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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 で、早速、触れてみようと思うのですが。


 自分の小学生時代を振り返ると、きわめて「のび太」的であったのだなあ、と思わず椎名誠のような言葉遣いになってしまいます。

 勉強もダメ、運動もダメ、顔もあんまりよくないし(当時の写真を見ると、ざんぎり頭で三白眼)、これじゃ女の子にはもてないし、男たちからもあまりウケがよくないわけで、結構泣かされた記憶があります。

 中学、高校、大学と、そんな自分を変えたくて、色々がんばってきました。

 まあ運動の方はおいといて、勉強はそれなりよりも少しだけ上の位置をキープ、どうにか自分なりに言葉というか、「らしさ」? を手にすることが出来たような気がします。

 ただ、最近になって思ったのは、そういった自分を否定しても過去が消えるわけじゃないし、もし過去が消えたら、今の自分のいいところもなかったのではないか? ということでして。

 それで自分のことを丁寧に振り返っていくうちに、自分がいかに「のび太」的な人間であったか、ということをつくづく感じたのでした。


 先に触れた『デラックスライト』の話では、例によってスネ夫に「スーパーカーのラジコン」(何と魅力的な響きなのか!)を自慢された時のこと。ドラえもんに「車のおもちゃならあるじゃないか」とは言われたものの、それは「みっつの時に買ってもらった」ぜんまい仕掛けのもの。「もっといいのがほしいよう」と泣かれたのではドラえもんでなくても何とかしてあげたくなるでしょう。

 社会人になったばかりの頃、まだ自分で稼いだお金が珍しかった頃は、そんな子どもの頃の鬱積した感情が爆発して、手当たり次第に欲しいものを買いまくったことがありました。今はそこまで無軌道に衝動買いをすることはありませんが、弟者に「おもちゃが欲しい」などといわれると、ひとしきり苦言を呈しつつも「しょうがねぇなあ」と言いつつ財布の中の野口小隊を動員してしまいます。

 大人の常識、大人の良識、大人の見識からしばしば外れ、秘密道具を勝手に使ってついつい「いたずら」をしてしまうダメ少年ではあるものの、ある意味それって、子どもなら誰でもやってみたくなることですよね。

 そういうのをを素直に受け入れられるくらい、私も年をとったということかな。でも作者であるF先生自身が「子供のころ、ぼくは『のび太』でした」とおっしゃっていたのも事実ですしね……理屈で面白おかしく小難しく批評するのはもう散々やったので、私はいいです。今はただ素直に、自分の中にまだ少し残っている「のび太」的な部分を大事にしながら、色々と楽しんでいきたいと思います。

 *

 でも『虹のビオレッタ』(てんコミ39巻収録)における、ミニ四駆をねだるのび太は面白かったです。

 「ぼくがいつもいいものを出してるんだから、いまさらミニ四駆なんて……」とドラさんが諭すものの、そんなものを聞かずに感情のままねだるのび太。最後はゾンビのように、ほとんど床にうつ伏せに倒れつつドラさんの背中にしがみついて「お願い……お願い……」と哀願。

 ここまで来るともはや執念としかいえません。さすがのドラさんも根負けして秘密道具を出すことになってしまうのでした(笑)。

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 先に触れた『デラックスライト』の話では、例によってスネ夫に「スーパーカーのラジコン」(何と魅力的な響きなのか!)を自慢された時のこと。ドラえもんに「車のおもちゃならあるじゃないか」とは言われたものの、それは「みっつの時に買ってもらった」ぜんまい仕掛けのもの。「もっといいのがほしいよう」と泣かれたのではドラえもんでなくても何とかしてあげたくなるでしょう。

 社会人になったばかりの頃、まだ自分で稼いだお金が珍しかった頃は、そんな子どもの頃の鬱積した感情が爆発して、手当たり次第に欲しいものを買いまくったことがありました。今はそこまで無軌道に衝動買いをすることはありませんが、弟者に「おもちゃが欲しい」などといわれると、ひとしきり苦言を呈しつつも「しょうがねぇなあ」と言いつつ財布の中の野口小隊を動員してしまいます。

 大人の常識、大人の良識、大人の見識からしばしば外れ、秘密道具を勝手に使ってついつい「いたずら」をしてしまうダメ少年ではあるものの、ある意味それって、子どもなら誰でもやってみたくなることですよね。

 そういうのをを素直に受け入れられるくらい、私も年をとったということかな。でも作者であるF先生自身が「子供のころ、ぼくは『のび太』でした」とおっしゃっていたのも事実ですしね……理屈で面白おかしく小難しく批評するのはもう散々やったので、私はいいです。今はただ素直に、自分の中にまだ少し残っている「のび太」的な部分を大事にしながら、色々と楽しんでいきたいと思います。

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 でも『虹のビオレッタ』(てんコミ39巻収録)における、ミニ四駆をねだるのび太は面白かったです。

 「ぼくがいつもいいものを出してるんだから、いまさらミニ四駆なんて……」とドラさんが諭すものの、そんなものを聞かずに感情のままねだるのび太。最後はゾンビのように、ほとんど床にうつ伏せに倒れつつドラさんの背中にしがみついて「お願い……お願い……」と哀願。

 ここまで来るともはや執念としかいえません。さすがのドラさんも根負けして秘密道具を出すことになってしまうのでした(笑)。

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