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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
このところは吉川英治先生の『宮本武蔵』を読んでいました。

 1日1冊くらいのハイペースでした。少々荒っぽい読み方になってしまったかもしれませんが、元々新聞連載の小説と言うこともあってか、非常に読みやすかったのです。何よりも「先へ、先へ」と読み進めたくなる、そんなエネルギーをたぶんに含んでいたのです。

 いまさら私ごときがあらすじを書くまでもないと思いますが、スタートは関が原の戦が終わったところからです。この時まだ武蔵十七歳。字は武蔵ですが「むさし」ではなく「たけぞう」と自称しておりました。

 そこから様々な人と出会い、時に切り結び、旅を続けること十年余り。やがて訪れる離れ小島での決戦。そんな感じの物語を全8巻の大長編で描いた痛快時代小説です。


 極真空手創始者の大山倍達総裁、将棋の刈田升三・・・・は『月下の棋士』だ・・・・升田幸三名人、王貞治監督などなど、この小説に力をもらった著名人は少なくありません。また戦前の日本人の多くがその生き方に共感し、熱狂的な支持を集めたといいます。

 私もすごく勇気付けられました。また随分と宮本武蔵という人のことを誤解していた節があるようです。・・・・まあ、これが真実の宮本武蔵であるかどうかはわかりませんが(吉川英治先生も序文で「虚実織り交ぜて、小説として書いた」旨を述べておられますし)、ともかくイメージが変わりました。まあ激烈に強いのはもちろんですが、それが花の慶次でいう『虎は元々強いから強いんだよ』と言った強さではなく、人並みの悩みや苦しみと向き合い、それを乗り越えた先にある強さ――努力と修行と自己研鑽の果てに少しずつ積み重ねられたものなんですね。

 詳しい感想はまた後ほど書くかもしれませんが、とりあえず速報ベースで書きました。

 *

 それにしても、たとい小説と言えどもやはり書いた人の思想とか、そういうのが出てくるものだな・・・・と思いました。

 戦前の作家である吉川先生が書いた『宮本武蔵』。戦後に連載された山岡荘八先生の『徳川家康』。そしてもう少し時代が下った頃に書かれたシバリョーこと司馬遼太郎先生の『竜馬がゆく』。

 まあシバリョー先生は『司馬史観』なんていう言葉があるくらいクッキリハッキリ出ているので私が言うまでもありませんが、それを支持する人の意見にせよ批判する人の意見にせよ、そもそもそれがどういうことなのかわからなかったんですよね。結局、ほかに比べるものがないから。

 さしあたって、私はどれがいいとか悪いとか、言うつもりはありません。あえて言えば、それぞれを謙虚な気持ちで受け止め、その上でどういった生き方を志すのかを考えなければいけないだろう。そう思うのです。


 (ただ、たといベストセラーだろうと何だろうと、絶対に相容れないような思想を持った人の小説は、読みたいとは思いませんが)

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