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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 シルバーウィーク、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 私はこのところ、他の人が普通にやって4日かそれ以上はかかる仕事を3日で終わらせると言うことをさせられ、心身ともに(どちらかというと「心」の方が)フラッフラになっているところです。まあ何とか今日でそれも終わり、明日から遅まきながら3連休となるのですが。

 「他の人は定時でサッサと帰ってるのに、どうしてオレばかり」と、毎日16時頃になると山ほど仕事をおいていく直接の上司に対して含むところを含みつつ? 顔で笑ってこころで泣いて……とか何とかやっていました。もちろん、私にとっては山本小鉄さんのような人なので、いつのまにかその気持ちは雲散霧消してしまうのですが。


 さて、このような過酷な状況の中、家に帰って久々に「ルイス・キャロル詩集――不思議の国の言葉たち」(筑摩書房)を手にとりました。

 初めて手にしたのは今から10年と少し前。鳥取県米子市のアーケード街にある古書店で。その頃は『アリス』さえ知らず、ルイス・キャロルという名前を筋肉少女帯の歌で聞いたことがあるなー、という程度。これを機会に少し読んでみるか、と思って読んだところ一気にはまってしまい、そのまま英文科の大学まで進学してしまったほど。

 そういうわけですでにボロボロですが、私にとってはとても大切な一冊なのです。

 大学を卒業してからは、しばらく本棚の飾りとなっていましたが、現実逃避願望の強さのあまり、ついに手に取ってしまいました。

 そして読んでみました。今回は日本のキャロル研究の第一人者であった高橋康也さんの解説もじ~っくりとね。


 ……で、思ったのは、やはりキャロルの詩は単純じゃねぇな、ということでした。

 単純にセンチメンタルだったり、ファンタジックだったり、していないのですね。むしろそういうのをひっくり返して、ムチャクチャにして、ニヤニヤと――はたまたアハハと高笑いするような、『ノンセンス』な世界があったのでした。

 そうすると、読む側もある程度そういうものを理解するセンスが必要なわけで、私の社会人としてのキャリアはある意味そういったセンスをいかに捨ててありきたりの日常を受け入れられるようにするか、とも言い換えられそうです。って、自分で言っていて非常にわかりづらいので一言で言うと、中学、高校、大学生の自分が嫌って「こうはなるまい」と思っていた、フツーの人になっちゃったんですよ私は。

 
 なので、あまり癒し系という感じではありませんでしたが、それでもつらい時間はもう乗り切ったし。それに28歳になって、卒論を書かなきゃいけないとか、そういったプレッシャーが何もない世界で読むと、また違って見えてくるのですね。

 学生の頃に勉強したこと(主に文学)なんて、何の役にも立たないと思って、捨て続けてきたのですが……もう一度、本を読んでみたくなりました。特に今読みたいのは、丹治愛さんの「ダロウェイ夫人」。あれは非常に美しい文章の流れがありました。句読点はあるものの、すべての文章がひとりの人の思考としてそこにつづられていて、切れ目なく続いている感覚になれるのですね。あれは原作を書いたヴァージニア・ウルフはもちろんですが、翻訳者もすごい。

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