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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
おはようございます

2週間ぶりに仕事が休み

「森のキュイジーヌ」管理人のいぬがみです。


まあ色々あって気持ちが疲れています。非常にきわどい状況です。まず、そのことを最初に書き出しておきます。

そんな中でも、「散華 土方歳三」「函館売ります 土方歳三蝦夷血風録」と、続けざまに函館で買ってきた本を読みました。いずれもタイトルどおり、新撰組副長というよりは陸軍奉行並、洋装&総髪姿モードになった土方さんの物語です。

前者は新撰組時代のことを「回想」という形で色々振り返る物語です。ともすれば乱暴者で手がつけられない性格に描かれる芹沢鴨や、思想上の違いから(土方さんが主人公の小説では)あまり扱いのよくなかった山南敬助さんなども相当な好人物として描かれており、多分、私が読んできたどの小説よりも情がある、慈しみ深い土方さんがいます。これと「人間土方歳三 新撰組副長秘め語り」は、書き手の土方さんに対する熱い思いがたっぷり感じられる名作だと思います。

後者は土方さん・・・というよりも、当時実際にあった「ガルトネル事件」を中心に取り上げた物語です。これはプロシアの商人と蝦夷共和国政府との間で、函館の広大な土地を99年間(!)貸す代わりに賃貸料を貰い受けるという密約をめぐる事件なのですが、実はそのプロシアの証人の影にはロシヤの秘密工作員がいて・・・ということで話が進んでいくのですが、土方さんは上巻の後半くらいからようやく出てきます。

ちょっと考えれば、いくら話の上では「貸すだけだから」といっても、99年間というスパンは長すぎるように感じます。もしこれが実際に締結されたら、函館は香港とかみたいに、20世紀に入るまで外国扱いになっていたのかな・・・なんていう風に思います。そして、それを阻止しようと動いたのが、条約を結ぼうとしていた蝦夷共和国側の大幹部である土方さん、というのが面白いですね(これは文庫版の下巻のあらすじに書いている内容です)。

どちらも大変に面白い物語です。「本を読む時間がない」などと言い訳をしていた私も、それ以外の色々なことを差し置いて読みきってしまいました。そして確かに、読んでいる間は日々の色々なツマラナイ感情から解き放たれ、心をまっすぐに伸び伸びと解き放つことができたのです。


小説を読むことが、私の仕事に直結するとは思いません。ハイハイと愛想良く振舞うことを求められる私の仕事にあっては、むしろこういう本を読んで「土方さんのようになりたい!」と思うのはある意味マイナスかもしれません。そういうことよりも、もっと仕事のことを考えて自分を磨いたほうがいいのかもしれません。

でも、やっぱり思ったんですよね。1998年の夏、鳥取県米子市の古本屋で手に取った筑摩書房の「ルイス・キャロル詩集」にめぐり合った日から、ずっと歩んできた道。本をもっともっと読みたいと思って大学の文学部に入ってしまったくらい、私は本が好きなんだって。お酒よりもマージャンよりも、読書こそが私の心の栄養になるんだって。

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