしてお寺の奥にある『北上川の源流』へ。

 ……これっていうのは、本当にちょろちょろとした、こんなので数百人の兵士と馬の喉を癒せるのかな? と思えるほどの水量でしたが、1000年前はもっと勢いよく流れたのかな。

 ま、どっちにせよ、大河の流れも一滴から、と言うとか言わないとか。この小さな水が流れ流れて宮城県まで行って太平洋まで行くのかと思うと、実に大きなお話なのであります。


 そんな感じで、何度も行った場所ではあるものの、改めてこうして行ってみると、色々といいものが得られたのかなと思いました。このところ新しいことにチャレンジしまくって、その代わり自分の足元がおぼつかなくなっていたのでね。やっぱり自分の立ち位置、足場をしっかり確保してからですよ、人生ね。

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