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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
前回の続き


 若干のブランクはあったけれども、ここで17年間ブログを書き続けたことも、力になっているとは思いますが、この接客サービスの仕事で、さらに磨きがかかったと思います。


 ひとつは、私から「お客さま」に対して伝える力。

 私が提供するのはメニューに印刷された料理と飲み物でありますが、お客さまの方は一期一会。もちろん中には4度も5度も来てくれるリピーターの方もおり、非常にありがたいし嬉しいところではありますが、基本的には一度きりだと思って接しています。

 世界的にも有名な観光地・奥入瀬渓流の近くにあるので、関東関西近畿九州さらには(緊急事態宣言前には)外国からもお客さまが来ることがありました。また地域だけでなく、視覚や聴覚に障害があるお客さまもおりました。

 そういう状況にあって、いかにお客さまにこちらの気持ちを伝えるか? そういう時、私の気持ちはほかの人よりもず~っとず~っと強くなります。ほかの人は、結局のところ「健常者で日本人の」お客さまと同じような接客しかしないからです。そして、こういう時に頑張るのが、私がここにいる理由なのだと思っていたからです。

 まあ、そうはいっても付け焼刃ですからね。なかなか格好よく決まったことはありません。相手もある程度「日本人が話す英語」に慣れていれば、何とかなるのですが、本当にネイティブな英語じゃないと伝わらない場合は大変です。一度ベルギーから来たお客さま(英語とドイツ語しかわからない)をお迎えしたことがあったのですが、その時のことは忘れません。

 どうだったか? 最終的には、

 「言葉が伝わったかどうかはわからないけど、伝えようとする気持ちは伝わった」

 そう確信しました。ここで書いた「自分のスタイル=熱血不器用タイプ」が出来上がったというか、「これでいこう」と思った瞬間でした。

 そして、一番うれしかったのは、聴覚障害のあるお客さまに対して「手話で」気持ちを伝えることができた時です。始まる直前にyoutubeで二つ三つ見て、何とか伝わりそうなもの、絶対に伝えたいものをひとつ選んで、それをやってみました。

 

 で、リアクションが、これ。



 私のような人間でも、ほんの一瞬でも、誰かを喜ばせることができる。――この日のことは、一生忘れません。だって、そういう一瞬がいつ来るかわからないですからね。その時のために、私は生きられるだけ生きなければならないのです。


 ドコかの街で元気ですか、私がお迎えし、お送りしたお客さま。

 私は元気です。

 だって、とっても心が温かくなるから。あの日の朝のことがあったから。……

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