すてきなものは、遠くにしかないのでしょうか?
いえ、手の届く範囲に、すてきなひとはいて、すてきなものはあるはず。
宮城で活動する文芸作家が作品を発表し、集まる場がほしい。
「ないなら、つくろう」
それが〈ブックハンターセンダイ〉の始まりでした。
(公式HPより引用)
宮城県仙台市は、文化的なイベントがたくさんあります。
音楽イベントといえば『定禅寺ストリートジャズフェスティバル』
美術イベントといえば『アンデパンダン展』(私も行きました!)
文芸イベントといえば……
……
なかったんですよね。古本市は何度かやるけど、そうじゃなくてジャズフェスやアンパンみたいな、アマチュア文芸愛好家によるそういう人たちのためのイベントというのがなかったようで。そこでこうしたイベントを開いた……というのが開催趣旨です。会場は宮城野区五輪……楽天イーグルスのホームグラウンドの近くにあるギャラリーチフリグリさんです。
チフリグリさんは、それこそ今年の秋に『アンデパンダン展』を見に行ったのが最初だったのですが……後日チフリグリさんの公式ブログを読んで2022年の冬にそういうイベントが開催されていたことを知り、「今年もやるのかしら」と虎視眈々(そんな感じではない)……イベントが開催されることを知り、1か月前から有休を申請して突撃してきた次第です。
私も大学の頃は創作同人サークルに所属し、今年は20年ぶりに小説のようなものを発表するなど、これでなかなか文芸好きなのですが、そんな私のひそかに温めていた心がパーッと花開くような……そんなイベントでした。そしてアレコレ爆買いしたり、嬉しい再会があったり、非常に素敵な一日となりました。
個々の作品についても改めて書きたいと思いますが、まずはイベント会場のレポートをしたいと思います。読んだり話したり空想したりするのに忙しくて会場の写真などは少なめですが、文芸イベントらしく、私も文章で色々と書いていきたいと思います。がんばります!
最初にお邪魔したのは『インディーズブックバザール』。主催者による企画概要と作家紹介ページはこちらからどうぞ。ちゃんとした説明は主催者の方にお任せすることにして、ここからは予備知識ゼロでポンと飛び込んだ私の直感的な印象を並べていきたいと思います。
ギャラリーのスペースでは6名の作家がお手製の本を陳列していました。すべての作品が試し読み可能だったので、私もひとつひとつ文章を読ませて頂きました。そして、
「なんてアンデパンダンな世界なんだ……」
と驚嘆しました。文芸のバーリトゥードです。突然空間にひずみが生まれ、そこから飛び出してきた何者かに頭をボカン! と引っ叩かれたような衝撃です。「そうか、こういうことをやってもいいんだ」「やっている世界があるんだ」と、また私の心を覆っていた壁が破壊されました。自由と独立の精神が、新たな栄養を受けていっそう成長しそうです。
一通り眺めた後、しっかりと自分の心とのシンクロ率を確認し、「これで行こう」と思った数冊を次々と購入。一作家ごとに一会計となるので、そのたびに言葉を交わし、作者の方から直接本を受け取る感覚というのは、何とも愛おしいものです。どうやら私というのはよくよくアナログハートな人間みたいです。こういった形でお迎えした本ですから、一冊一冊がとても愛おしく感じられてしまうのです。
いつか私も、こういう形で自分の書いたものを本にしたい。そしてそれを誰かのもとへ送り届けたい。……20年前に志し、頓挫してほったらかしになっていた夢が再び息を吹き返しました。埃まみれで錆びだらけでも、まだ朽ち果ててはいなかったみたいです。まだまだ生きていたい……そんな風に思いました。最近はアートに心を救われる機会が何度もありましたが、今日は文芸に心を救われました。良かった……。
一通り、作家さんとの直接対決(違)が終わって心を落ち着けるために壁に目をやると、このようなものがありました。こちらはうってかわってデジタル的な世界ですが、これはこれで面白いですね。文芸方面に心が開かれた直後だったので、とりあえず全部の書誌情報カードを写真に撮ってきました。調べて読んでみて波長が合うかどうか。そのすべてを確認するためには大変な時間がかかります。見て覚えようったって覚えられるはずがありません。これから時間をかけて、ゆっくり確かめていきたいと思います。
文芸は、やっぱりイラストとは違って、難しいですよね。パッと見て「あ、可愛い」「綺麗だなあ」と直感的に理解することができないから。じっくり時間をかけて、縫い目を確かめながら袖を通すように味わわなければいけないから。……でも、そうして時間をかけて向き合うからこそ、ずっと心に刻まれるのも、文芸ならではの魅力だと思います。それに、感情を細かく細かく伝えられるのもやはり文章ならではだと思うし。伝えたいことのすべてを伝えようとすれば、やはり筆力を高めるしかないと、今この記事を書きながら考えています。まあ、あんまりあれもこれもと盛り込んじゃうと食べ切れなくなっちゃうから、そこから推敲することは必要な作業ですが(それも含めて筆力というものでしょう)、ここは自由記述のブログなので書きたいことは全部書きます。書いた後で精査します。
