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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 買って来て、試してみたところ右のスピーカーから音が出ない。

 「なんだこりゃ、つかまされた(だまされた)かな」

 そう思ってスイッチ類を眺めていたところ、左右のオーディオバランスを調節するつまみが思いっきり端っこに寄せられていて、それを戻したところ……ちゃんと音が流れました。

 そんな現代っ子の私と、1983年のラジカセでした。

 
 正確にはシャープのQT88というやつです。

 先週リサイクルショップで棚の奥のほうに押し込まれていたのをたまたま立ち寄ったときに発見したのですが、これを見たとき思わず私の背中に電流が走りました。

 コンパクトで丸っこいデザインが主流の現代からしてみれば、いかにも古臭い大型で角ばったデザインもそうなのですが、それよりも個人的に「赤いダブルラジカセ」というものに対して並々ならぬ思い出があるのです。


 ……というのは、今をさかのぼること十数年前。まだ中学生のころだったと思いますが、その時にも80年代的なラジカセをほしいと発起したことがありました。その時に悩んだのは「赤いダブルラジカセ」と「大型シングルラジカセ」。

 「(赤いダブルラジカセのほうが)かわいくていいんじゃないの」という助言もありましたが、それを踏みにじって大型シングルラジカセを選択した私。最近検索してみてわかったのですが、ナショナルのRX-5090(ステレオMACムウII)という機種だったようです。

 ところが、これがとんだ食わせ物でした。

 見た目がくたびれているのは、買う時にしっかり見ているのでいいです。実際にテープを再生してみると、一定スパンごとにもれなくキズをつけるという驚愕のトラップが仕掛けられていたことが発覚。坂本龍一の『グルッポ・ムジカーレII』をダビングしたテープが破壊されてしまいました。

 しかもラジオのチューナーも壊れて、ただノイズを大音量で発する箱になってしまったので、早々に処分してしまいました。


 それから十数年来、「あの時、赤いダブルラジカセを買っていれば……」と時々思っていました。

 そこにきて、これですからね。本当はもっとコンパクトな機種だった気がしますが、ともかく赤いしダブルだし。そういうわけでついつい買ってしまいました。

 いまや音楽といえばCDからデジタルデータに取り込むのが当たり前の時代にあって、こんなクラシックな代物が必要か必要でないかといえば……まあ必要ないでしょう。こんなものを買うくらいなら、新しいポータブルオーディオのひとつも買えばいいでしょう。

 でも、ポータブルオーディオはただの道具ですけど、QT88は「愛着のある道具」になれる可能性を秘めていると思うのです。十数年分の思いがプラスされるから。


 そういう経緯を経て、冒頭のちょっとしたトラブル? にいたります。

 大型ダブルラジカセで聴くFM放送は、心なしか音がまろやかであるように聞こえました。カセットの方はまだちゃんと試していないのですが、きっと今家電量販店に流れている現代(ヒュンダイじゃないですよ)ラジカセよりもはるかにいい音が聴こえることでしょう。きっとね。

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