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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
1年前、『竜馬がゆく』をはじめとする幕末小説にハマり、関連する情報をアレコレと調べている中で、2004年に放送された『新選組!』のことも知りました。今でも香取慎吾くんがバラエティ番組で「御用改めである!」つってるアレですね。

あの中で山本耕史さん演じる土方歳三は「ロマンチ」という言葉を使っていました(正確には『ロマンチスト』ですけど、それを無理くり縮めた)。ドラマはろくすっぽ見ていませんでしたが、土方さんがロマンチだったという説は結構うなずけます。

それと同時に私も並々ならぬロマンチになってしまったなと思いました。

ええ、小説が好きなんです。戦国期なり幕末期なりに生きた男たちの純粋な生き様に触れ、それに憧れ、自分もできる範囲で頑張って生きていこう。そういう気持ちを養うために、私は本を読むんです。


童門冬二『柳生宗矩の人生訓――徳川三代を支えた剣豪、「抜群の智力」とは?』は、そういう意味では、私が手に取るべき本ではありませんでした。出版社がPHP研究所だし。実はこれは、柳生但馬様をダシにして現代社会で出世するためにはどうしたらいいのか? というのを延々と書き連ねた下世話なビジネス系ハウツー本だったのです(私にとってはね)。

先日書いた『宮本武蔵を哲学する』では、吉川英治先生も司馬遼太郎先生も江戸後期の儒教的思想のフィルターを取り払えなかった、といって断罪していましたが、これは江戸後期どころか現代社会のフィルターを通して家康公や柳生但馬様を見ています。そのフィルターを通せば家康公は野心まみれの狸オヤジであり、柳生宗矩はそこから出世の手管を学びスルスルと出世が移動をひた走る若きビジネスマンといった感じです。剣禅一如も活人剣も、みーんな自分の出世のための『道具』です。

正直、読んでいてハラが立って来ました。なんとか最後まで読みきりましたが、3ページごとに「それは違うんじゃないの」と言いたくなりました。


武士の生き方とかに興味はないけど、手っ取り早く社会で成功したい人にはオススメです。でも、歴史小説ファンとかには、おすすめできません。とりあえず、この記事を書いたあとは、さっさとこの本のことは忘れたいと思います。とにかく読んだ。その事実だけで十分です。

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