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大好きなアートと文芸関係、それに仙台を中心に私が見た日常のことを書いています。時々頑張って大体のんびり。もさらくさらの18年……。
 昨日から、我が岩手県は盛岡市で「さんさ踊り」が開幕しました。

 一応、全国の方がご覧になるブログですので説明しますと、これは岩手県の県庁所在地たる盛岡市の行政・警察・ありとあらゆる商業組織が一丸となり、街の中心街を笛と太鼓のBGMに合わせて踊りつつ練り歩くという、一年を通じても最大規模のお祭りなんですが。

 人によっては(私の親)、「ただ踊ってるのを眺めてたって面白くない」といわれるのですが……そう言われればそうだけど、としかと言えないのですが……まだ始まる前から街道の両脇にゴザなりブルーシートなりを敷いて缶ビールやお弁当など、花見かなんかのような感覚で構えている人たちがたくさんいる、やっぱり盛り上がる祭りなのです。

 何だかんだ言いながら、私もそれなりに毎年毎年その熱気に揉まれていて。

 仕事があってそうすることが出来ない年でもその歓声をオフィスで聞いて何となく参加している気分になるくらい好きなのです。……まあ、中には「仕事してんのにウルサイ!」と激怒する女の子もいるので、あまり好きとはいえないのですが。


 今年はまだ本格的に始まる前に会社を出たこと、『四畳半神話大系』を読んだことで久々に大学生の頃のような気持ちに戻っていたことなどもあり、

 「祭りが本格的に始まる前に、ストイックに古本屋にだけ寄って帰ろう」

 と思い、大学の頃に行きまくっていた盛岡随一の古書店『キリン書房』に久しぶりに足を運び、澁澤龍彦や寺山修司といった、これまた当時濫読していた本を購入。

 ……それでそのまま帰ればよかったのですが、何となく懐かしい気持ちも手伝い、もう少し街を歩いてみることに。

 そして、愕然としてしまいました。

 私が子どもの頃によく行っていた商店街の雰囲気が、がらりと変わっていたのでした。

 飲食店の入っていたビルの1階がセブンイレブンになってる。アーケード街の入り口にあったマクドナルドが空き店舗になってる。他の店舗も空っぽになってたり、妙に小奇麗にリニューアルされていたり、なんだか少々味気なくなってしまっていました。

 こういった変化をリアルタイムに感じることができず、なくなってからビックリするのは、本当に寂しいです。20年以上、就学前から知っていて、親しんでいたところだけにね。もうこの街の住人じゃないんだって言うことを痛感して。

 まあ、そんな寂しい思いもしつつ、もう一度キリン書房の辺りまで戻り、それから家路へとついたのでしたが。

 今年は新しい出店の食べ物がなかったのが、ちょっと残念でした。『トルネードポテト』(2008年)などのような、ヘンテコな食べ物がなくてね。

 その代わり焼き鳥とかホルモンとか、ビールが5杯くらい飲めそうなものばっかりが氾濫していて。ひとつでも口にしたらもう車で帰れなくなることは火を見るより明らかだったので、そこはストイックに、まっすぐ家に帰ってきました。

 まあね、浴衣とか作務衣みたいな浴衣(下がハーフパンツみたいなの)とか下がスカートみたいな浴衣(フリフリしてる感じ)とか、あとは水樹奈々のPVみたいなカッコイイカワイイ服を着た子とか、普通に学校ジャージの子とか、そうかと思えば黒の紋付でビシッと決めたオジサマがいたり、浴衣と言うか着流しにサングラスと言う、一歩間違えればその筋の人に見えなくもない格好をした人とか。

 そういった人たちとすれ違い、パレードに参加するための衣装を着た人たちの波を抜け、はたまたゲゲゲの鬼太郎と『怪物くん』のドラキュラが同じ場所で出番を待っているのを横目に眺めながら、黙々とスーツ姿で歩いてきました。我ながらなんともストイックなことだとは思いましたが、やはり夏は夏らしく、涼しい格好をしたい。そう思った蒸し暑い夏の日だったのでした。

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