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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
前回の続きですが、今にして思うと、手に入れた経緯というほど大したことはないんですよね。十和田のハードオフで見かけて、3日くらい考えて、買いに行った。そのくらいのことです。

私が手に入れたのはよくあるシルバーのものです。昨日同じ店に行ったら中古市場ではちょっと珍しい? ブラックボディのものが、私が手に入れた値段の半額で売られていたので「ちょっと先走りすぎたかな」と思いましたが、どうやら値段の違いはレンズのF値の違いのようです。私が買ったのにはフジノン製F2.2のレンズがついていましたが、それはもう少し暗い値だったのです。

まあ今までF4.5くらいの値のレンズしか使ったことがなかった私ですからね。高校の写真部の備品でF2.8のレンズを使わせてもらったことはありましたが(高価なのでいつでも自由に、というわけにはいきませんでしたが)、どちらにしても十分にすばらしいF値だと思います。その上で、価格相応に高性能なレンズがついていたのだなと納得したので、この件に関してはOKとしています。

ところが、このペンタックスSPというやつは、露出計を動かすための電池に現在では生産されていない『水銀電池』というものを使わなければいけません。α-Sweetなどの一眼レフはリチウム電池だったし、いつの時代もカメラというのはちょっと特殊な電池を必要とするものです・・・って、当時は割りと一般的だったのかもしれませんけれどね。

これはさすがのハードオフにもなさそうです。また十和田市や地元のリサイクルショップも巡ってみましたが、それでもやはり見つかりません。それなら、って言ってネット通販で・・・とやれば話は早いんでしょうがせっかく半世紀も前のアナログカメラを手に入れたのだから、その部品もできればお店で手渡ししてもらいたい! と思ったので、盛岡駅から10分ほど歩いたところにある「カメラセンター松村」さんに行ってきました。


このお店は『中古カメラ専門店』をうたっているところで、1985年創業(今年で30周年!)の老舗です。外側からショウケースを眺めたことはありますが、クラシックなカメラが中心で、私のような分際には少々レベルが高いな…と思ってしまうような場所でした。

正直なところニコンF型とかライカM型とか、それくらいのカメラを持っていかないと門前払いを食らうんじゃないか・・・とドキドキしながら伺った私。しかしながら、現在生産されていないような部品を扱っていそうなお店といえば、ここくらいしかありません。とりあえず相談だけでもしてみよう! と思いアタックしてみました。

…思いのほか、私の手に入れて間もないペンタをほめてくれた松村店長。用件を単刀直入に伝えたところ「いや~この電池受けのところが液漏れで錆びて使い物にならないのが多いんだけど、これはきれいだね。いいものを持ってるね」・・・後にネットで調べてみましたが、確かにそういうものらしいです。

色々とお話を伺ったところ、水銀電池の代わりに現在市販されている酸化銀電池を使えばいいということで、そのためのアダプターもある・・・ということで一件落着かと思ったんですが、このSPは電池の形式がちょっと特殊らしくて、店頭に並んでいるアダプターでは形が合わなかったんですね。

そのため、本来は売り物ではない松村店長のストック品から、現在市販されている酸化銀電池を使うためのアダプターを譲っていただきました。市価の半分くらいの値段でした。

「せっかくいいカメラを持ってるんだから、使ってもらいたい」

デジタルカメラを一切取り扱わないカメラセンター松村。店の奥の棚には全世界のクラシックカメラ愛好家が憧れる(?)ライカの名機がずらりと並ぶカメラセンター松村。そして私のような駆け出し(+出戻り)のカメラコゾーも温かく受け入れてくれたあげく「また来てくださいね」と去り際に言ってくれたカメラセンター松村。

「人の心と心を結ぶ信頼の目印」とはアサヒペンタックスのCMのフレーズですが、私もまたこのカメラを所有することで、ひとつの信頼関係を作ることができたのかな、という気がします。こうなると、まだ夢のまた夢というレベルですが、いずれはライカも……手にしたいものです。


その日の夜、ヤマダ電機で買った酸化銀電池を入れてスイッチオン。…説明書どおり、ファインダーの右端にある露出計の針がピョコン! と跳ねました。すべて正常動作のようです。

再び、私のカメラ魂が動き出したようです。しかも今度は、あの頃よさが理解できなかったクラシックカメラを携えて。

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