忍者ブログ
大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。


 2月22日、仙台アーティストランプレイス(SARP)で開催された専門学校日本デザイナー芸術学院写真映像科の皆さんによる写真展を見てきました。
 会場は2ブロックに分かれていて、ひとつは1/2年生の合同展 ”reminiscence”で、もうひとつは1年生による『それぞれの「あい」が集う写真展』という内容でした。私が行った時には雰囲気のある若きアーティスト然とした青年が熱心に写真に見入っていたので、私も静かに眺め、真摯に感想をアンケート用紙に書いてきました。なおこの時は仕事帰りだったので男性の格好で行ったことを念のため書いておきます。
 日本デザイナー芸術学院写真映像科といえば、こないだせんだいメディアテークで開催された卒展を見て「これはスゴイ!」と感動した経緯があったので、割と積極的な気持ちで行きました。
 そして(高校時代は写真部にいたとはいえ)専門的な勉強をしたことがなく、一眼レフも持っていない私なんか足元にも及ばない素晴らしい写真に打ちのめされ「もう写真が趣味だなんて言うのやめます」と泣きながら会場を後にしたのでした……かというと、そんなことはありませんでした。
 素晴らしい作品ばかりだったことは間違いありません。ただ卒展の時に見たような、私が想像できる範囲を超えた衝撃的な作品というよりは、とても共感しやすい作品だったのです。作品を見て、そのあとキャプションの説明……作り手のイメージを文字で補完したうえで、
 「私もこういう写真、好きだなあ」
 そう思ったのです。
 もちろん、私に同じような写真がすぐに撮れるかといえば、そんなことはないでしょう。まず、イメージを実現するための機材が必要ですし、物理的に実現できる限度が低ければ、作り手の技術向上にも制約があるでしょう。たくさん経験を積んでレベルアップするためには、コンピュータゲームでいうところの「レベルキャップ」を外す必要があります。スマホカメラでデジタル一眼レフと同じような写真を撮ることは物理的に不可能です。別物なのです。
 ただ、「どういう写真を撮るか」という題材探しとか……体系的な技術ではなく感覚的な部分であれば、私でもなんとか追いつけ追い越せで近づく余地があるような気がするのです。
 そういう気持ちで共感しながら自分の感覚を広げていくことが楽しいのかな。たといSNSで10万いいねがつくようなフォトジェニックな写真じゃなくてもいいんです。私の撮影した写真だって「よさはあるはずだし、好いてくれる人もいる」そう信じて、少しでも良い写真が撮れるよう、撮り続けます。

 私はまずは私のために写真を撮るんです。
 その先に、誰かが共感してくれることを信じて。

 ……うん、これでいい。
 上手な写真じゃなくてもいいんです。そういうのは他の人に任せます。私は私が良いと思える写真を撮れればいいです。同じように良いと思ってくれる人がいる(かもしれない)写真。
 これからは、そんな自分の気持ちを大切にしながら、たくさん他の人の写真も見ます。素敵な写真をたくさん見て、自分の心を磨いていきたいと思います。







 という流れで書いてしまうのは少々申し訳ないのですが、2/20にタナランで「にがつのねこといぬ」展を見て、さらにその後東北工業大学の卒展を見た後、同じせんだいメディアテークで開催されていた東北大・東北学院大・東北工業大の写真部有志による三大学合同写真展を見てきました。
 結果的に短いスパンで若い人たちの写真展を見たわけですが、心の中で比べてみると……同じくらいの世代の人たちが撮った写真でも雰囲気が異なるんですよね。
 あくまでこれはセンスだけで写真を撮る門外漢の気安さで、主観を大切にして語る言葉です。その上で「この印象の違いは何だろう?」と思った時、こんな言葉が浮かびました。すなわち、
 「技術が先行するのか、感性が先行するのか」
 ということでした。
 どちらも素晴らしい写真なんですが、大学写真部の皆さんの作品は「プロっぽい」んですよね。この言い方がいかにも素人っぽいので嫌だから言い換えると「技術が感性を追い越していない」というか……つまり「安定感がある」んですね。ヴィヴィッドな紅葉の写真にしても、微笑みながら手にした飲み物の缶を掲げる(「乾杯!」のポーズ)写真にしても、パネルの端から端までピシッと定着化され、見ている私も心の揺らぎが起こらないんです。安心して「ああ、綺麗な写真だなあ」「こういう写真が撮れればいいなあ」と眺め、感じ入ることができる写真なんです。
 それに対して専門学校で写真を勉強した人たちの写真は、「感性が技術を飛び越えて私に訴えかけてくる」印象でした。直接私の感情に訴えかけてくる写真。撮る人も割と自分の感情を表現しようとして結構センシティブな感じに仕上げてきている(とキャプションから読み取れた)から、私もより感情が動くのです。感情家ですから、そういうのはすぐ反応しちゃうんです。

   *

 どちらかだけじゃ足りなかったのです。両方合わせて、私のなかで結実しました。それらを合わせて、私は私の写真を撮る。これでも社会人になってから、観光写真コンテストで表彰されたこともあるし、スマホカメラだって捨てたもんじゃないはず……上手な写真は撮れなくても良い写真が撮れればいいんです……だからやっぱり、写真は一生続けると思います。
 専門学校日本デザイナー芸術学院写真映像科の皆さん、各大学写真部の皆さん、ありがとうございました。私が写真部だったのはもう25年も前のことになりますが、写真好きとして皆さんのこれからの活動を応援しております。また写真展があればお伺いしたいと思いますので、頑張ってください。終わりで~す!

拍手[0回]

PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック