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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
たまたまテレビのCMで見かけた「ドリエル」の箱に猫の絵が描かれているのを見て、10年以上前の思い出が電光のようによみがえりました。大学4年〜社会人2年目の、極めて精神的に不安定だった時期です。

あの頃は市販の精神安定剤を飲みつつ、何とかバランスを保っていた時期です。「幽玄漫玉日記」とか向精神薬の広告とかを見て癒されていた時期です。その時点ですでにどこか精神を病んでいるような気がするのですが、当時の私はそうやってバランスを取っていたのです。

その中でも印象的だったのが「サイコゾン」という薬の広告。その手の業界では有名な「ウェイン・キャット」の絵をドカンとあしらった、1981年製の「精神分裂病治療剤」。現在は生産されていないようですが、この絵が強烈だったのか何なのか、とにかく心に焼き付いたのでした。そして自分自身がもっとも精神的にキツかった時期(心療内科に通い始める直前)、このイラストを思い出して癒しと恐怖の二重奏、なんともおかしな感情を覚えていたのでした。

2015年、またウェイン・キャットが広告に使われたのか! と戦慄したのですが、よく調べてみると「レオニャルド・フミンチ」というオリジナルキャラであることが発覚。そうですよね、このご時世にそんなきわどいモチーフをわざわざ持ってこないですよね。


あの頃と今とでは私を取り巻く環境も変わったし、世の中の雰囲気も変わりました。だからこれが、いいとか悪いとかそういうわけではないんですが……感情的な、ひとつの事実として……あの頃の私は多分、そういうサイコパスな世界に憧れていたのかもしれません。

勉強もダメ、運動もダメ、顔も良くないし要領も良くないしお前がここにいる意味って何かあるの? というところまで追い込まれて、たどり着いたのが狂気の世界。筋肉少女帯・人間椅子・ヤプーズを聴きながらオーケンの小説を読み澁澤龍彦のエッセーを読み、心の中にパノラマ島を作って一人癒されていたのでした。

ただ私は、そんなサイコパスな世界に親しむ一方で「自分はそっち側にはいけない人間」であることもわかっていました。猟奇的な世界に憧れながらも、自分が本当にそういうことをする勇気はない。さらにいえば、今ほどネット環境も整備されていない時代でしたから特に対外的にアピールすることもなく、内と外をうまく分けて生きていました。


とりあえず、思い出したことを書きました。

それがいいとか悪いとか、そういうのは関係ありません。ただ最近はパノラマ島の整備もしていないので、ちょっと心が錆び付いているのかな。ヤスリがけから始めなきゃいけないかもしれませんね。

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