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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 『田宮模型の仕事』で、一章分を割いて書かれていた『ミニ四駆』についての話。

 最初は実車をモデルにしたモーターライズの模型を作ったのが最初でしたが、これはあんまり売れなかったとか。子どもは実車に忠実なことにそれほど興味を惹かれないから、ということだったみたいです。

 それなら、ということで実車を思いっきりデフォルメした『ワイルドウイリス』が出て、これはそこそこヒットしたものの、今度は『遅い』。というわけでスピード競技用の、そしてRCカーが高価で買えない子ども……まあ、私もそうだったんですが……でも買えるようなものを、ということで『ホットショット』を長男とするJr.シリーズが始まったのでした。

 たといミニチュアとはいえ、とにかく自分で触れる、そして走らせられるプラモデルとして、大変にハマりました。

 ちょうどコロコロコミックでも全国規模で開催される競技会『ジャパンカップ』のリポートやら漫画『ダッシュ!四駆郎』やらでプッシュしていた時期でもあり、新しいキットが出ればすぐに買い、新しいグレードアップパーツが出たらそれも買い、といった感じでした。

 タイヤとホイールのセットとはいえ、400円とか500円とか、決して安いものではありません。そのため1セットだけ買って、一番新しい(=速い)キットにそれを取り付け、古いキットはノーマルに……戻せばよかったのでしょうが、新しい方にかかりきりで気が回らなかったのか、ばらばらのパーツになった旧キットが山積みになっていきました。

 ある時、兄者それに母親と一緒にそれらのパーツを組み合わせていくと、ノーマル状態の車体が5~6台出来上がりました。最新パーツをフルに盛り込んだ車体と比べると、なんとも冴えない感じがしましたが、「せっかく買ったのにもったいない」という言葉が、今ならよくわかるような気がします。

 *

 せっかく走る模型を作っても、走らせる場所がないから、コースを設計した。そのコースを速く走らせるために子ども達が独自の改造をしたところからヒントを得て、グレードアップパーツを開発した。そんな話がありました。

 バケツの中をぐるぐる走らせる社員のアイディアから『サイクロンループ』というコースが生まれ、フロントバンパーのところにボタンをつけたのを見て、後の『ガイドローラー』を開発した。さらにサイドバンパーに『マチ針』を立ててつっかえ棒にしたのを見て(これ『ダッシュ四駆郎』でも見たような気がします)、ねじ止め式のパーツを発売した。

 競技会とかで上位を獲得した人が独自につけているものを見て、「こういうのがあればいいなあ」と思ったようなのを、公式パーツとして誰でもができるようなものにしてくれる。そんな機動力がいいなあ、と思うのです。

 ただ、これは前にも書きましたが、競技者のレベルがどんどん上昇して、どんどん先鋭化していくにつれて、段々と『競技用スペシャル』になっていく模型に興味を失っていきました。

 これは近所に公式コースがなく、家の廊下か公園のアスファルトの上が主なコースだった田舎の野良レーサーだった犬神の環境もあると思います。確かに本を読んで、『これがあれば速い』という記事に基づき高価なパーツをたくさん取り付けていましたが、本当にそれらのパーツが効果を発揮するのはきちんとしたコースならではであり、「これで速くなる」という犬神少年の妄想が膨らんだ以上の効果はなかったかもしれません。

 それに、私にとってミニ四駆とは、「本物のRCが買えないからそのミニチュアを」というところからスタートしているため、マンガに出てきたマシンが主流になると、これはちょっと……となってしまったのかもしれません。

 あとは、この頃ようやく本格的なラジコンを買ってもらえた、というのもあるでしょうね。本格的といっても、組み立て完成済みのQD(クイックドライブ)ですけど。

 これだけで一本記事が書けそうなので詳しくは書きませんが、さすがタミヤ製だけあって、本格的なRCと遜色ないスピードが出ました。1回ごとに単3電池8本を使いきるという恐ろしい仕様ではあるものの(この頃充電池のありがたみを痛感した)、これだけの走りが送信機込みで1万円を切るプライス。当時の犬神にとっては最高のオモチャでした。

 *

 ま、そんなこんなで第二次ミニ四駆ブームには、まったく乗れませんでした。当時は私も中学生。学校のベランダとかで走らせているクラスメートはいましたが、「なんか違うよなあ」という思いで目にしていました。

 その後、新世代モデル「ミニ四駆PRO」という形で当時の流れを汲む現行モデルが発売されたり、旧キットがリニューアル再販されたりと、第三次ブーム? が到来している今日この頃。私も「アバンテMk.III」とかを買っちゃいましたよ。

 ブームは終わるし、思いは冷める。でも、また新しい世代が生まれたら、その子ども達がブームを作る。そういうものなのです。

 
 ものすごく長くなってしまいましたが、とりあえず、このくらいで話を締めくくることとしましょう。

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