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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
おはようございます。

 一か月ぶりにアパートの周りの景色がクリアになりました

 高杉です(ずっと外壁工事のため足場が組まれていた)。


 精神的には少し危険な状態なので、今日はどこかに出かけて精神をリフレッシュさせる予定でありますが、せっかく時間があるのでブログを書きます。ある程度下書きをしていたものを出すだけなので、それほど手間はかかりませんが。

 町田康『リフォームの爆発』を読みました。そういう話です。考えてみれば私のアパートも、外壁だけとはいえきれいになりましたしね。これもリフォームみたいなものでしょう。ということもあって、その話題にします。
 

 町田康氏の本を読むのは、結構、久しぶりです。
 
 今から20年と少し前、私が十代後半~二十歳そこそこの時分は、もう大好きで大好きで日記の文体もわざと町田康氏の文体に寄せていました。私の場合その前段に大槻ケンヂ氏がいて、スターリンやJAGATARAといった80年代アングラパンクの担い手のひとりとして先に知ったのですが。だからどちらかというと「町田町蔵」が先でした。INUとか人民オリンピックショーとか町田町蔵+北澤組、とかね。
 
 先日から通い始めた仙台市図書館で指名借りした本を返し、さて次はどうしようかと書架をつらつら眺めていると、町田康氏の本が何冊も並んでいました。いずれも独特なセンスで名づけられたタイトルが背中を飾っていましたが、その中でも思わず私が息をのみ、手に取ってしまったのが『リフォームの爆発』でした。
 
 
 内容としては、町田康氏が自宅をリフォームした際の一部始終を書いたものです。
 
 読んでて困ったのは、明確な章分けがないことです。
 
 『リフォームとは?』という概論から始まり、見積もりを取る段階になって、実際に施工業者が来て破壊と創造の工程を経て完成を見る……と展開していくのですが、それがほとんどシームレスにつながっているので、結局今日が休日であることを利用しいっぺんに読んでしまいました。
 
 
 今更私が、町田康氏の文章云々とかこの本の内容のどうこうということを、言うまでもないでしょう。相変わらず、いつもの古風な言葉をパンクロックの楽曲で喚き散らす激烈文章です。
 
 それはさながらお盆の折り、お寺の本堂で檀家の人たちが正座して住職がご本尊に向けてあげる読経を厳かな気持ちで待っていると、数珠の代わりにギブソンのギターを持って鋲うち革ジャンに身を包んだ住職が乱入。8ビートで般若心経をシャウトした後、鏧子(けいす。大きなお椀のような鐘)にギターを叩きつけて破壊した挙句火をつけて心頭滅却すれば火もまた涼しと嘯く……そんな感じの文章です。あるいは乱入した瞬間に「ライフルを乱射し、檀家の者たちを皆殺しにしてしまうのである」となるかもしれません。
 
 ただそのダイナミック極まりない文章に酔いしれればいいのです。たといリフォームをする予定がなくたって、なんだって、町田康氏の文章にかかれば、ものすごくエキサイティングなのですから。

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