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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
村山早紀先生の『カフェかもめ亭』を読みました。私が手にとったのは2001年に刊行された単行本です。

内容としては、毎度おなじみ風早の街にある喫茶店『かもめ亭』にいるマスターの女性が、やってくるお客さんにお茶やコーヒーを振る舞いながらそれぞれの身の上話を聞く……という感じで、短い話しがいくつかオムニバス形式で収録されています。

たぶん小中学生とか、それくらいの対象年齢なので、本気で読めば1時間程度で読了できると思うのですが、なかなか、そういうわけにはいきませんでした。その、ひとつひとつの物語が、とても濃いというか……心の中にある弱さがムクムクと膨らんで、いたたまれない気持ちになってしまうのです。

あるいは、藤子・F・不二雄先生のSF短編を読んだ時と同じような感覚かもしれません。特に『みどりの守り神』を読んだ時に近いですね。

次々と理不尽な仕打ちを受け、悩み苦しむヒロインに対し、どうすることもできない自分のもどかしさ。あくまでもヒロインは漫画の中の人物で、私はそれを外の世界から眺めているに過ぎないから、それは仕方がないと思うんですが、でも……ね。切なくなったり悲しくなったりするんですよね。

だから、ちょっとずつ読みました。1日に2篇とか3篇とか、そのくらいがギリギリ。それも1回読んだらしばらく間をあけなければいけなかったので、2週間の期限の間に読みきれなくて、一回貸し出し延長をしてもらって。それでなんとか読み終えた次第です。


さて……これで、村山先生の主だったところは、全て読んだと言っていいでしょう。

『シェーラひめのぼうけん』とかは未読ですけど、この『カフェかもめ亭』『人魚亭夢通信』『海馬亭通信』と続く喫茶店もの(?)に『コンビニたそがれ堂』(2冊)、ちょっと大人向け? の『竜宮ホテル』に『ルリユール』、そしてすべての始まりとなった『はるかな空の東』。

「村山先生の小説って、だいたいこんな感じだよね」

そろそろそういうことを語る資格もあるんじゃないかな、と思い始めています。……ないかもしれませんが、書きます。そろそろ私も風早の街を出なければいけないような気がしているからです。

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