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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
近頃はウォーバード、ちょっと広げて軍用機についてアレコレ眺めているところでありますが、60年ちょっと前の我が軍、すなわち大日本帝国陸海軍には他国にあんまり例を見ないようなコンセプトの飛行機がありました。

たとえば、当時は普通の爆弾を落とす急降下爆撃機と魚雷を落とす攻撃機というのが別々だったのが普通なのですが、我が軍ではそれをひとつにしてしまえというコンセプトの「流星」というのがありました。後に米軍でもスカイレーダーと言う同様のコンセプトの飛行機が出てきますが、当時は斬新でした。というか、私は80年代以降の人間なので、だったそうです。

あと「偵察機」というのを、他軍は攻撃機かなんかを使っていたのに対し、我が軍では専用の飛行機を作ってなおかつ結構な戦果を上げていました。「我に追いつくグラマンなし」の「彩雲」ですね。

そして、初めから敵機に体当たりすることを目的として作られた一連の「花」シリーズの航空機。これもまた他国には想像もできないような代物でした。ちなみにその走りである「桜花」は、ロケット弾に操縦席を取り付けたようなものだったのですが、意外と速度が遅く、簡単に撃墜されてしまったそうです。


この「桜花」というのは、まあどう考えても設計コンセプト以外の使い道がないような機体でありますが、一方で、
 「結局そういう使われ方をする目的で命名されたが、本来はそうではなかった」
 機体と、
 「そういう使われ方をするために作ったけれども、結構よかったので、違った使い方をしようと計画された」
 機体がありました。陸軍特殊攻撃機「剣」と海軍特殊攻撃機「橘花」です。


「剣」というのは元々ドイツ空軍で言うフォルクス・イエーガー、つまり国民戦闘機構想に基づく簡易ジェット戦闘機He162で、要するに「ありあわせの材料でどうにか戦える飛行機を」ということで木とブリキを多用して、爆弾投下後は(車輪は軽量化のため離陸後投下されるため)胴体着陸をしてパイロットとエンジンを回収するというのが当初のコンセプトでした。ただ、軍の考えとしては「特殊攻撃機」としての運用のようでしたが……。
(ちなみに一応100機あまりが作られましたがあまりにも性能が劣悪で、改修を命じられてその作業に従事しているうちに終戦になったそうです)

 一方「橘花」というのは、超兵器マニアにとっては「震電」「秋水」と並んで心ときめくわが国初のジェット飛行機です。Me262を真似して作ったとよく言われますが、というか実際そうなんですが、そっくりそのままコピーしたと言うわけではなく小型化されてたり(防空壕に入れられるよう)主翼が折畳式になってたり、あえて言えば「別物」です。
 肝心のエンジンはMe262の半分くらいの出力ではありましたが、ハイオク燃料でなくても飛ばせると言うのがメリットであり、武装は500キロ爆弾が1個。つまりそういうコンセプトの飛行機だと言うことですね。
 ところが、(計画だけですが)これのエンジンの出力を強化して機関砲を装備し、まっとうな戦闘攻撃機「橘花改」というのも構想されていたそうです。これは知りませんでした。現実的ではないかもしれませんが、1年ちょっとでジェット機が空を飛んだこと、そしてその技術をそういう目的だけではなく、別なことにも使おうとしていたということ。

 つくづく「いいなあ」と思うのです。

 まあ、そんな感じでした。特に意味あって今日という日にちにぶつけたわけではないのですが、そんな風に思いましたと。

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