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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 久しぶり(何年ぶりだろう)に「水戸黄門」を見て、思わず笑ってしまいました。

 何でわざわざ水戸黄門なのかといえば、時代劇方面ではトップクラスの悪役俳優である森次「モロボシ・ダン」晃嗣さんがお出になるということで、黄門様でも助さんでも格さんでもうっかり八兵衛でもなく回船問屋・黒松屋を一生懸命追いかけると言う、代にも奇妙な視聴をしていたのですね。

 まあ、流れはいつも通りですよね。善人がいて、悪人がいて、善人が貶められ、あと一歩のところで黄門様が出てきて一暴れ、というやつ。

 まあ悪の大ボス……は磯部勉さんなのでその引き立て役だからなのか、出番は極端に少なく、後半では黄門様が弥七を使って調べた悪事を上げ連ねた時に「さあ、何のことですかな」と白を切ったところ、そのあと逃げようとして由美かおるに昏倒させられたところ、印籠を見せられた後に「ははぁ~っ」とひれ伏すところ……。

 全部あわせても、1分あったかどうか。なんだかちょっと出番が少なすぎない? って、そこまで森次さんの出番に期待する視聴者は日本で私くらいしかいないか。


 それにしても、笑ってしまったのは後半ですね。ひとつは格さんが街で大暴れしてわざと牢屋に入り、そこで先に入っていた悪党どもを叩きのめすところなのですが、「やっちまえ!」→(編集でカット)→「参りました!」といって、さっさとストーリィを進めてしまうと言う漫画のような展開。

 数年前の「暴れん坊将軍」で彗星が落ちてくる話があって、ついに時代劇にもCGが使われたか! と驚きましたが、今じゃこんな露骨な編集もアリなんですね。あまりやたらとケンカシーンが入ると、終盤のクライマックスの印象が薄れるから、カットしたのはわかりますが……なんか安直な感じもするなあ……。


 そして弥七の超絶能力ぶり。悪党の話を盗み聞きするのは(創作)忍者の真骨頂だからこれは当然。一瞬で石段を数十段飛び越えたり、相手のドスをあっさり奪い取ったりするのも、まあ忍者だから十分に納得できます。

 ですが終盤で、それまでの展開を強引にねじ曲げるのはいかがなものでしょうか。

 少しストーリィを説明すると、今回の善人には幼い頃に生き別れた父親がいました。その父親がどこにいるのかは当然わからないのですが、実は2年くらい前にふらりと流れ着いてきて、自分の亭主といっしょに働いている初老の男がどうも父親じゃないのか、という感じで話が進んでいきます。

 ところが事件が解決した後、その男はじつは本当の父親ではないことを手紙で書き置きし、自分はさっさと下田(今回の舞台)を去ってしまいます。

 普通ならどこかでいつも無事を祈っていてくれるさ、とか何とか言って、ちょっと寂しさを残しつつ次の場所に旅に出る……というのが一般的なドラマでしょうし、私もそう思っていたのですが……

 次の瞬間、縁側を見るとなぜか旅に出たはずの男の姿が。その傍らには……万能忍者・弥七がしてやったりな顔で立っていたのでした。おいおい、そこまでしてハッピーエンドにしなくてもいいんじゃないのかい!?


 いつも「必殺!」ばかり見てきたから、王道過ぎるほど王道の「水戸黄門」が、これほどまでに新鮮で斬新な面白さを感じさせてくれるとは思いませんでした。何でも見てみるもんだなあ。

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