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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。



 犬神はプロレスに関する、いわゆる『暴露本』というジャンルにはどうも興味が出ません。わざわざそんなものを書き立てて、真実の姿を知ったからといって、それでプロレスの面白さが損なわれるわけでも、反対に盛り上がるわけでもない、と思っているからです。あ、でも色々と余計なことを考えるようになって、損なわれるのかもしれませんね。

 この『子殺し』は、金澤さん自身が「これは暴露本ではない」と語っています。でもブログでは「これは暴露本でしょう」と語る人がいました。実際どっちなの? じゃあ暴露本ってなんなの?

 ……考えれば考えるほど、よくわからなくなってしまいます。

 でも、ここでは金澤さん自身の言葉を額面通り受け取りたいと思います。これはスポーツドキュメントなのです。実際にその時、その場で起こったことを追いかけ続けた元『週刊ゴング』編集長とプロレスラーたちの戦いの記録なのです。
 当時、確かに格闘技バブルというのがあったと思います。

 あまりよく覚えてはいないのですが、K-1とかPRIDEとか、そういったものが今よりもバンバン放送されて、「とにかく強いやつは誰なんだ!」と想像をめぐらすのに興奮しまくっていた時代があったと思います。

 その頃は私もさほどプロレスに興味がなく、あえて言えば格闘技側の立場からそれを眺めていたような気がします。多分、今でもほとんどの人がそうだと思いますが、「プロレスラーは実際には強くない」っていう、あのスタンスです。

 はっきりそう感じたのは、覚えている人もたくさんいると思うんですが、『橋本真也34歳 小川直也に負けたら即引退スペシャル』と銘打たれたあの番組で、橋本さんがオガワに負けてしまった時。そして後にそのオガワが、いつだったかな、同じ柔道出身の吉田秀彦さんに負けた時。

 『プロレスラーは強くない』そんな金科玉条が私の心の中にズドンと立ってしまったのでした。


 そんなオガワがプロレス界で巻き起こした事件が、今も語り継がれる99年1月4日のドーム大会における掟破り。私は多分、映像を見ていないのですが、どういう試合内容だったかは無論この本でも語られていますし、色々な人が語っているので、よくわかります。

 ただ、この本では個人的な親交があったのもあり、そのあたりの経緯とその後の流れが非常に詳しく書かれています。このあたりが暴露本とかそうではないとか、そういう議論のあるところなのかもしれませんが、当事者のひとりとしてその場に立会い、重要な役割を果たした金沢さんが言うのだから、暴露本とは少し違う気がするのです。

 むしろそういった裏側のドラマを知ることで、もっともっとプロレスラーのすごさを感じることができると思うのです。何せ『神』と戦っていたんですから。


 あとは、永田さんこと永田裕志選手、ケンドー・カシンこと石沢常光選手、藤田和之選手の総合格闘技参戦に関する話。これを読めば永田さんがただの白目レスラーではないことをこれでもかというほどに痛感するでしょう。そして恥も何もすべてを受け入れることを決めたキリストのような人間性に涙が止まらなくなることでしょう(言い過ぎ)。

 ともかく、すでに4回くらい読み返してしまいましたが、そのたびにまるで自分が当時のその場所に立ち会っているかのような緊迫感を味わえる『子殺し』。なんだか色々と強い気持ちにさせてくれる一冊なのです。

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 当時、確かに格闘技バブルというのがあったと思います。

 あまりよく覚えてはいないのですが、K-1とかPRIDEとか、そういったものが今よりもバンバン放送されて、「とにかく強いやつは誰なんだ!」と想像をめぐらすのに興奮しまくっていた時代があったと思います。

 その頃は私もさほどプロレスに興味がなく、あえて言えば格闘技側の立場からそれを眺めていたような気がします。多分、今でもほとんどの人がそうだと思いますが、「プロレスラーは実際には強くない」っていう、あのスタンスです。

 はっきりそう感じたのは、覚えている人もたくさんいると思うんですが、『橋本真也34歳 小川直也に負けたら即引退スペシャル』と銘打たれたあの番組で、橋本さんがオガワに負けてしまった時。そして後にそのオガワが、いつだったかな、同じ柔道出身の吉田秀彦さんに負けた時。

 『プロレスラーは強くない』そんな金科玉条が私の心の中にズドンと立ってしまったのでした。


 そんなオガワがプロレス界で巻き起こした事件が、今も語り継がれる99年1月4日のドーム大会における掟破り。私は多分、映像を見ていないのですが、どういう試合内容だったかは無論この本でも語られていますし、色々な人が語っているので、よくわかります。

 ただ、この本では個人的な親交があったのもあり、そのあたりの経緯とその後の流れが非常に詳しく書かれています。このあたりが暴露本とかそうではないとか、そういう議論のあるところなのかもしれませんが、当事者のひとりとしてその場に立会い、重要な役割を果たした金沢さんが言うのだから、暴露本とは少し違う気がするのです。

 むしろそういった裏側のドラマを知ることで、もっともっとプロレスラーのすごさを感じることができると思うのです。何せ『神』と戦っていたんですから。


 あとは、永田さんこと永田裕志選手、ケンドー・カシンこと石沢常光選手、藤田和之選手の総合格闘技参戦に関する話。これを読めば永田さんがただの白目レスラーではないことをこれでもかというほどに痛感するでしょう。そして恥も何もすべてを受け入れることを決めたキリストのような人間性に涙が止まらなくなることでしょう(言い過ぎ)。

 ともかく、すでに4回くらい読み返してしまいましたが、そのたびにまるで自分が当時のその場所に立ち会っているかのような緊迫感を味わえる『子殺し』。なんだか色々と強い気持ちにさせてくれる一冊なのです。

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