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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 『十方暮の町』を読みました。

 初めに申し上げますが、私が至らないばかりに後半は結構な高速読みになってしまいました。これは作者にも本作品のファンの方にも申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 読み終えた今、思うのは……ついに最後までわかりあえなかったな、ということ。

 でも、それでいいんです。そう思っています。

  *

 思えばこの本を買った当時は「とにかくラノベでも何でも、少年少女が活躍する物語を読もう」「そして私も気持ちを若々しくしよう」とかって、そんなことを思っていたような気がします。それでたまたま立ち寄った本屋で特設コーナーを設けられ、かなりプッシュされていた本作を手に取ったのでした。

 やってることは間違ってないと思います。悩んだり怒ったり落ち込んだり。主人公は男子中学生ですから、色々あるでしょう。私もそれを読んで感情を共有し、心を取り戻さなければいけない。そう思っていました。

 でも、心に響かないんです。

 ひとえにこれも、私の心がすっかり汚れきってしまったからでしょう。もういまどきの中学生みたいに、ぴゅあぴゅあはーとで好きな人のために頑張っちゃったりできないんです。かといって作中に出てくる大人たちのように振舞うこともできないだろうし。

 結局、私の居場所はどこにもなかったみたいです。

 それでも、最後まで読みきりました。そうしないと前に進めないと思ったからです。

  *

 これから先、私はもう、『大人でいいかな』と思います。

 ことさら大人ぶることもないと思いますが、頑張って十代のジャリボーイになろうとすることもないかなって。

 大人には大人の責任があるし、そういうものを背負わなければいけないことで身につく強さもある。今後はそういうものを目指して行こうと思ったのです。

 そう思うと、急に気持ちが楽になりました。無理して中学生らしい気持ちにならなくたっていいんです。大人は大人として生きればいいんです。

 そういうことをわからせてくれた『十方暮の町』は、私にとって非常に重要な物語となりました。ほとんど心には響きませんでしたが、そういう意味では、とても意義のある一冊でした。




 ……ところで、この本と同時に買った、同じ作者様の本があるんだけど……これはどうしようかなあ。

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