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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
私の街にも最近、といってもココ数ヶ月のものですが、いわゆるジュンク堂書店というのが出来ました。県内最大級の書店、というと丸善だったのですが、その丸善をさらに上回る規模、2フロアで一般書とコミック系で別れていて、すげーのなんのって。

で、今日、久しぶりに――これは何年かぶりになりますが、本屋をうろうろするのがすごく楽しいと思いました。別に買うわけではないにせよ、色々なタイトルの本があり、それの背表紙をちらちらと眺めながらうろつく。時々手にとって読んでみる。気持ちのカバーを全開にして、様々なものに感じられるようにする。
 
高校、大学のころはお金もなかったし、とにかく本屋をうろつくのが楽しみでした。そうやって時間を掛けることで、今の人生にいたるまでの分岐点となった本もたくさんありました。あそこであの本に出会ったから、こっちの道に来られた……そう思うようなタイミングが、ざっと振り返っただけでもたくさんあります。


あと、本屋と言えば梶井基次郎ですね。昔、国語の教科書で読んだ「檸檬」が、すごく好きでした。どういう話かって言うと、気分の優れない「わたし」が丸善に行って洋書をどさどさ重ねた上に檸檬をおき、「これが爆弾で丸善をぶっ飛ばしたらどんなだろうな」と夢想しながら揚々と出てくる、と言った話です。

……すみません。私の文章力の乏しさゆえ、みうらじゅんが田山花袋の「布団」を読んだあとの感想みたいになっちゃいましたが、これはあくまでも私の文章だからであって、実際に梶井の文章を読むと、すごく繊細でクスッといい気持ちで笑いたくなるような、穏やかでささやかで楽しい気持ちになれる短編です。青空文庫で出ているようなので、検索すれば全文が読めるはずです。


昔はよかった、という言葉が私は大嫌いで、そのためにとにかく振り返らず、今この瞬間だけを見て生きてきましたが、最近は私は昔のよかったころを取り戻したくて、昔見た映画や聴いた音楽を集中的に聴いています。今聴いているのは大学4年のころサークルも何もせずにひとりきりでいたころよく聴いていたポリスの「見つめていたい」です。

昔よかったものは、そうではないものもたくさんありますが、今見ても聴いてもいいです。……で、大事なのはそういった、昔いいと思ったものをまたいいと思いながら……昔置いてきたものを拾いながら、なおかつ今も認めて生きていくことなのかな、と思いました。

昔に戻ることは出来ないし、今にずっとい続けることも出来ない。でも、その時々で拾ったものは、ずっと持ち越すことが出来る。そして持ち越してこそ、新しいことも受け入れられる。

そういうもんなのかな、と思いました。

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