インディーズブックバザールの空間で思い切りバーリトゥードな空気を吸い込み、心がうんと伸びやかになったところで、今度は本部? に行きました。こちらは主催者側で制作した本や委託販売の本などを販売するスペースですね。例によってちゃんとした作品紹介は公式HP内を確認してください。ここからは、よりいっそう個人的な話になりますので。
ここでも物語の内容やら装丁やら、すべてにおいて全然違った個性的な作品が多く並べられていて、大正ロマン物やファンタジー物など私の好物がいくつもありましたが、その中でも「オヤ!?」と思ったのが、「かくらこう」さんの作品『あたしはやさしい魔女だから』でした(作品紹介)。
これ、実は一度、読んだことがあるんです。それこそアンデパンダン展の時に会場に展示されているのを読んで、「ヘェー」「これは、なんか、いいなあ」と。ひそかに心の中にしまい込んでいた人魚と、まさかこの場で再会することができるとは! と……。
これはアンデパンダン展の時に読んだものです。物語の印象的な一節を写真に撮っていたのですが、まさかこうした形で再会できるとは……直感を信じて行動して良かったと思います。
そして本部ブースでもアレコレと本を手に取り、同時に買ったトートバッグに入れてもらっている間、アンデパンダン展で初めて読んだことを話していると、
「私が書いた本なんです」
なんと私の目の前にいて袋詰めをしてくれている人が作者の「かくらこう」さんだということが発覚。嬉しすぎていぎなりハカハカしてしまいました。何というサプライズ! 何という僥倖! 私以外の人類には共感できないと思いますが、とにかく私にとってはすごく嬉しい出来事でした。物語や作品を読んで、その感動を一番伝えたい相手は誰かっていえば、実際にそれを創った人を置いて他にはないのです。そして私はそれを実現することができたのです。
美術に関しては門眞妙さん、文芸に関しては「かくらこう」さん。さらに私のようなアングラ人間が世の中と関わる切っ掛けになったウラロジ仙台の恐山編集長をはじめ編集スタッフの方にご挨拶をさせて頂く機会もありました。皆様その節はありがとうございます。まったくもってガチガチでぎこちない話し方になってしまいましたが、すべてが大切な出会いでした。すっごく嬉しかったです!
SNSをはじめとするデジタル的なものの進化は世界中の人たちとの交流を可能にしましたが、こうしてSNSに依らなくても、十分に心を通わせるチャンスはあるんです。もちろんデジタルな情報を得ることも必要だしデジタルなやり取りで出会い交流することも良いでしょう。私だってXは休止しているけれど来春復帰を目指してアカウントは残しているし、mixiとかは毎日更新しています。それによって新しいつながりもできました。デジタルを全く否定することはしません。
YoutubeやらTikTokやらで動画を投稿し世界中の人から注目を集めるのも良いでしょう。何万いいねとか何億回再生とかっていうのも良いでしょう。私が大好きな蘭茶みすみさんのいるメタバースの世界は、人類を新たなステージへと導いてくれるでしょう。それによって生きづらさが解消され誰もが『在りたい私』を実現できるのなら、そういう世界になるべきだと思います。
……それでも! それでもです!
私はアナログハートを捨てられないのです! 全てが数値化された断続的な世界よりも、紙とインクによってつづられた連続的な世界が大好きなんです! 私もADHDでASDで生きづらさも感じてはいますが、やはりこの肉体をもって認知する物理世界というか――より的確に言えば、この仙台という街が大好きなんです!
世界中でデジタル化が急激に進めば、私のような旧い人間はいずれ淘汰されるでしょう。それに、こんなアナログ礼賛な記事を書いてしまったから……私の大好きなみすみんサンも、私のことを見限ってしまうかもしれませんが……私だって、もう後戻りはできません。みすみんサンのことを知って以来、私の『在りたい私』って何なんだろう? ってずっと考えていて、ようやく浮かび上がった輪郭線がこれだから仕方ありません。
自由と独立の精神! アート・ブンゲイ・アナログハート! 在りたい私は私が決める! 価値があるとかないとかは私が決めるの!
スミマセン、早朝から一生懸命書いていたらプリキュアが始まっちゃって、それを見ながら書いていたので今朝見た話の影響が最後の方で噴出しちゃいました……来春、本格的に復帰したらちゃんと書き直しますが、これはこれでいいでしょう。漫画が雑誌連載版と単行本収録版で変わるようなものですからね。リアルタイムならではの文章ということでご了承ください。
はい、まじめな話に戻ります。ここ編集点です。
……入り口でこのようなスタンプラリーの台紙をもらい、規定数を余裕でクリアしたので記念品を頂きました。少しずつ缶バッヂのコレクションが増えてきました。そしてスタンプラリーの台紙はそのまま、作家さんと交流をした証拠にもなります。これも含めて大切にしたいと思います。
繰り返しになりますが、これからの私のテーマは「アート・ブンゲイ・アナログハート」です。これを目指して、今後もよりいっそう仙台で開催されるイベントに参加し、体験を通じて心を育てていきたいと思います。以上、文芸オタクの文芸イベントレポでした。
さ、朝ごはん食べよう。もうこんな時間だ。まじっすか!
(中丸くんは結構前から好きなんです)
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