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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
これは当初、『帝都物語』の感想の最後に付け加えた文章だったのですが、思いのほか長くなってしまったので切り分けました。

  *

 果たして現実とは何なのでしょう。

 もとより私は蘭茶みすみさんが前に言っていた、「リアルとかバーチャルとかいう対立軸は無意味」という言葉を大切に心の中で育ててきました。みすみんサンはもう覚えていないかもしれませんが、私にとっては非常に重大な意味を持つ言葉でした。

 仮に私が肉体を維持することでつながる世界を「リアル(現実)」とするのなら、私は非常にこの世界で生きづらさを感じています。なので本を開き「バーチャル(仮想)」の世界にあって心を解き放ちます。その仮想の世界にはいくつもの仮想世界があって、過去とか未来とかあの世と過去の世とかの対立軸はどんどんあいまいになっていきます。黄泉に行ったり現世に引き戻されたり。そういった世界と心の波長を合わせ共鳴しているうちに、私の心のなかにまかれた先ほどの言葉はグングン成長しました。

 これから先、もしかしたら私は、とんでもない生き方をするかもしれません。あらゆる制約や概念を取っ払って、仮想を現実に引き戻す。肉体廃止の旗のもと、心の目をもって自由に生きる。もはや私以外の誰もが「現実」と呼ぶ世界にさえとらわれず、心を解放する! それは、なんと楽しみなことでしょう! できないことだらけで鬱屈としていた私が、そのエネルギーをすべて爆発させられる場所があると夢見ることは!

 ……って、これは『帝都物語』を読む直前に好んで読んでいた森茉莉さんの影響もあるのですが。


 世の中全てを自分の色に塗ることは不可能だから、自分でその色がついた眼鏡をかけて、それを通して世界を見ればいいんですよ。すべては認識の問題です。

 「それも心々ですさかいに」

 ……そして森茉莉さんの向こう側にいる三島由紀夫さんの『豊饒の海』に泳ぎ着くのでしょうか。

 ただ「読んだ」「面白かった」だけじゃもったいない名作ばかりでした。そのエッセンス、栄養を自分のものにするべく、下半期はこうした狂気の文章をたくさん書いていきたいと思います。ついてこれなくても結構です。きっと、初めから誰にもわかってもらえないと思うので。

 ……でも……

 わかってくれる人がいてくださったら、これほど嬉しいことはありません。そんな一縷の望みを託して、この文章を締めくくることとします。

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