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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 昨日……ああ、おとといになるのかな。会社が終わって新幹線に乗ろうかという時、ふと立ち寄ったキヨスクにて。

 最近はあまり漫画雑誌は読まないのですが、その中でもなぜか気になったのが『近代麻雀』。日本唯一の麻雀漫画雑誌です。……一昔前なら麻雀『劇画』雑誌だったのですが最近は結構モエモエ……とまでは言いませんが、少なくとも私が憧れた『大人だけの世界』ではありません。老若男女誰でもが遊べるエンターテイメントとしてまで下がってしまったのです。


   *


 私が初めて同誌を手にとったのは、1996年9月――その時も、確か駅の売店だったように思うのです。しかも親戚の結婚式で行った、今までもこれからもこの一度きりであろう、新潟県直江津市の売店で。

 当時は『別冊近代麻雀』『近代麻雀ゴールド』『近代麻雀オリジナル』の3誌に分かれていました。何がどう違うのかというと、『オリジナル』は結構軽めの、『ゴールド』はそれこそ昔ながらの渋い作品が載っていたような気がします。ちなみに今でも(いまだに)連載が続いている『アカギ』は、当時は別冊近代麻雀にて連載されていました。

 その頃は、まあどこにでもいる中学生だったのですが、空想の中ではやっぱり背伸びしたい、大人の世界を垣間見たいと言う気持ちが常々あって。実際に身の回りで麻雀のことを知っている中学生なんて私ぐらいだったので、なんと言うか、エッチな本をこっそり見るような感覚で、近代麻雀を読んでいたのです。

 私が買った1996年10月号は、『アカギ』などの連載マンガのほかに、なぜか往年の名作『哭きの竜』が一本収録されていました。4巻に収録されている『藍錆の章』というやつです。……章の名前を言われてもわからないって? 中盤の重要人物である本宮春樹が出てくる回ですよ。

 その時に一緒に『ゴールド』を買い、さらに『オリジナル』も購入。マンガの中で繰り広げられる大人の男たちの大金(もしくはそれ以上のもの)がかかった死闘に胸躍らせ、それは今でも私の人生哲学として組み込まれています。


 それからしばらく、3誌を定期購読していましたが、徐々に読まなくなったのは……やはり紙面が少しずつ変わっていったから。

 当時のアイドル・吉成圭子が麻雀体験をする記事とか、ヴィジュアルで売っている? 女流プロ雀土とかが出てくるようになってきて、次第に私が愛した昭和の男たちは影をひそめ、なんだか週刊プレイボーイとか、ああいう雑誌みたいになって来たのですね。

 そして『別冊近代麻雀』が『近代麻雀』になった頃、定期購読をやめました。

 その後も時々は、たとえばたまたまコンビニで見かけた時など、雑誌を手にとることもありましたが、基本的に読むのは『アカギ』だけ。どんなに麻雀力があろうと、ジョシコーセーとかがセーラー服で大人相手に勝つ姿は見たくありませんからね。そんなのはコミックブレイドかなんかでやってくれればよろしい。

 そして私と『近代麻雀』は決別したのでした。


   *


 それから数年後、宇都宮に向かう新幹線に乗り込む私は、『近代麻雀』を持っていました。

 今、私が『けいおん!』『Angel Beats!』とともに最重要アニメ/マンガとして登録している『ひぐらしのなく頃に』の派生作品? 『ひぐらしのなく頃に 雀』という作品が掲載されていて、早速どんなものか書いてやろうと思ったので。……というのもあります(思わず「なんじゃこりゃあ!?」と声をあげてしまいましたが)。

 そしてそれ以上に、決定的な感情が、1996年当時――今よりもずっと純粋だった頃の気持ちを思い出して。

 「旅行に行く時にまた近代麻雀とであったことは、きっと何かの縁なのだろう」

 縁なのか何なのかよくわかりませんが、とにかく読んで、その詳しい感想を改めて書きたいと思います(結局、新幹線の中では澁澤龍彦の『黄金時代』をずっと読んでいた)。

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