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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 昨日は日曜日ということで、どこにいっても人がたくさんいて、なんだか思うように遊ぶことが出来ませんでした。まず駐車場に車を止められないのだからたまらない。

 そういうわけで、黒豹シリーズ第10作『黒豹列島』を読みました。一応、前にも読んだことはあるんですがね。


 今回はすごいですよ。任意の場所に毒の雨を降らせることができる敵が相手です。この雨が降ったところは植物が軒並み枯死し、湖沼の魚は全滅、さらに肌に触れると炎症を起こしたりするのです。人工的に作られた強い酸性の雨だそうです。

 さらに物語が進むと、触れるとたちどころに死に至る毒の霧が発生して街の人たちが全滅したり、高知の近くに突然タイフーン級の原潜が現れ、ミサイル攻撃でヒロインの一族(いずれも財界における重要人物)を含む多くの人たちが殺されます。国内を舞台にして、ここまで大規模に破壊行為が行われるのは、さすがの黒豹シリーズといえど、あんまりなかったような気がします。いや、でも岩手県が日本列島から切り離されるとか、そういうこともあったか。

 さすがの黒豹も手をこまねいてしまう気象兵器。果たして誰が、何の目的のためにこんなことを?……物語を読み進めていくと、恐ろしい事実が発覚します。

 
 今回の黒幕はアメリカのとある情報組織にいた男で、黒木のかつてのクラスメートでした。名前をジョージ・ウキタといいます。黒人と日本人のハーフだそうです。

 ハーフということで、よくいじめられていたジョージのことをかばっていた正義感あふれるアーリー黒豹。しかしながら、そういったことも含めて恨み憎しみのかたまりとなっていたジョージは、世界中の軍隊や情報機関からはみ出し者を集め、個人的な復讐心を満たすためにこんなことをしていたのでした。

 気象兵器というダイナミックさと、日本人(特に黒豹)に対する復讐のため、という理由のしょぼさの落差が激しい本作のクライマックスは、一族を殺された黒豹の秘書(兼愛人)・高浜沙霧とジョージとの一騎打ち。おお、これも沙霧女史大活躍の巻ですね。

 ちなみに私が持っている新書版には、渋い劇画調の挿絵があるのですが、そのタッチで描かれた格闘シーンの沙霧は……私が持っていたイメージとは少し違いますが、綺麗です。さすが黒豹最大のヒロイン。でも黒木の心の中にはいつも白瀬明日香がいるんです。沙霧はかけがえのない存在ですが、白瀬明日香はそれ以上の存在なんだそうです。


 『黒豹スペースコンバット』『黒豹伝説』につぐトンデモSF度爆発作品となっている『黒豹列島』。護衛艦しらねを旗艦とする『八・八艦隊』対タイフーン級原潜の架空戦記要素もあるので、それっぽい小説が好きな方も楽しめるかもしれません。

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