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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 本作は『トンデモ本の世界』で山本弘さんに散々突っ込まれていたので、ご存知の方もたくさんいらっしゃるかとは思いますが、それまでの『黒豹』とは明らかに違う一大SF巨編です。まず、長い。いや、そうではなくて。

 一応、上巻・中巻まで読んだので、そこまでの内容とか感想とかを少し。


 上巻は、黒豹がパラボラアンテナのテスト中に謎のメッセージを宇宙から受信するところから始まります。

 いつものように重要人物が次々と暗殺され、それに応戦してその数倍の人数を射殺、または撲殺しながらそのメッセージを解読すると、何とそれが月から送られていることがわかります。謎のメッセージはわざわざ日本に向けて発せられた科学者・コーネフ博士からのSOSメッセージだったのです。

 普通の人ならそんなものは知らなかった振りをするところなのですが、この小説における最高権力者・倉脇首相は「わざわざわが国に助けを求めてくれてるんだから」と、2つしかない国産ロケットを使って月まで博士を助けに行かせることに。政治家とは思えないくらい情に厚いのが特徴なのです。

 また、その頃、地球には謎の怪光線が降り注いで大規模な火災や地震が起こるわ、原発が爆発してその火球が地球の中心に向けて時速3キロだか4キロだかで進み始めるわ(チャイナ・シンドロームを参照)で大騒ぎとなっています。なぜ怪光線で大地震が起こるのかまったくわからないですが、とにかくそういうことなんです。作中でもそんな感じでドンドン進んでいきます。これはいつも通りです。

 この危機を救えるのはコーネフ博士しかいない。そして博士を助けられるのは、黒豹しかいない。そういうわけでマニュアルをとりあえず読んだ程度で、「あとはコンピュータがすべてやってくれるさ」というノリで黒豹は月へ向かって飛び立ったのでした。この世界におけるコンピュータは、なんでもありなのです。

 ちなみに上巻の後半部ではイギリスを代表する「あの」スパイが登場します。改造されたアストンマーチンを颯爽と乗り回し、今でも新作が作られる「あの」スパイです。ただしストーリーにはあんまり絡んで来ないため、山本弘さんがおっしゃっていたように、「ただ会わせたかっただけ」と思われても仕方がない気がします。

 
 そんな感じで、よりいっそう(ヘンな)SF色を濃くしていく中編へとなだれ込むのですが、長くなりそうなのでいったん稿を改めることにしましょう。

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