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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。


 この記事を書いているのは霜降を少し過ぎた頃なのですが、風邪をひきました。

 「世情に疎く、時勢に昏く」を目標にSNSも節約し、mixiのトレンド的に配信されるニュースも見ないようにして、100年前の「最近の世の中」を書いた寺田寅彦の随筆などに夢中になる日々を送っているのに、こんなところだけ人並み世間並みなんだな……と悲しくなります。

 とはいえ、無理が効かなくなってきているのは事実です。心が元気でも元気じゃなくても肉体の健康は大切です。最近はあまり料理をせず適当な食事ばかりしていたのも要因の一つでしょう。そう思ってまた「一日分の野菜」とか書いているジュースを飲むことにしています。何もしないよりは遥かにマシでしょう。

 今日の仙台は最高気温22度とのこと。まずまずの温かさです。雨も降らなさそうだし。ちょっと具合がよくなったら、また街に出てそこで本を読むというのもいいかもしれません。うん、そういうことを考えていると気持ちが上向いてきたようです。

 *

 以前甍平四郎は毎日原稿を三枚書くので私も毎日書きますと宣言しこのブログも毎日書くようにしているのですが(ちょっと書くことが多すぎて順番待ちが発生していますが)、最初の頃と比べると少しずつ文章が良くなってきたな、という気がします。最初って、このブログを始めた2006年の頃と比べてもそうですし、本格的に復帰した時から数えたこの1か月の間でも……ね。

 10年くらい前、毎日コツコツと更新していた時期というのは、朝に書くようにしていました。朝起きて、顔を洗ってPCの前に座る。そして近々にあったこと、思ったことをとりとめなくつづる……そんな場所なので、別に文章の巧拙にこだわることなく伸び伸び書けばよいと思うのですが……。

 ……うん、そうですよね。この点が甍平四郎とか、あるいは雑誌に載せるエッセーを書いている職業文士と素人たる私の違いなんでしょうね。すなわち「巧拙にこだわらなくても良い」と思っちゃうか、そうでないかということです。

 随筆随想って言ったってある程度考えをまとめてから書くものなんです。それなのに私は、いま考えながらその時々の感情をリアルタイムに文章にしています。だから前に書いたことをまた繰り返したり、反対のことを言っていたり、何だったらこのひとつの文章のなかでさえ言っていることが支離滅裂になってたりします。長くなればなるほどその度合いはひどくなります。途中でほっぽり出されても文句は言えません。

 だからある意味、Xってのも良いのかもしれませんね。140文字しか入力できないから、必然的に短い言葉で確定し世の中に放出される。書くのも読むのも電光石火です。これはとても刺激的なものです。私もここ1年くらい本格的に使ってみてよ~くわかりました。

 無論、私と作者の間には編集者というプロ読者がいて、その人が推敲添削場合によってはタイトルまで変えちゃって広く世間に受け入れられるよう整えてから送り出されるのでしょうから、その完成度の高さもむべなるかな、でしょう。

 ……

 うん? 私は「文章は上手に書かなければならないか否か」という話をしようとしていたのだったかな? いや、そうではないです。自分で読み返していて、一生懸命書いているうちにちゃんとした文章が書けていたことに気づいた、という話をしようとしていたのです。

 ちゃんとした文章が書けるようになると、心持も変わってきます。最初は邪智暴虐の化身になりめちゃくちゃに書いてやろうと思って書きつけていたのですが、ともかくそうしていると「もっともっと自分のことを表現したい」という気になります。そのための私の武器は文章ですから、とにかく細かく丁寧に書いていくようになった……そういうことかもしれません。

 誰に読んでほしいというわけでもありませんが、こうして文章にまとめると、自分の心の中も整理できて、気持ちが落ち着きます。

 今年の夏ごろに「ちょっと文章の練習をしておこう」と思って読んだこちらの本の中でも、そういう意味合いのことが書かれていました。



 最初は「世の中に自分の抱えている不満をぶつけてやろう」と意気込んで、その為の武器を磨くべく三宅さんの文章教室に来た人が、ある程度修練を積むと「もう少し時間を置いてからにします」とか「よく考えてから書いてみます」などと心変わりするのだと言います。まったく、文章を読むとか書くとかというのは不思議な玩味があるのだと思います。

 なんて、丁寧に好き勝手なことを書いているうちにちょうどいい長さ(大体2000字程度)になったので、この辺でいったん締めくくることにしましょう。今日は寺田寅彦の随筆集の続きを読みつつ、穏やかに過ごしたいと思います。

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