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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 先日、岩手日報の『気になるこの一冊』……正式タイトルは少し違ったと思いますが、ともかく最近の本についての書評を読んでいた時、「うんッ!?」としばし新聞を広げたまま硬直してしまったことがありました。

 何気なく目を通していたその本のタイトルは『カリコリせんとや生まれけむ』そして著者名は『会田誠』……。

 

 記事をよく読んでいくと、どうも私の知っている会田誠と言う人らしい。ゼロ戦がらせん状に米本土上空を舞い爆撃する絵とか、女子高生が集団切腹する絵とか(これはまだ見たことがない気がします)っていうから、間違いなく「あの」会田誠という人なのだろう、と確信しました。


 今から10年と少し前、確かまだ高校生の頃だったと思うのですが、兄者がこの人の作品集『孤独な惑星』と『ミュータント花子』を買ってきたことがありました。

 一体どういう経緯で兄者がこれを買ってきたのかはわかりませんが、前衛芸術家として同氏が創りあげた作品は、とにかく大変な衝撃でした。

 
 具体的にどの作品に衝撃を受けたのかを書こうと思ったのですが、ありふれた日常をつづるこのブログにはあまりふさわしくないので、それは差し控えることにします。

 その代わり強引に短い言葉で纏め上げると、『怖いほどの感動』。ひそかに憧れながら常識とか良識とかで覆い隠したものを、強引に壊して引きずり出されて目の前に突き出されたような気分だったのです。

 たまらなく魅力的で刺激的なのはよくわかっています。ただ、実際にその果実を口にすると、私が持ち合わせる常識とか良識とかをすべてかなぐり捨てて、「そっち側」の人間にならなければいけない。

 高校生、大学生ならそれもよろしい。そっち側に行っても、帰ってくることが出来るから。ただ今の犬神はいけない。もうこっち側の世界にそれなりに自分を構えてしまったから。


 ……で、かれこれ10年以上、記憶の底に封印していた名前なのですが……そうか、岩手日報にレビューが載ってしまったか……。

 なんか、『AKIRA』で言えば、せっかく地下深くに28号(少年アキラ)を封印したのに再び地上に現れてしまったような気分です。たぶん大佐もこんな感情だったのでしょう(?)。

 まあ、見てしまったのは仕方がない。近々買って来て、きちんと28歳の今、この人の世界と向き合いたいと思います。

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