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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
アンデパンダン展、2日目(仙台市中心部編)の話の前に、同時開催された別な展覧会について触れたいと思います。

 その集団の名前は「アンポンタンズ」……なんか本気なのか冗談なのか、名前を聞いた段階ではわかりませんでした。ちなみに世田谷で活動しているバンドとは関係ありません多分。



 いわく「本展は仙台で同時期に開催されるアンデパンダン展2023の勝手に応援(便乗)企画です。」とのこと。でも会場は仙台市内の、それこそ昨日書いた「わたし、にしかみえない星」展も開催された仙台アーティストランプレイス(SARP)ですからね。片方でアンデパンダン展、もう片方でアンポンタンズ展……これはなかなか高度なレベルで混沌としている感じがします。

 ま、一応アンデパンダン展の方を見てから、シームレスに隣の展示会場に移動しました。たまたまギャラリーの方がいらっしゃったので、その人に少し声を掛けて、いざ見てみましょう……企画展の名前は「それって、意味あるんですか。展」とのことで……むむ……。

 何かにつけて意味があるから価値があり意味がないから価値がないと判断される昨今の情勢を鑑みてのテーマなのでしょうか。私はこの言葉が、あらゆる情熱を冷まし虚無に追いやる「トカトントン」と同じような意味合いの言葉だと思っていて、ひどく嫌いなんですが(私にそういうことを言ってくる人とは一生付き合いたくないレベル)、果たしてどんな「意味」を持ちだしてくるのか。ちょっと構えて見てみました。



 大体一周する前に、構えは解けました。別に私に意味(=絶対的な価値)を求めていじめるような人たちはなく、皆それぞれが自由に意味があるとかないとかあってもなくてもいいんじゃないとか、そういう感じで絵と一緒にコメントしていたので、すっかり安心しました。そして今度はそれぞれの作者のコメントがA4の紙に印刷されたものを手に、もう一周しました。

 特に尾勝健太さんのコメントが私にはすごく響きました。以下引用です。因みに作品のタイトルは「答えないといけないですか?」……これは今回のテーマに対するアンサーなのでしょうか。もう、この時点で結構喧嘩腰というか、企画そのものにも反発している感じですね。

 

正直昨今流行ったテーマの煽り文句が嫌いです。いや、、、簡単に乱用する人が嫌いなのかもしれません。
本質を問うための鋭い指摘ともとらえることはできますが、誰彼構わずその言葉を使うことで、無形の経験値を削ぐ怖ろしい言葉でもあると感じるからです。
おおらかな心で、細かいことを抜きにした経験値が余裕を生むと思いたいです。
 
 あと、いま読み返していて「そうかな!」と思ったのが、キヨさんのコメントです。また引用します。

意味と無意味は複雑で、主観と客観によっても違うし、時が経つにつれ変化することもありますね。なので、あまり意味に囚われず「直感と偶然」を重視して生きていきたいです。
 そして最後に鑑賞者に向けて問いかけられた言葉と、それに対する皆様のアンサー。



 絵を描くことって、意味があるんですか?

 今の時代にあっては、本当に恐ろしい問いかけです。でも、それに対して皆さんそれぞれあるとかないとか分りませんとか、自分の言葉でまっすぐに答えていらっしゃいました。そもそも絵を日常的に描いていない私まで何とか答えを引き出して書いて貼り付けてきました。その時にちょうどギャラリーの方とお話しする機会があったので、このアンポンタンズって何なんですか? ということを聞いてみました。

 それによると、毎年このアンデパンダン展に合わせてテーマを決めて作品を描くのだけれど、それに合わせたものを作る人がいれば全然関係なく自分の好きなものを作ってくる人もいるとか……全くもって自由な世界です。そもそもアンデパンダン展って言うのが、無審査で自由に出展できる催し物でありますが、こちらはさらに自由というか……でもみんな一定のカリテがあるからこそ、それが成立するんでしょうね。ノンセンスの物語は、実は卓越したセンスがないと書けないように。ルイス・キャロルとかね。

 *

 という感じで、アンポンタンズ2023「それって、意味あるんですか。展」は、ひょっとしたら本家アンデパンダン展よりもメッセージ的に強く響いたかもしれません。実際にテーマとそれに対する言葉があったからかもしれませんが。アンデパンダン展の方はあくまでも私の感情世界なので。……でも、事実として弱った心が元気になったきっかけは、アンポンタンズの皆さんのおかげです。ここで気持ちが切り替わって、徐々に動き出して、最終的にウラロジ仙台さんの「地下道3150」に参加することができたのですから。

 逆に言うと、この企画展を見なければ、1年間ずっと楽しみにしてきた地下道3150にも行けなかったかもしれません。「今の私なんか、行かない方がいいんだ」って泣きべその気持ちで立ち去っていた可能性があります。実際そのくらい心が不安定だったのです。

 この先もずっと、忘れません。すごく感謝してます。また来年、見に行きます!

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