忍者ブログ
大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 先日、中公文庫の「ジャンヌ・ダルク」を読み終えたということを書きましたが、その次に手に取ったのがなぜか「黒豹キルガン」でした。一緒に買った坂井三郎さんの「大空のサムライ」もあるのに、どうして何度となく読み返したこちらを選んでしまうのか。

 400ページ以上のボリュームがありながら、勢い数時間で読めてしまうのは、やはりアクションが多いのであまり小難しい話はないから。まじめにその内容のムチャクチャさを批判する人もいるけれど、何をいまさら、という感じもします。これは「黒豹」のその場その場のスーパーアクションを楽しむものなのですから、話の内容がどれほどぶっ壊れていようが、あんまり気にならずにサクサク読み進めていけます。


 本作品では(でも)老若男女問わず人がよく死にます。黒木が行ったらすでに死んでいたか、襲ってきたので黒木自らが殺したかの違いこそあれ、彼の行く先には死体(主に射殺)の山がが転がり、黒木自身もやたらと襲われるので、自ら死体を増やします。ただし黒木はゴルゴ13のようなフリーランスではなく、日本一偉い人たちのバックアップがあるので、電話一本で死体処理を依頼することができます。

 ホテルでドンドンドンッ(銃声)。公園でドンドンドンッ。人の家でドンドンドンッ。敵が多い時はところ構わずドンドンドンドンドンッ。

 で、最終的には62式機関銃(と100発ベルトx3)を持って敵の本拠地に突入、ジョン・ランボーかターミネーターの如く撃ちまくり、大量殺戮のうえ完結。基本的にどれをとってもこんな流れなので、やたらたくさんシリーズはありますが、どこから読んでも別に構いません。

 
 アクションはそんな感じです。あとはたいてい1回以上女性とナニをするシーンがあります。ほとんどの場合は秘書・高浜沙霧が相手ですが、たまにゲストとすることもあります(本作「キルガン」も)。

あとは地の文で、門田先生自身のメッセージが思い切りズラリと並びます。たいていの場合、当時の日本および日本人のダメダメっぷりの痛烈批判であり、小説という形式をとりつつも門田先生自身が何を言いたいのかがひしひしと伝わるものであります。

 当時は米ソ間でINF全廃するとかしないとかといった話が出ている頃でした。門田先生から見た当時の日本は、金儲けとセックスとロックンロールに狂った壊滅的な社会である、と批判しています。


 2008年現在、もし黒豹がいたら、どんなことを思うのか。それについての批判や共感はともかく、また門田先生の文章が読みたいなと思いました。

拍手[0回]

PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック