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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
二重否定でより肯定の意味を強める。そういうわけで、要するにこの犬神、元々格闘技としてのプロレスが好きで、その後根性が捻じ曲がって「プロレスなんて」とななめに見るようになって、さらに知恵をつけて「やっぱりプロレスだね」と、二重三重にひねくれてるタチの悪いプロレスファンなんです。

私のプロレス@哲学としては、プロレスを格闘技、ましてや最強の格闘技なんていうナンセンスなことを言うつもりはありません。かといってプロレスは八百長だから全然強くない、なんていう無粋、というか的外れ、というかバカ言ってんじゃないよといったことは全然ありません

正直なところ誰が強いのか。誰が勝つのか負けるのか。そういうのはあんまり興味はありません。ただプロレスの強さ、つまり、

1.打たれ強さ(やはり、レスラーの最大の強みはこれに尽きるかと)
2.パワーとテクニック(ダブルアームスープレックスとかは、素直に大変な力と技が必要かと)
3.スピード(ルチャ・リブレの流れを汲むレスラーは飛び技もなかなかのものです)

を存分に体験させてくれるということ。それをさせてもらえれば御の字です。


 ……というわけで、ずいぶん長い前置きでしたが、今日は「みちのくプロレス」を見てきました。何を隠そう、25年くらい生きてきて、初めてのプロレス観戦でした。

 まあ、初めてなのでよくわからない部分もありますが、修行僧のような格好の新崎人生とふんどし一丁の男盛のマッチは正直「超兄貴」状態であり、まあ……その……辛抱たまらんのですなあ。

 また、みちのくプロレスは創始者のグレートサスケがそうであるように(最近はストロングスタイルの人もいますが)ルチャドールな人たちが結構いて、トペ・コンヒーロ(コーナーポストとかから場外に向かってジャンプして体当たりするアレ)とかなんとかの飛び技も多々ありました。あと、わざわざロープを端から端まで歩くパフォーマンスを見せてくれるレスラーとかもいて、すごく楽しかったです。

 
 で、まあプロレスのリングというのは弾力があり、なおかつドッカンバッカンといい音がしますので、たとえばボディスラム一発でも結構迫力があるのですが、餓狼伝を50回くらい読み返した(ただし漫画版)犬神は技よりもむしろ「どこに叩きつけるか」がポイントであり、正直なところリング上でボディスラムを見せられても、それ自体がダメージだとは思わんのですな(そのあとの大技はもちろん強力でしょうが)。
 逆にいうと硬い体育館の床とかではそれほど大技はやらんだろう、とスレた考えで見ていたところ、床に倒れていたグレートサスケになんと体育館の2階からダウン攻撃を食らわせるという、正直なところかけた方もかけられた方も無事にはすまないんじゃなかろうかという大技を見せられ、精神ゲージを4割ほど削られる心地よいダメージを受けてきました。

 またプロレスというのは、やはりレスラー自身だけでなく、セコンドやレフリーも含めての戦いなのだということを実感しました。というのは、ヒール(悪役)とベビーフェイス(正統派)のタッグマッチの際、ヒールの方が竹刀やら石油缶やらバケツやらといったさまざまな凶器を持ってくるわ、2対1で戦うわと非道の限りを尽くすのですが、レフリーはセコンドとやりあってたりして全然見ていないわけで、そこに観客がレフリーに抗議する場面がありました。

 またメインイベント、気仙沼二郎と大阪プロレスのスペル・デルフィンとのマッチにおいて、大阪プロレス勢のセコンド、レフリー含めた非道の数々、あげくの果てに

「気仙沼バスターをかけようとした沼二郎を、特に何もしていないのに止めに入り、倒される」→「気仙沼バスターが成功し、フォールが成功するも、なんとレフリーが倒れたまま動かない(!)」→「逆にデルフィンがフォールを取ると、1秒未満の実時間で3カウントをとる」

という一連の流れを見て、観客がセコンドとかに食って掛かる場面などもありました。
 あえて正直に言わせてもらえば、そういうのってあまり風流じゃないなと思うんです。入場前のパフォーマンスから退場後まで含めてプロレスであり、レフリーは決して公平なジャッジをするためにいるのではなく、試合の流れを適度にコントロールするための存在なんですから。

 こと格闘技においては「真剣勝負」というのは、それほど見たいとは思いません。それは決して今回の試合のように心熱くさせるようなものではないからです。相手の技をあえて受け、それでも立っているという強さを見せ付けてくれるプロレスというもの。私は今回それを、あくまでも冷静に観察しながら、しかし心中では非常にヒートアップしておりました。

 冷静に、しかし情熱的に。

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