最近はあまり即席めんを食べる機会がないのですが、先日は久々に『サッポロ一番カップスター』を食べました。
このカップスターというやつには、ちょっと特別な感情があります。
まあ、ごくごく個人的なことなので、誰の共感も得られないとは思いますが……今から20年か、それ以上前でしょうか。年末に家族旅行で久慈市の『北限閣』という旅館に行った時に食べたのが、このカップスターだったんです。
それから、数年に一度、食べるのですが……そのたびに、あの日のことを思い出すのです。
このカップスターというやつには、ちょっと特別な感情があります。
まあ、ごくごく個人的なことなので、誰の共感も得られないとは思いますが……今から20年か、それ以上前でしょうか。年末に家族旅行で久慈市の『北限閣』という旅館に行った時に食べたのが、このカップスターだったんです。
それから、数年に一度、食べるのですが……そのたびに、あの日のことを思い出すのです。
*
ロビーでカップスターを食べて、同じフロアの端っこにあるゲームコーナーで『とれとれボーイ』という小型プライズ機のBGMを聴きながら『タイガーヘリ』というビデオゲームをやったりして、その日は終わりました。
翌朝、早起きして太平洋上から昇る太陽を見ようと、家族がまだ寝ているところから抜け出して、ひとり磯の方に出て行った私。冬の久慈市はとても寒かったですが、そのぶん空気が澄んでいて、非常に綺麗でした。
そんな中、波が打ち寄せる音に混じってニャーニャーという声が聞こえました。
見回すと、少し離れたところに立っている漁師小屋の軒下に、ダンボールに入れられた捨て猫がいました。そいつが私に訴えかけていたのです。
今も昔も猫大好き野郎の犬神。そこにきて、こんな昔の公共広告機構のCMみたいなシチュエーションと来れば、心動かされないわけがありません。何とかしてあげたい。そう思いました。
しかしながら、そんな一時の情で捨て猫を拾って帰るなんて、できるはずがありません。頼んでみても『無理なものは無理』で終わるでしょう。
なので私はその猫に背を向け、一気に自分の部屋に駆け戻りました。猫好きにとっては身を切られるような痛みを味わいながら……。
*
生まれて初めての『かきふらい』は、そんな出来事があった日の昼に、久慈のドライブインで食べました。
なんという店かは覚えていませんが、店の窓から海を一望できる、とても眺めのいいところであったと思います。
そして『かきふらい』の猛烈なうまみに激しい衝撃を受け、好物のひとつとなりました。もちろん今も大好きです。
*
と、まあこんな感じでしょうか。
現在、北限閣は国民宿舎から民間の管理に移行し、『侍の湯 きのこ屋』という名称で営業しているようです。
あのドライブインが今も営業しているのかどうかは、その建物の記憶くらいしかないのでわかりません。まあ海が見える道路を延々と走っていれば見つかるかもしれませんが。
そしてあの捨て猫は……たぶん、長くは生きられないでしょう。運良くあの場所に、捨て猫を拾うことができるような人が現れればいいでしょうが、自分でえさを取ることもできない元飼い猫の捨て猫は野垂れ死にが定番です。ましてや冬の海で、非常に寒かったし。
カップスターの話から、ずいぶんと話が膨らんでしまいましたが、ともかく特別な食べ物なんです。以上、ごく個人的な思い出話でした。
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ロビーでカップスターを食べて、同じフロアの端っこにあるゲームコーナーで『とれとれボーイ』という小型プライズ機のBGMを聴きながら『タイガーヘリ』というビデオゲームをやったりして、その日は終わりました。
翌朝、早起きして太平洋上から昇る太陽を見ようと、家族がまだ寝ているところから抜け出して、ひとり磯の方に出て行った私。冬の久慈市はとても寒かったですが、そのぶん空気が澄んでいて、非常に綺麗でした。
そんな中、波が打ち寄せる音に混じってニャーニャーという声が聞こえました。
見回すと、少し離れたところに立っている漁師小屋の軒下に、ダンボールに入れられた捨て猫がいました。そいつが私に訴えかけていたのです。
今も昔も猫大好き野郎の犬神。そこにきて、こんな昔の公共広告機構のCMみたいなシチュエーションと来れば、心動かされないわけがありません。何とかしてあげたい。そう思いました。
しかしながら、そんな一時の情で捨て猫を拾って帰るなんて、できるはずがありません。頼んでみても『無理なものは無理』で終わるでしょう。
なので私はその猫に背を向け、一気に自分の部屋に駆け戻りました。猫好きにとっては身を切られるような痛みを味わいながら……。
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生まれて初めての『かきふらい』は、そんな出来事があった日の昼に、久慈のドライブインで食べました。
なんという店かは覚えていませんが、店の窓から海を一望できる、とても眺めのいいところであったと思います。
そして『かきふらい』の猛烈なうまみに激しい衝撃を受け、好物のひとつとなりました。もちろん今も大好きです。
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と、まあこんな感じでしょうか。
現在、北限閣は国民宿舎から民間の管理に移行し、『侍の湯 きのこ屋』という名称で営業しているようです。
あのドライブインが今も営業しているのかどうかは、その建物の記憶くらいしかないのでわかりません。まあ海が見える道路を延々と走っていれば見つかるかもしれませんが。
そしてあの捨て猫は……たぶん、長くは生きられないでしょう。運良くあの場所に、捨て猫を拾うことができるような人が現れればいいでしょうが、自分でえさを取ることもできない元飼い猫の捨て猫は野垂れ死にが定番です。ましてや冬の海で、非常に寒かったし。
カップスターの話から、ずいぶんと話が膨らんでしまいましたが、ともかく特別な食べ物なんです。以上、ごく個人的な思い出話でした。
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