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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 「レスラーとてリングの外では紳士たれ」といった意味合いのことを言ったのは故・ジャイアント馬場さんでした。全日本プロレス出身の人たちはほとんどがその言葉を守って、とてもまじめであると聞きます(多少柔らかい部分もあるかとは思いますが)。

 また新日本でも坂口「人間不信ビッグ・サカ」征二さんを初めとして、大変にまじめで実直な方もたくさんいます。中にはリング上ではとてつもない極悪人なのに、プライベートでは紳士どころか慈善家で、ありていな言葉で言えば「超いい人」なレスラーも多数いると聞きます。

 私もまたそういった人たちには大変に好感を持ちますが、ひとりだけ、そういったまじめさを根こそぎぶっ壊して縦横無尽にリングの内外で暴れまわるのに、なぜか惹かれてしまう男がいました。

 ……アントニオ猪木です。


 「アントニオ・猪木自選闘魂30戦」という本をようやく読み終わりました。

 ここに載っているのは私が生まれる前の「昭和プロレス」の記録ですから、もちろん今のプロレスとは大分違います。変形4の字固めでギブアップを奪ったり、バックドロップやブレーンバスター、それにジャーマンスープレックス(本書では一貫して「原爆固め」と表記)が説得力十分な必殺技として認識されていた時代でした。そして60分3本勝負で、3本目が時間切れ引き分けというのが珍しくない時代でした。

 今ならもっと過激な格闘技が山ほどあるでしょうが、それはそれ。私は素直に当時のプロレスに思いを馳せ、胸をときめかせました。

 当時はカール・ゴッチとルー・テーズがまだまだ現役だったころ(すでにかなりのヴェテランでしたが)。悪役レスラーではタイガー・ジェット・シンやアブドーラ・ザ・ブッチャーが出始めて、さらにスタン・ハンセンやハルク・ホーガンと言った名前も出てきます。

 日本人対決では坂口征二、ストロング小林、大木金太郎、そして上田馬之助との釘板デスマッチ……あとは対決ではありませんが、東スポ主催の興行における「BI砲」などなど……。

 あとはウィレム・ルスカとザ・モンスターマン、ウイリー・ウイリアムス、そしてモハメッド・アリとの異種格闘技戦についても触れられています。


 一応ある程度の予備知識に加え、「餓狼伝」のグレート巽と伊達潮雄の確執に重ねてみたり、ダスティ・ローデス(今は高田モンスター軍。というかまだ現役なのか!?)にキン肉マンのビューティ・ローデスを連想してみたり。古きよき時代のプロレスがどういったものだったのか、その熱い空気を感じられるなかなかの一冊であると思います(猪木が嫌いでなければ)。

 リング外では何かと引きずり回されて迷惑している人も少なくない「燃える闘魂」。ただし単純で気楽ないちファンにすぎない犬神としては、ここは素直にそのカリスマ性に酔いしれることとしましょう。ダァー!

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