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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 このところNHKの連ドラ「ちりとてちん」の影響もあるのですが、このところ妙に落語というのに興味があります。

 このところ、と言いましたが、実は小学生の頃にラジオでたまたま聞いた落語がいたく気に入り、それをカセットに録音し、毎夜毎夜聞いていた時期があったのです。まさに和田清海と同じです(ここまでは)。覚えていますとも。鈴々舎馬風と言う人が話した古典落語「猫の災難」でした。「隣の猫がね……」ってやつです。

 じゃあ、最近、どうしてまた落語に興味を持ち始めたのかというと、やはり「美しい日本語」というか、言葉それ自体と、その組み立て方、全体的な流れですね。立て板に水ではありませんが、すらすらと落語家の人たちはストーリーを組み立て、盛り上げたり笑わせたりします。

 一応、トークでお客様と色々なやり取りをする職業にあるこの犬神にとって、あのような話芸を身につける、とまではいかないまでも、スムーズでわかりやすい言葉は学ぶべきところが多いのは事実……。そういうわけで、昔のようにテープにとることこそしないまでも、聞く機会があればよく聞くようにしています。

 そんな中で最近つとに気になったのが桂文珍氏の創作落語「マニュアル全盛時代」でありまして、今日は2回目のそれを聞きました。


 要するにファミレスやスーパーのレジにおける「マニュアル言葉」をおちょくった話で、「煙草吸います」「喫煙席にご案内します」「すいません」「どっちですか」というくだりは私の大のお気に入りです。

 ただ、それでもちょっとアゲヤシ取りと言うか、「それはいいんじゃないの」と思うところも少しあるわけで、一応、マニュアル言葉を使う人たちをちょっとだけ擁護すると、あれはもっとも手早くそれなり以上のクオリティと言うか、作業を進めるのにいいシステムだと思うのです。

 昨日まで、およそまともな国語教育を受けてきたとは思えない人を、今日から何とか使わなければならない。そういうわけで付け焼刃的にではあるものの、正しいとされる言葉を叩き込み、それで表に出す。そうすれば、最低限度のマナーと言うか、それなりにやっていけるわけですね。

 で、まあ、その通りに言っているうちは店長に怒られることもないし、時給もコツコツともらえるのですから、異常なほどマニュアル言葉になってしまうのも仕方のないもの。

 
 そして、それをふまえてなお、自分の言葉で話したいと思うのです。

 
 ベースはマニュアル言葉でいいと思います。でも、そこに自分流のアレンジを。そして、話芸とまでは行かないまでも、自分の気持ちをできるだけまっすぐに伝えられる言葉を。

 そういったものをいつも探していたいと思います。

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