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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
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 先日、押入れを整理したところ、長いこと行方不明扱いにしていた本が何冊か出てきました。その中にはかつての名タレント『大瀬しのぶ』さんの自伝なんかもあったのですが、それと一緒に出てきたのがポプラ社文庫の『雨ニモマケズ』。宮沢賢治です。

 タイトルは『雨ニモマケズ』ですが、本の大部分は長編『ポラーノの広場』です。そのあと、詩集『春と修羅』からの数編と、タイトルの『雨ニモマケズ』。詩の方は時系列に沿って並べられているので、心象スケッチと本人が読んだように、その時々の気持ちの変化が見て取れます。

 何度も花巻市にある宮沢賢治記念館に足を運んでいる割に、きちんと本を読むのは初めてな私。最初はほんのさわりだけ、と思ったものの、とまらなくなってしまって。ちょうどラジオで『ミュージックライン』を放送していたので、それを聴きながらず~っと読み続けました。いきなり読了です。

  *

 井上陽水はかつて「ワカンナイ」という歌で、この『雨ニモマケズ』の思想を否定(※)していますが、こうして読んでみると、やっぱり訴えかけてくる内容です。病床で手帳につづっているその時の情景が眼に浮かぶようです。そして考えさせられるのです。

 あとは、妹との死別についてつづった『永訣の朝』。これも妹へのひたすらな愛情と仏様への信心、さらにはそれをもってしても病気には抗えない無念さが伝わりました。とりあえず私はそんな風に受け取りました。

 あとは長編『ポラーノの広場』ですが、これが初長編だったこともあって、まずは読むのが精一杯でした。思わず私もまた井上陽水ばりに「ワカンナイ」と言いそうになってしまいました。

 なので、詳しい内容とか感想とかは書けませんが、いわゆるファンタジー物語ではなく、割合に現実的な世界の物語なんですね。『銀河鉄道の夜』みたいな世界を勝手に想像していたもので、そこはちょっと勘違いでしたが、いずれにしても面白かったです。

 ちなみに私が読んだのは1984年初版の古~いやつです。ということは小学生のころに兄者が買ったものでしょう。それを四半世紀以上の時を経て私が読む。すでに私は30代になってしまいましたが、とにかく同じ本を読み、同じ世界を共有することができたのはよかったかな、と思います。まったくもって個人的な話ですが。




 こっちは2005年初版の現代版。中身はいっしょみたいですね。




 (※ そこまで強い内容ではありません。そもそも陽水さんですから、あんまりまじめに深読みすることもないのかな、と捉えています。私にとっては陽水さんの歌も、同じくらいファンタジーな世界ですから)

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