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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 2003年に大爆発ベストセラーとなった養老孟司先生の『バカの壁』をようやく読み終わりました。

 今になって調べてみると、まあ様々な批判をされているようですが、養老先生にしてみれば「ドンと来いコノヤロー」みたいな気持ちなんじゃないかな、と思います。

 実際そこに書いている内容が正しいのかどうか、それはよくわかりません。本来なら、いわゆる批判本も読んで自分の中で天秤にかけながら理解を深めていくべきなのでしょうが、まあそれはおいおい、見つけたら買うことにしましょう。一方だけを読んでそれを信じて他のことを取り入れないのは、それこそ一元論的、原理主義的ですからね。

 ただ、率直な感想を言わせてもらえば、『すごく面白い』ということだったのですね。

 なんだか、読みながら私の脳にメスを入れられて「ほら、あなたの考えているオタク脳ってのは、こういうことなんだよ」ということを説明されている気分でした。安部公房の『鞄』ではありませんが、思わず前頭葉のあたりを手で覆いたい気持ちになってしまいました。

 
 脳はひとつの計算機に過ぎない、というのは14歳の頃の犬神も何となくそう思っていたことでした。

 その頃、犬神はちょっと感受性が強すぎたのか、結構、泣くことが多かった気がします。それは今風の安いものではなく、結構きつい痛みを伴うもので。

 最初、涙が出なくなればいいと思いましたが、それはドライアイに罹患してしまうか聖帝サウザーまたは金色のファルコの領域に達しなければならない。だとしたら、涙を出させないように自分をコントロールすればいい。でも、どうすればいい?

 それで、確かその頃理科の授業でNHKスペシャル『脳と心』を見せられた時に生物的な脳の働き、感情とか気持ちとかのメカニズムを知り、「そうだとしたら、何が起こってもそう言った刺激が出ないようにコントロールすればいいんだ」と思い、そのように努力しました。

 ある程度は成功しました。ただその頃はフロイト流の「無意識を意識する」領域までは達していなかったので、数年前に心療内科にかかるまでひどい後遺症に苦しみました。今でも、ほんのちょっと残っていますが。


 最近はその頃とは逆に、色々なものから刺激をもらって自分を高めていきたいと思い、そのように努力しています。本書の中ではy=axという、数式を見ると吐き気がする重度の数学嫌いの犬神でも何とか理解できる一次方程式で解説しています。

 つまり感情(y)とは自分の持っているもの(x)に対する刺激(a)というもので、aがプラスなら「好き」、マイナスなら「嫌い」で、いわゆる「普通」「興味ない」「アウトオブ眼中」というのはそのaがゼロである、ということなんですね。って、私の文章力では何のこっちゃわからないと思うので、今すぐ本屋さんで買ってきて読んでください。


 私は批評家でもなく、学者でもなく、気楽なひとりの読者で素人なので、またもや率直な感想を述べるとすると、結構助けられた部分があったように思います。とりあえず、ひとつあげるとすれば、

 「誠意を尽くして話せば、どんな人とでも分かり合える」

 わ け で は な い

 ということですね。だからイスラム諸国とアメリカはいつまで経っても分かり合えないんだ、と。

 長州力なら「だったらどうするんだよコラ!」と突っかかりそうですが、差し当たって一度ザッと読んだだけなので、まだそこまではわかりません。ただ、とにかく「話せばわかる」という前提は一度捨て去らなければならんな、というのは強く思いました。それは逆に言えば、「こんなに話しているのにどうしてわからないんだ」という怒りになるのですから。


 自分でも上手に消化しきれていないので、ボリュームはあるものの読みづらい文章になってしまった気がします。が、とりあえずこれが最初の感想。後で自分で読み直してわかりづらいところは直せれば直しますし、また考えが変われば別な機会に書きます。

 やはり脳みその話は面白い。これからは脳みそのことがブームになりますね。えっ? もうとっくにブームになってるって??

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