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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
遠藤周作という作家は、正直なところ「こういう作風だ」とか「こういう感じの人だ」ということが語れるほど詳しくありません。せいぜい『イエスの生涯』を読んだことがあるくらいで、小説の類はまだ一度も読んだことがないのです。じゃあどんなイメージなのかといえば、こんなイメージなんです。

 

 決して茶化すわけではありませんが、とにかくこのイメージが真っ先に思いつくのです。あとはネスカフェゴールドブレンドの人のイメージ。

 それにもかかわらず今回借りてきたのも小説ではなくエッセイ。『狐狸庵閑談』というものです。これは『THIS IS 読売』という雑誌の1992年5月号~1994年4月号まで連載されたエッセイをまとめたもののようです。

 ひょっとしたら阿佐田哲也と色川武大みたいに分けて考えるべきなのかもしれませんが、とりあえず読みました。


 感想をざっくり申し上げると、とても面白かったです。

 何せ違いがわかる男ですからね。さぞかしインテリな思想の持ち主だと思ったのですが、本人は大の勉強嫌いであったと告白しています。そんなわけで、そんなものを遊び盛りの子供を塾に通わせるなどけしからん! と激怒しておられました。ちなみに私の場合は、ただの1度も塾というやつに通ったことがありませんでした。ついでに言えば試験勉強らしいことも、あまりやった記憶がありません。「どこそこの学校に入るために勉強する」のではなく、「今の学力では入れそうな学校に行く」というグータラ逆転発想野郎だだったのです。

 また、連載エッセイということもあって、時事的な内容も書いています。エリツィン政権になったロシアのこととか。私は小学生だったので世の中の動きなどは漠然としかわかりませんでしたが、30代になった今になればわかります。なるほど、こういう感じだったんだな~とかって。

 あと、狐狸庵先生は織田信長をあまり評価されていないんですよね。ズバリ『信長は天才だが、視野は狭かった』ためにいくつかドジをやり、最終的には取り返しのつかないドジをやってしまった、と。まあ連載エッセイのひとつに、そういう風に書いていただけなので、もしかしたらまた違った論評をされているかもしれませんが。ともかく「そういう見方もあるんだな」と思いました。私自身の視野が少し広がった気がします。

 さて、そんなわけで狐狸庵先生のエッセイはとても面白いのですが、遠藤先生は小説家ですからね。攻め手一冊でもいいから、有名どころを読まないといけませんわな。『沈黙』ですか。『海と毒薬』ですか。何を読むかはわかりませんが、後ほど「これは!」という一冊にめぐり合えることを期待したいと思います。

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