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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
『帝都物語』全12篇、読了しました(10年ぶり2度目)。

 とても壮大で圧倒的な物語でした。具体的にこんな物語だったって総括するのがとても難しいのですが、そうしないと感情が収まらないので、可能な限り書きます。あらすじとかは他をあたってください。

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 1000年以上前の恨みを抱いて明治末期の帝都に降り立った魔人・加藤保憲は東京に眠る平将門の怨霊をよみがえらせ破滅をもたらそうとするので、その時代の人たちが対決を挑む……というのがおおよその流れですが、何せ加藤は魔人です。軍人なので剣術や基本的な身体能力も高いですが、東洋の魔術に精通しているので、十二神将をはじめとする式神を使役し、五芒星=ドーマンセーマンの染め抜かれた白手袋やハンカチなどを変化させて戦います。

 さらに物語の中盤では『屍解』という仙術を使い肉体が若返ります。そんなことできるの? と宇宙時代の皆様はお思いになると存じますが、そういう皆様に代わって問いかけた西洋人に加藤はこう言い放ちます。以下引用。

 「なぜ? なぜ、と問うのは西洋人の悪習だ。東洋の神秘に、理窟はない。原理はない。ただ現象だけが起こる。神秘とは、起こり得ざる現象がそれでもなお現実に発生することなのだ」
 ただ、いつの時代もそんな加藤に立ち向かい、時に手傷を負わせてひるませる人物がいます。たくさんいるのですが、私が特に印象に残っている人たちのことを羅列してみます。Wikipediaに書いていないようなことも書きます。だってここは自由な狂人解放治療場ですから!

 幸田成行(露伴):膨大な知識と熱い気迫で立ち向かう文豪剣士。実際に手傷を負わせて(しかも2回)一時退却させたり、関連人物の心の支えになったりと、前半部分の重要人物。

 寺田寅彦:物理学者として科学的な立場から加藤に立ち向かう。大阪から西村真琴博士を呼び出し「学天則」で地底の妖魔に立ち向かうシーンが印象的でした。

 黒田茂丸:風水師として、加藤に直接対決を挑んだ辰宮恵子さんのサポートを買って出た(映画第一作のクライマックス)。いったん完結した後に出版された「大東亜編」では主役級の扱いに。

 平岡公威:大蔵省の官吏だったが、物語中盤のヒロインと霊的な関わり合いを持ち、黄泉に下って将門の怨霊と対峙した。愛刀は関孫六。

 角川春樹:新興宗教の大宮司として加藤と切り結ぶ。超古代の宝剣の力によって関孫六を刃こぼれさせたため勝負はつかなかった。宝剣の力によって……ね。

 団宗治:コンピュータ時代の幸田先生。降霊プログラムや式神封じプログラムなどを使って十二神将を全滅させた。魔術と文学に埋もれて暮らしたい人らしい。


 ……と、こんな感じでしょうか。

 とりあえず原稿用紙3、4枚程度の文章を書いたので、いったん区切りとします。今回思いついた人物をあげたら不思議と男性ばかりだったので、今度は印象的な女性たちについてまとめてみたいと思います。

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