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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 先日も書いたように、三島由紀夫『太陽と鉄』を読みました。

 去年の暮れに澁澤龍彦『洞窟の偶像』のなかでちょこっと三島氏の評論を読んだのが切っ掛けと言えばきっかけですが(一応『金閣寺』はあるものの読んだことはない)、本格的に読んだのはこれが初めて。

 初めて読んだのが文学ではなく、信仰告白の書とでも言うべき『太陽と鉄』だったというのが、いいのかどうかわかりませんが、ともかく強く興味を引かれたのがコレだったので、とにかく一気に読みきりました。


 具体的に「こういう話です」と語ろうとすると、あまりにも感情的になりすぎるおそれがあるので、一言で表すと『告白の夜と批評の昼との堺の黄昏の領域』を書いた長いエッセーです。自分自身の秘められた感情、青白い文学青年だった三島氏がボディビルやボクシングや剣道によって隆々たる肉体を手に入れるまでの動機と経緯を、とても理路整然とした言葉で書いた作品です。……こんな感じでいいのかな。

 一方で、同じ文庫本に収録された『私の遍歴時代』は、うってかわって随分と気軽に読めるエッセーです。タイトル通り、中学時代から様々な人の出会いを経ていかにして小説家となったか、ということを、思い出語りの口調で書き記したものです。

 ともかくこの一冊を読んだだけでも、三島氏が思想家ではなく小説家だったんだなということをちゃんと理解することが出来ました。なんか、大きな壁が取り払われたような気分です。


 もう一冊の『三島由紀夫おぼえがき』は、以前途中まで読んでほっぽり出してしまった一冊。……やっぱり、せめて1冊でも読んでからじゃないと、ちゃんと理解できませんね。

 三島氏とは15年近い親交のあった作者だけに、出会いのことやお互いに文学について語り合ったこと、そして哀悼のエッセー……。今さら私が言うまでもないことですが、澁澤氏の鋭く(そして優しい)三島評が、とても興味深かったのです。


 一応、家には『金閣寺』がありますが、それよりも先に読んでみたいと思っているのは『仮面の告白』。どこまで読めるかわかりませんが、とりあえず興味を持ったところから、手を伸ばしてみたいと思います。

 ただし、澁澤氏以外のひとが書いた三島論とかは、決して読もうとは思わないのです。私は批評家でも研究家でもなく、ただの素人読者ですからね。そういう自由もあると思うのです。




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