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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 土曜日の夜8時という時間帯にラジオを聴くことができる時は、基本的に国分太一さんの番組を聴くようにしているのですが(ラヂオもりおか)、昨晩は別な番組を聴いてしまいました。

 浅田次郎の短編を朗読する番組だったのですが、それとは知らずに途中から聴きました。歴史ある写真館における祖父と父の姿を「僕」の視点から眺めた、『霞町物語』というやつだったのですが、元写真部の犬神としては非常に興味深い話でした。

 古風なライカのカメラを愛用する祖父と、ペンタックスの現代的なカメラを活用する父。経営が厳しくなってきても『写真師』という肩書きを下ろさない誇り高き祖父と、そんな祖父を心の中ではバカにしつつハイそうですかと表向きには従順な父。そんな二人が、今年で引退することになった都電の運転士(祖父の古い友人でもある)の晴れ姿を一緒に撮ることになり……。


 私の使っているカメラはライカでもペンタックスでもない一般人向けのミノルタなのですが、とにかくライカというのは憧れというか、古い時代のカメラの代表格というイメージがあります。機能的にはペンタックスのカメラの方が優れているのに(それは作中で祖父も認めている)、ライカを使っているというだけで妙にクラシックな雰囲気を感じてしまいます。このクラシックという言葉には、TAJIRIさんも言っていたように「上質の」とか「格調高い」という意味も含まれます。

 ライカとかニコンとかのマニュアルフォーカス式「機能云々ではなくそれ自体が希少価値」なカメラと、コンピュータを満載して超美麗写真がバシバシ撮れる最新式一眼レフカメラの間にある、そこそこの性能のフィルムカメラ。こんな時代にあって、そんなものをあえて使う理由など、何もないかもしれません。たぶん両方のユーザーからバカにされることでしょう。

 ……って、カメラの話じゃなくて『霞町物語』の話だ。話を戻します。

 うん、非常に面白かったです。声を聴いているだけで情景が浮かび上がってきて。これまで浅田次郎といえば『きんぴか』のイメージが強かったのですが(『壬生義士伝』は読んでいない)、これはとにかく面白かったです。短編の連作なんですか? 後ほど詳しく調べて、ちゃんと本を買って読みたいなあ。

 でもって、そんな出会いのチャンスを与えてくれたFM岩手に改めて感謝を。いよいよもってラジオが面白くなってきました。

 最後に、ライカ関連でこの曲を。みとせのりこさんの『銀色のライカ』です。

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