待てど暮らせど一向に新刊が出ないので、ずいぶんと前に買った「青狼の拳」を読み終えた犬神です。映画版のストーリィも、この外伝から引っ張ってきている部分もたくさんあるのかな。
柔道でもなく、空手でもなく。立っている相手の関節をいきなり絡め取ってへし折る技「サンボ」を身につけたい。そう願って丹波文七はサンビスト・河野勇のところに赴くが、河野のことを付け狙う梅川丈次、そして仕込み杖の達人・土方元との死闘。・・・
巻を重ねるにつれて柔術が出てきたり巻物が出てきたり、それに飲み込まれて悩んだり失踪したりと、激しいうねりを伴っていつ果てるとも知れない航海を続ける本編に対してこちらは読みきりだからなのか、割合シンプルな感じでまとまっています。まだブラジリアン柔術なんていうのも知られてないから、というのもあるかもしれませんが。
あと、アレだ、本作の丹波は結構ギラギラするところがあって、戦いだけではなく女性を意識するところがあるように思います。ヒロインの女の子「秋子」に滾るような感情を覚えたり、そのあと気持ちが収まらず行きずりの女性をいきなりホテルに連れて行ってナニをする描写もあったり。
最初読んだときはとにかく驚きました。この世界の中で女性とそういうことをするのは姫川勉とグレート巽ぐらいで、丹波は強くなること以外に興味のないストイックな男だと思っていたからです。しかも3回。あ、別に回数はどうでもいいですか?
本作では後に本編にも入ってくるライバル・梅川丈次が出てきます。本作では柔道ベースながら打撃技とかも多少は使うスタイルで、同じように空手ベースで戦う丹波を苦しめます。後に世界中を渡り歩いて様々な格闘技を身につけ、物語を引っ掻き回して丹波を精神的に惑わせる存在になりますが、このころはまだそれほどでもありません。
そして悪役、というわけでもないのでしょうが、読者的にはそう見えてしまうヤクザ、というか「プロの人斬り」土方元との死闘が、もうひとつの柱となります。
一応は計算高いというか、面倒なことになるから「人を殺すこと」を好んでいるわけではないのですが、「人を斬ること」には何のためらいも持たず、その気になれば一瞬で人の手なり足なりを斬り飛ばしてしまう。そのシーンを読むたびに背筋が凍るような思いがします。逃げても謝ってもどうしても助からないような気がするのですね。
土方自身の言葉を借りると「アマチュア・スポーツ格闘家」である丹波たちとはまったく違った世界の住人であり、絶対にかかわりたくない人間ではありますが、それでも不思議な個性、魅力のようなものを感じさせる男なのであります。
パンチやキックだけではなく、投げ技や関節技も混ぜ込んだ戦いが、まだストリートでだけ行われていた時代の、壮絶な戦い。そして刃物に対する、空手バカ一代よりは実戦的な戦い方。マンガ版(「格闘士真剣伝説」に収録されている袋とじのやつ)とは違った方法、違った決着を見ていますが、それはやはりこの男、土方ではなかったからでしょう。どちらかというと花山組長の親戚のようにも見えますが・・・まあいいや。
それより早く、第二巻を出してください。この際完結はしなくてもいいので、とにかく続きを読ませてください。
柔道でもなく、空手でもなく。立っている相手の関節をいきなり絡め取ってへし折る技「サンボ」を身につけたい。そう願って丹波文七はサンビスト・河野勇のところに赴くが、河野のことを付け狙う梅川丈次、そして仕込み杖の達人・土方元との死闘。・・・
巻を重ねるにつれて柔術が出てきたり巻物が出てきたり、それに飲み込まれて悩んだり失踪したりと、激しいうねりを伴っていつ果てるとも知れない航海を続ける本編に対してこちらは読みきりだからなのか、割合シンプルな感じでまとまっています。まだブラジリアン柔術なんていうのも知られてないから、というのもあるかもしれませんが。
あと、アレだ、本作の丹波は結構ギラギラするところがあって、戦いだけではなく女性を意識するところがあるように思います。ヒロインの女の子「秋子」に滾るような感情を覚えたり、そのあと気持ちが収まらず行きずりの女性をいきなりホテルに連れて行ってナニをする描写もあったり。
最初読んだときはとにかく驚きました。この世界の中で女性とそういうことをするのは姫川勉とグレート巽ぐらいで、丹波は強くなること以外に興味のないストイックな男だと思っていたからです。しかも3回。あ、別に回数はどうでもいいですか?
本作では後に本編にも入ってくるライバル・梅川丈次が出てきます。本作では柔道ベースながら打撃技とかも多少は使うスタイルで、同じように空手ベースで戦う丹波を苦しめます。後に世界中を渡り歩いて様々な格闘技を身につけ、物語を引っ掻き回して丹波を精神的に惑わせる存在になりますが、このころはまだそれほどでもありません。
そして悪役、というわけでもないのでしょうが、読者的にはそう見えてしまうヤクザ、というか「プロの人斬り」土方元との死闘が、もうひとつの柱となります。
一応は計算高いというか、面倒なことになるから「人を殺すこと」を好んでいるわけではないのですが、「人を斬ること」には何のためらいも持たず、その気になれば一瞬で人の手なり足なりを斬り飛ばしてしまう。そのシーンを読むたびに背筋が凍るような思いがします。逃げても謝ってもどうしても助からないような気がするのですね。
土方自身の言葉を借りると「アマチュア・スポーツ格闘家」である丹波たちとはまったく違った世界の住人であり、絶対にかかわりたくない人間ではありますが、それでも不思議な個性、魅力のようなものを感じさせる男なのであります。
パンチやキックだけではなく、投げ技や関節技も混ぜ込んだ戦いが、まだストリートでだけ行われていた時代の、壮絶な戦い。そして刃物に対する、空手バカ一代よりは実戦的な戦い方。マンガ版(「格闘士真剣伝説」に収録されている袋とじのやつ)とは違った方法、違った決着を見ていますが、それはやはりこの男、土方ではなかったからでしょう。どちらかというと花山組長の親戚のようにも見えますが・・・まあいいや。
それより早く、第二巻を出してください。この際完結はしなくてもいいので、とにかく続きを読ませてください。
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