しばらく前に『上野の413球』という言葉が流行ったことがありましたが(数字間違ってたらすみません)、私はこの言葉が嫌いでした。……もちろん413球も投げきった上野投手のパワーはすばらしいものだと思いますが、その言葉がね。413球って多すぎるだろ! って話でしてね。
それがドラマティックだったのは、9回裏のわずか21球に様々なドラマが交錯し、幕が下りたからだと思うのです。ええ、この言葉の元ネタとなった『江夏の21球』が、収録されているのが、この本なんです。
どういった内容かはWikipediaを見れば書いているのですが、勝ったにしても負けたにしても、そして野球に興味があるにしてもないにしても、そこにある人間ドラマは誰でもが息を飲み、感動できるのではないか、と思うのです。
で、それ以外にもいくつか短いノンフィクションの文章が収録されておりまして。……そのひとつひとつが、とても面白いのですが、それをいっぺんにこの項の中で触れようとするとゴチャゴチャになるので、ちょっとずるい感じですが、そのたび新しい項目で書くとしましょう。もうちょっと深く読まないと、うまく文章をかけないですしね。
それでも、一応、忘れないうちに書いておきたいのは……地方の弱小野球チームの話。どうせ甲子園になんていけるわけないんだから、つって生徒も先生(野球経験がほとんどない)ものんびりしたムードで、『楽しんでいこう』というスタンスで進んでいくのですが、なぜか順調に勝ち上がってしまって。
思わず笑ってしまったのは、そのことを喜ぶよりも早く宿泊費などの予算計上について顧問の先生と校長が頭を抱えてしまうシーン。ちょっと先生!(笑)
それが表題作『スローカーブを、もう一球』なのですが、そのことについてはまた改めて。
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