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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 佐藤洋太『不良ボクサー母校へ帰る』を読みました。

 これはWBC世界スーパーフライ級王者の佐藤洋太選手が昨年夏に著した、自叙伝です。口語に近い文章で書いているので、読みやすいです。


 洋太選手のことを詳しく知らない人もコレを読めばわかると思うのですが、いわゆる不良(と書いてヤンキーと読ませる)ではないんですよね。確かに中学生のころから染毛したりピアスをつけたりして、優良……ではないですが、自分から喧嘩を吹っかけるようなタイプではなかったみたいです。目立つせいかよく先輩から殴られまくったそうですが(これがボクシングを本格的にやる原動力となった)。

 要するに派手好きの目立ちたがりなんです。だからタトゥーも入れたりしてますけど、これにしたって大学を中退して盛岡で定まらない生活を送っていた頃に入れたみたいだし。見た目は派手でそれらしい雰囲気をしていますが、字面どおりの『不良ボクサー』ではないんです。そのあたりをもっと理解してもらいたいですね。


 あと、面白いなと思ったのは、メンタルの話。洋太選手は「スイッチを切る」と表現していますが、要するに試合中はすごく冷静に戦っているみたいなんですね。練習の時はもちろんスパーリングを尋常じゃないくらいたくさんこなし、アレコレと激しく動き回るそうなんですが、そうじゃない時は冷静な気持ちで。そうすると相手のパンチも見えるし、自分のペースで戦えるのだそうです。

 このあたりは、平直行さんの感覚とも似ているのかな。どんなに力が強くても、相手にパンチを思うように出させなければ何の意味もないから、自分のペースに持ち込んでしまう戦い方。それがいいとか嫌だとか、いろんな意見があると思いますが、私は単純に『面白いなあ』と思いました。


 昨年の大晦日に2度目の防衛戦を乗り越え、2013年1月現在も世界チャンピオンとして君臨するよう洋太選手。どこかの有名チャンピオンみたいに防衛回数を重ねるためだけに弱い相手とばかりやるのではなく、とにかく強い相手とガンガンぶつかりたい! ということで、今はタイの選手と交渉中だとか。ボクシングの試合を組むのは色々と政治的な駆け引きがあるみたいですが、ともかく誰にも文句を言わせないような強力な相手とぶつかり合い、そして勝ってほしいと思います。



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