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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
  『真の格闘家』……非常にあいまいで難しいテーマです。

 それっていったい、どういうことなのか? 何をもって真の格闘家といえるのか? そんなことを考えながら何年も戦い続ける求道者・リュウ。

 正直なところ、そんなのは永遠に見つからないんじゃないか、と思っていました。見つからないから探し続ける。色々と悩み、試し、少しずつ強くなっていく。それでいいんじゃないのか。そう思っていたのです。

 ところが、あまりそういうのを求めていなさそうなライバル・ケンの方が先にその答えを見つけてしまったのは驚きでした。ケンにとっては『家族』のために拳を振るうことが 『真の格闘家』だということなんですね。

 そうか、と思いました。

 歩く道が違えば背負っているものも違うのだから、大切なものも違うのは当然のこと。なればこそ、ケンにはケンなりの 『真の格闘家』の答えがあって当然なのです。これは、すごく大きな影響をリュウ(と私)に与えました。

 *

 その後はヒマ仙人・オロに無理やり弟子にさせられつつ旅を続け、強者たちと戦いながら心を通わせていくリュウ。その中で編み出した一撃必殺を超える力『風の拳』……。

 マンガを読んでいる時はリュウになりきって強者と戦う一方、時々は強者の側に立ってリュウと向き合う想像をしているのですが、この時はなんとも不思議な感じがしました。『風の拳』で打ち抜いたような、打ち抜かれたような。いずれにせよ「これか!」と声を上げてしまいました。そういう強さがあってもいいんです。

 その拳をもってケンと、そしてゲームには出てこないものの最重要人物のひとりとして描かれているサガットと戦うリュウ。……この人もリュウと戦うことで大きく(いい方向に)変わった人ですよね。リュウとケンの関係も好きですが、サガットとの関係も非常にカッコイイなと。そう思います。

 そんなこんなでやってきた朱雀城。そこにいたのは『拳を極めし者』ゴウキ。

 「真なる一撃、見せてみよ」

 まるでリュウが自分の――あらゆるものを破壊し殺し滅する――拳を超えることを望んでいるような言い方です。このあたりがやはり格闘家的というか、よくある悪党(殺戮を楽しむような性格)とは違うんですよね。

 電刃波動拳、真・昇龍拳といった必殺技をあっさりあしらわれ、容赦なく破壊の拳を叩き込むゴウキ。それでも立ち上がるリュウに繰り出された「一瞬千撃」の奥義・瞬獄殺……。

 *

 このマンガをもって、リュウと私の旅は終わりました。……終わったって言っても、一緒に旅をすることが終わったってことですけどね。

 『ZERO』の時代から『さくらがんばる!』を経て『FINAL』に。その間に、私自身のことでも色々とありました。かなり厳しい状況に追い込まれたこともありました。

 でも、何とか今日も生きています。それはやっぱりリュウがいたからだと思います。

 これから先も色々なことがあると思います。くじけそうになることも……たぶん、よくあるんじゃないかな、と思います。

 でも、あの場所で雄雄しく立っている姿を思い出すと、「しっかりしなきゃな」と思うのです。


 とりあえず、うまく言えてないような、まだ言い足りないこともあるような気もしますが、こんなところにしておきます。

 これからも何度も読むことになるであろう一連のコミック。いいものに出会えたな、と心から思います。

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